今度の選挙について

橋下大阪市長の「日本維新の会」と石原さんの「太陽の党」の合流と、嘉田滋賀県知事の「日本未来の党」と小沢さんの「国民の生活が第一」の合流は表面的には似ていますので、同じに見えます。どちらも、野田総理の突然の解散で思いがけず早くなった衆院選に間に合わせに合流している点で既に同じですので、選挙戦に間に合わせるためのアタフタ度は遅れた分だけ「未来」の方にもあるわけで。同じだな〜と思う面が確かにあります。でも、それで、選挙が分らないと投げやりになってほしくありませんね。
今回の選挙、”準備万端整って待ってました!”の党は、自民党公明党です。
この二党は年内解散で選挙をやれば有利だという計算で野田さんに解散を迫っていました。民主党の党首でもある野田さんは、民主党自体が選挙は来年と思っていたのに、個人的な理由(噓つきになりたくない)と消費税導入とアメリカとの関係改善(アメリカの望み通り原発再稼働の道筋をつけて核燃料リサイクル計画も残し、フルMOX燃料の大間原発の建設を再開させ、オスプレイも受け入れ、尖閣諸島石原都知事の買い取りを防いで最悪の事態は避けた)とで、選挙後民主党が政権を取れなくても、歴史に残る総理になれると踏んで、得意の名?演説で解散を。

で、一番困ったのは「維新」と「生活」。小沢氏は夏には橋下氏を担いでという腹積もりもあったように思います。
その時は、「官僚支配から国民の政治主導へ」「統治機構、日本の行政・国家機構を中央集権から地方分権に」というテーマで、脱原発、官僚政治打破で橋下さんを担いで一緒にやれば国を変えることが出来る、そのためには石原氏とだって組めるということを言っておられました(参照9月1日蛙ブログ)。
その後の橋下さんの変化、小沢さんのドイツ脱原発視察とかがあって、決定的なのは「維新」と石原氏の「太陽」との合併でした。
政策が合わないのを承知で石原さんの強引さもあって合流。橋下氏の読みと判断に狂いがあったとしか思えません。「狂い」というのは橋下氏を甘く見ていた私の表現で、本当は、似た者同士の権力ほしさの「野合」そのものだったのでしょう。これは「みんなの」渡辺氏が「石原さんと抱き合い心中」と言った通りの経過をたどっているようにも見えます。焦った橋下さんのブレぶりもヒドイ。「あゝいえば上祐」並みかな〜と思っています。

「維新の会」の影か表か分りませんが、小泉改革の片棒を担いでいた竹中平蔵氏の存在が大きいのを忘れてはいけないと思います。維新が発表した最低賃金制廃止」はその竹中氏の新自由主義の行きつくところです。競争に負けるような人はいらない(存在しなくてよい)という考え方です。教育の場を競争の場にして大阪の教育現場は今大変なことになっています。これが全国で行われることになります。日本はますます一部の富裕層だけが良い思いをして大多数の日本人は省みられない文字通りの弱肉強食の社会になります。「維新の会」の橋下氏と石原氏には日本を任せたくありません。

党首討論で安倍さんと野田さんは「本当は一緒、それでは選挙にならないので・・・」と言った通り、今の民主党の主流は自民党と変わりませんし、選挙後は両党とも再度分裂して右寄り同士が合流という形になって野田さんは生き残るつもりのようでも。公明党は強い方、権力大好きですし、維新は批判勢力のふりをして実は同じという結果ですので、政策では変わらないとなるでしょう。

そうすると、3年前の政権交代民主党を支持した者は、改革の旗を掲げたまま、裏切り変節の野田民主党を見限って離党した人たちで興した小沢さんの「生活」しかないか…というところでした。
でも小沢さんの「生活」の動きはほとんど無視されて伝わってきません。時間を掛ける中で「維新」の変節と正体が解ってきてから、アッと驚く新党立ち上げでした。今まで無視してきたマスコミも、嘉田さんという看板では、さすが無視できなくなりました。当然、脱原発・反消費税・反TPPという政策ですので、相変わらず無視されたり批判にさらされたりはあるでしょうが、小選挙区での埋没からは少し助かるはずです。
どんなに準備不足で欠陥だらけでも、小沢嫌いでも、小沢ファンでも、嘉田さんでは…と「日本未来の党」の不満を言っているわけにはいかないのです。今も原発事故は進行中、被害は拡大、放射能汚染も続いています。私たち脱原発を願う者は、自分たちの一票でたとえ「ただちに原発ゼロの党」であれ正しいからと投票した結果が死票の山を築くだけでは困るのです。幅広く脱原発の願いを束ねる中心になる「未来の党」以外に選択肢はありません。
政策重視で二つの道のどちらを選択するのか。福島を忘れて原発維持を続け、消費増税で国民の大多数が困ろうと、TPPに参加して日本の全てをアメリカに差し出すのか、それとも脱原発・反消費税増税・反TPP(オスプレイ)を選ぶのか・・・これが私にとっての今度の選挙です。◎「日本未来の党」の政策綱領を「日本がアブナイ!」さんで:http://mewrun7.exblog.jp/19283781/


では、気になる嘉田さんと小沢さんの関係を同じく「日本がアブナイ」さんから引用です:

 30日に討論会でも、このように語っていた。

小沢氏を使いこなせずに、官僚を使いこなすことはできない」。新党「日本未来の党」代表の嘉田由紀子滋賀県知事は30日の党首討論会で、同党に合流する国民の生活が第一小沢一郎代表の「制御」に自信を示した。
 嘉田氏は「私は滋賀県の官僚をしっかり使いこなした」と強調。未来が「小沢支配」になるとの見方が絶えないが、嘉田氏は「なぜ皆さん、小沢氏をそう怖がるのか」と疑問を呈していた。
 討論会に先立ち嘉田氏は、都内のホテルで小沢氏と会談した。これに関し、嘉田氏は大津市内で記者団に「政策の中身の詰め、選挙の態勢などについて(協議した)」と説明した。
 また、小沢氏については「苦い薬だが、効果的な薬だ」と指摘。「良薬口に苦しだが、(小沢氏の)地方を大事にする政治、現場主義は地域主権改革にも有効」と語った。(時事通信11月30日)』



 さらに、1日に行なった小沢氏とのネット会談では、面白い言い方をしていた。

日本未来の党嘉田由紀子代表と、同党に合流する国民の生活が第一小沢一郎代表が1日夜、インターネット番組で初対談した。 


小沢氏は「(嘉田氏を)関心を持って遠くから眺めていた」と告白。嘉田氏が「(日本維新の会代表代行の)橋下徹さんは劇薬。自分は漢方薬。小沢さんは苦い薬。『良薬口に苦し』で効果の高い薬だ」と持ち上げると、小沢氏は「嘉田さんは西洋医学の薬と漢方の両面を持っている」と応じるなど蜜月ぶりをアピールした。(朝日新聞12月1日)』

同じく「アブナイ!」さんから、もう一つは森田実氏について。
森田さんは関西テレビの「アンカー」で金曜担当のコメンテーターです。小沢氏に無罪判決が出た時の山本キャスターは顔が引きつって「推定有罪」の反省無く「国会で説明すべき」と未だ言っていました。水曜の青山繫晴さんの評価と好対照の内容ですので、山本キャスターも相槌の打ち方が難しいでしょうに…
先週の森田さんの解説は、下記引用部分と内容が同じでしたが、力が入っていました。

<阿修羅で、森田実氏のツイッターをまとめたものを見たのだけど。(全文*1に)
『永田町スズメたちは「裏に小沢一郎がいる」とか「背後に亀井静香がいる」などと囁いているが、そんなことはどうでもよいことだ。
亀井氏も小沢氏もよくやった山田正彦氏もよくやったのだ
嘉田知事の真面目さ、誠実さ、やさしさが、これから輝くだろう。嘉田由紀子滋賀県知事の新党結成宣言は見事である。』
12月16日の総選挙は[「自民・公明」対「民主」]と[「維新」対「未来」]という二つの対立軸で戦われることになる。
民主党野田首相という極右政治家を引っ込めて、「未来」へ接近することができれば、民主党にもチャンスが生まれるかもしれない
。』

写真上から、一月ぶりに水中歩行に出かけた道中で見た美しい木々です。
最初は、二中の北の空き地の紅葉するモミジ。当対池(とたいけ)の周りのススキ。
唐池(からいけ)公園のプラタナス(鈴懸)の黄葉。最後の写真はは未だ青々としたプラタナスの大木。3時過ぎの西日を浴びて黄葉するプラタナス、見上げると高い木の黄葉の間に黒く見えるのは沢山の鈴。そのうち木の周りの地面に可愛い鈴がいっぱい落ちてくるでしょう。