文科省の「放射能 副読本」

今日は午後からしばらくお休みしていたプールのウォーキングに出かけました。行き帰りの道筋でレンゲ畑を見ました。行きは北側の畑に近い住宅街の道、帰りは当対池公園南側の道を通って曲り池へ。
街路樹の花水木が西日を受けて真っ白に輝いていました。途中藤の花に覆われている住宅の塀が目に入りました。
桜が終わって一斉に木々が緑になったかと思うと、あちこちの庭や塀や花壇で花が咲きだしています。命の賛歌のようです。

ところで、文部科学省が小学生、中学生、高校生用に放射能の副読本を配っているそうですが、「らいるのひび」(http://blog.rairu.com/?eid=646)さんが写真入りで小学生用の副読本を紹介しています。
「らいる」さんの解説の文字部分のみを紹介してみます。

文部科学省が『放射線について考えてみよう』という副読本を作って全国の小学校に配っています。これ、実は飛んでもありません。

これは、中学生、高校生用もあるらしいです。ネットでも『文部科学省 放射能 副読本』で検索するか、以下をクリックするとダウンロードできるページにゆけます。

今日は、いちいち読んでる暇のない人のために、どれくらいとんでもないか小学校用の副読本を使って解説したいと思います。


表紙がもう「スイセンや空気からも放射線が出てるから、身近なものだよ」
というつくりになっています。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1313004.htm


先ず、『放射線って何だろう?』です。
身の回りにある放射線の紹介が絵入りでなされています。ここは、何を学ぶところかというと、教師用の副読本に学習ポイントが書いてあります。レントゲン博士がX線を発見したこと
放射線が身近にあることを学ぶそうです。


次が『放射線は、どのように使われているの?』です。
ここでは、人間がどんな風に放射線を利用しているのかを学びます。ここでも、放射線は人間に役に立つ大事なものであると言ったことを学ぶようです。


次は放射線を出すものって何だろう?』です。
ここでも又、放射線を出すものを放射性物質と呼び、それが色々なものに含まれている身近なものであると学びます。


そして、半減期の説明になるのですが、なんか良くわからないけど、放射性物質は時間が経つと減ってゆくということを教えたいみたいです。


次はいよいよ放射線を受けるとどうなるの?』という話になります。ところが、ここで突然放射線の単位の話になります。シーベルトとミリシーベルトマイクロシーベルトの説明になります。こんな単位きちんと説明できる大人がどれくらいいるでしょう。


そして、ここでも『自然から受ける放射線の量』ということで、身近に放射線があると又又、印象づけたいみたいです。


そして同じこのページになってやっと放射線と健康のことが語られるのが、左の図です。
がんなどの病気になる原因がいろいろ並べられていて、その中のひとつとして、放射線があげられています。


放射線を受けるとどうなるの?』のところで、学習するポイントは、放射線以外にもがんなどの病気になる原因がいっぱいあることを学ぶことになっています。突然、「健康な暮らしの仕方を考える」となるところが、いかにも文部科学省的でいやらしいです。


さて、そして、次は突然放射線は、どうやって計るの?』になります。
ガイガーカウンターで、計る話になります。『文科省は「はかるくん」を貸し出してるから、いろいろ計ってみよう』と書いてあります。


ここまでをまとめると、放射線というものは、身近にいっぱいある親しみやすいもので、人間にとっても役に立っていることと、時間と共に減ってゆくらしいよ。といったことしか言われていない気がします。かろうじて、がんなどの病気にも触れられていますが、それは、いろんながんになる原因と同じだから、放射線のことより、全体的な健康な暮らしについて考えてみることが大事だね。と言っていることになります。


ところが次が又突然、『放射線から身を守るには?』という話になります。
その内容は、『事故の時に身を守るには』と『事故が起こった時の心構え』です。
さんざん、放射線は身近なもので、人間に役に立つものと説明しておきながら、何故身を守る必要性があるのか、全くわかりません。


そして、突然、『事故』といわれてもそれは、何のことでしょう。どう考えても、これは『原発事故』の話であろうと思われますが、なんとここでは「放射性物質を利用している施設の事故によって、放射性物質が風に乗って飛んでくることがあり・・・・」と書いてあります。なんでしょう。このこざかしさは・・・・。


そして、もっと驚くべきことに、この、『放射線から身を守るには?』の部分は、教師用の解説編では、白紙になっています。


いったい、何のために放射線に関する副読本を今作らなければならないのでしょうか。何故、避難したり、苦しんでいるのでしょうか。これでは、そういったことは全く理解できないし、放射線から自分の身を守るということは、全くできません。


これは、ダメです。原発事故後に『原子力ワクワクランド』という副読本が、問題があるとして回収されました。それに勝るとも劣らない物で、これが全国に配られているとしたらそれは本当に問題だと思います。

何だかまどろっこしい内容ですね。昨年の3月、最高レベルの事故が日本で起きて、放射能汚染の影響を大きく受ける子どもたちに注意を促すための副読本であるはずなのに何を心配してそんなにまどろっこしい順番の話になるんでしょうか。まず、放射能の危険と身を守る事を教えて、そして、最後に自然界にもあるんだよ、ならまだわかる話ですが・・・お役所のやることは・・・とついつい愚痴っぽくなってしまいます。