「ガレキに立つ黄色いハンカチ」

我が家にあるもう一枚の龍の絵皿を。
昨夜はNHKスペシャルで、世界の最高峰エベレスト頂上からの360度の映像を見た後、そのまま、「被災地を巡る山田洋次監督」の「ガレキに立つ黄色いハンカチ」を見ました。

山田監督は、昨年監督50年目の記念の年の記念の作品、小津安二郎の「東京物語」を下敷きに「東京家族」という作品を撮る予定でした。
ところが、直前にあの3・11の大震災。大震災と大事故に揺れる日本。無かったことにして、映画を撮ることはできないと、山田監督は1年製作を延期して、災害現場へ足を運ぶことになりました。
知人からガレキの中に大漁旗と黄色いハンカチを掲げた写真を送られた山田監督は、旗と黄色いハンカチを掲げた主にお礼状を出し、三陸津波現場にその主を訪ねます。監督と握手をした彼に、後日、映画で使われた黄色いハンカチが届けられ、被災地に2つ目の黄色いハンカチの旗がはためきます。


番組は山田洋次監督の作品を紹介しながら、被災地を訪ねる山田さんに密着します。
天災の地震津波、人災の福島原発事故に触れずに映画は作れない、過去の山田作品がその時々の世の中の動きを敏感に取り上げて日本の歴史を反映してきたように、それ抜きで映画を作ることはできないと語る山田監督です。
山田監督の監督50年記念の作品「東京家族」に、2011年の日本がどんなふうに描かれるか楽しみです。
山田監督の言葉、「3・11を無かったことにしては進めない」というのは見ていた私と夫の実感でもありました。
今日訪ねたブログ「shuueiのメモ」(http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20120103/1325539646)では、「寅さん」映画の「前説」という興味深いお話が取り上げられていました。タイムリーなので紹介してみます。とらさん映画や山田監督に関心のある方には面白い内容だと思います。
山田監督の「幸せの黄色いハンカチ」には、原作があります。短編で英語のテキストにもよく出てくるお話です。
刑期を終えて出てきた彼が彼女に手紙で、もし今でも気持ちが変わっていなければ「樫の木に黄色いリボンを」と書いて送ります。彼女の住む町に差し掛かるバスの中で彼は窓の外を見る勇気がありません。バスの運転手や乗り合わせた人々が、黄色いリボンだ!という声に・・・というお話です。山田監督はこのお話を映画にしました。そして、この映画も、「前説」の方のお話の中では、山田作品の大きな流れの中の一つだという解説です。
黄色い旗がたくさんハタメク今年でありますように・・・