9・11の前日・スペイン皇太子賞と古賀記事

明日9月11日は、東日本大震災から丁度半年、そして、あの9・11のテロから10年です。
不思議な偶然で、事件と地震の起こった時間の分数が46分で一致しているというお話も。
あれから10年後の世界は、半年後の被災地は、変わったのでしょうか?
10年経ってもアメリカはテロに怯え続け、半年経っても東北の復旧・復興の兆しはなかなかです。
福島原発に至っては事故の実態・詳細は東電さえ判っているのかいないのかハッキリしません。
ところで、昨日の夕刊に「原発作業員らに『共存共栄賞』/スペイン皇太子基金」という記事が。
授賞式は10月21日、スペインのオビエドで王妃や皇太子らが参加して行われ、賞金は5万ユーロ(約540万円)。
余り馴染みのない賞ですが、記事を引用してみます。(日経9日夕刊より)

 スペインのアストゥリアス皇太子基金は7日、今年の同皇太子賞の「共存共栄賞」を福島第一原発事故の現場で、事故の拡大を防ぐため献身的な働きをした東京電力やその下請け作業員、消防、自衛隊員らの「フクシマの英雄たち」に授与すると発表した。
 同基金は受賞理由を「勇敢で模範的な行為」とし「自らの命を犠牲にしてでも津波による原発の惨禍を避けようと闘った。彼らは人間としての卓越した価値を示してくれた」と評価。
 「彼らのなしたことは、日本社会に根付く義務感、逆境での品位、謙虚さ、寛容、勇気のたまものだ」と称揚した。

一大臣の「死の街」発言で大騒ぎを作り出す日本の新聞・テレビ。
本当に大事なことを見失わないように・・・と思います。
昨日「日々坦々」さんのブログ(http://etc8.blog83.fc2.com/)で見つけた日刊ゲンダイに発表された古賀茂明さんの野田内閣の記事。新しい政権をどういう風に見たらよいのか大きなヒントになりますので、そのままコピーしてみます。

古賀茂明氏が斬る野田政権の正体 シリーズ[論功行賞内向内閣を識者はこう見る]
(日刊ゲンダイ2011/9/8)


≪裏で仙谷が政調会長代行が仕切る傀儡政権


官僚にとって、仙谷政調会長代行は付き合いやすい政治家なのだろう。「どうしてもこれをやりたい」という政策がないからだ。それがあると、官僚とは衝突するが、仙谷氏は違う。これをやりたい。だから権力が欲しい。こういう発想ではなく、官僚の力を使って、権力を手中にし、動かすことに主眼を置いているのである。
東京電力の処理でも当初は、破綻処理に熱心だったのに旗色が悪くなると、さっさと引っ込めてしまったという。政権交代前は「政治主導」「脱官僚依存」に熱心だったのに、財務官僚を取り込んだ方が権力を動かすのに得だと判断すると、あっさり衣替えである。
かつて、自民党政権にはこの手の政治家が多かったが仙谷氏も似ている。こういう政治家なら官僚は楽チンだ。相談に行けば、上手に落としどころを考えてくれるからだ。


さて、その仙谷氏が政調会長代行に就き、野田新内閣は党の政調会で政府提出法案については事前承認することを決めた。さっそく、政調への権限集中が話題になっているが、官僚が列をなして仙谷詣でをする光景が見えるようだ。頑固で我を通すことが多い前原政調会長よりも、仙谷代行の方が話をつけやすいからだ。


おそらく、この政権は仙谷氏が仕切る。そのバックには財務省がいる。私は仙谷・財務省内閣だとみている。本当は仙谷官房長官にしたかったのだと思う。しかし、それでは、挙党一致にならないから、一歩引かせた。政調会長代行というのは巧妙だ。単なる大臣であれば、その役所を所管するだけだが、党の政調であれば、官房長官のごとく、すべての政策を仕切れる。トップの前原氏は外交・安保が中心だから、内政は自然と仙谷氏に集中する。実質、仙谷官房長官だ。それは他の閣僚の経験・力量不足を見れば、ますます一目瞭然だ。大臣が頼りにならなければ、官僚は仙谷氏に頼る。裏を返せば、仙谷氏が仕切るから、軽量大臣でいいのである。


社会保障と税の一体改革が担当の古川国家戦略相は財務省出身だが、財務省の幹部はそうみていない。「彼は主査(主計官補佐)も経験していないでしょ」とバカにしている。安住財務相は就任以来、テレビに出ずっぱりだ。おそらく、役割は増税PR役なのだろう。野田首相や仙谷氏ではテレビ映りが悪い。だから、そこだけテレビ大好き人間の安住大臣がやる。本当の政策は財務官僚と仙谷氏らが仕切る。こういうことだ。安住氏も気の毒な役回りだ。


その結果、大増税路線が敷かれるわけだが、つくづく民主党は分かっていない。税収不足を補うのであれば、消費税を25%くらいにするしかない。5%上げたところで、景気の足を引っ張るだけなのに財務省の言いなりだ。


日本は長い間、こうして、静かに沈んできた。国民がハッと気づき、政権交代をしたのに、鳩山、菅政権はみっともないくらいにバタついた。おそらく、野田政権ははたから見ると、きちんと運営されているように見えるだろう。官僚が裏で仕切るからだ。しかし、日本は自民党政権時代と同じように沈んでいく。どじょうが土深く沈んでも気がつかないところが怖い。≫

最後の一節が怖いですね。古賀氏の指摘が当たらない事を祈りたいです。
野田首相が本気で挙党一致を目指すのなら政策面でも少しはマシかなと期待したかったのですが・・・
仙石さんを表に出さないだけで、実権は・・・ということにならないでほしいですね。


昨日「玄気食堂 ゆいまる」で玄米小豆ご飯と旬の野菜を使ったヘルシーメニュー”お昼ごはんプレート”を頂きました。
7ヶ月の子供連れの若いお母さん仲間が隣のテーブルに。身体に良い食品…福島の同じ子を持つ母親の気持ちは?とつい。

PS:9日のブログで大江健三郎氏や山田洋次氏ほかが脱原発の講演をしたようなと書いた件、「さようなら原発」の講演だったことがわかりました。(http://sayonara-nukes.org/
9月19日明治公園で開催の「集まれ5万人! さようなら原発集会」の案内があります。

◎「さようなら原発1000万人署名」については:http://sayonara-nukes.org/shomei_faq/