金曜デモと<原発事故、避難させた先は……「『殺人罪』ではないか」亡き町長の怒り>その後SPEEDIは廃止

◎昨日は9月最後の金曜日、再稼働反対抗議デモについて、いつものように「特別な1日」さんのブログからです:『上生菓子の作り方』と『問題の責は彼個人ではなく(朝日『論壇時評』)』 - 特別な1日

 と、いうことで今週は金曜官邸前抗議はオンライン現地での抗議は中止です。100人に満たなかった先週の人の集まり具合を考えれば、リアルでの抗議はまだ時期尚早だと思いました。感染の具合を見ながら、ムリする必要はないと思います。先は長いのですから(笑)。

f:id:cangael:20200925212301p:plain

🔲双葉町にできた原発事故の伝承館、語り部に特定の団体を批判しないよう求めたとか。特定の団体って東電のこと?政府のこと?なんですね~やはり・・・
 
 
 
 
吉田千亜
 
@hankoyama
 
つらい経験を語ってくださる方を大切にしていない。許されないこと。本当に怒ってます私 語れない語り部?特定の団体批判しないよう求める(福島県)(テレビユー福島) - Yahoo!ニュース
語れない語り部?特定の団体批判しないよう求める(福島県)(テレビユー福島) - Yahoo!ニュース
原発事故を後世に伝える施設、福島県双葉町東日本大震災原子力災害伝承館で、被災した経験を語る「語り部」に対し、国や東京電力などを含む「特定の団体や個人の批判」を話す内容に含まないよう求めていたことが、テレビユー福島が入手した資料で24日明らかになりました。

原発事故直後、SPEEDIの情報が伝えられずに、浪江町の人たちは放射性ブルームの流れる方向へ逃げて行ったという話は伝えられていました。あれから間もなく10年、9月11日は、その10年の半年前、9年半の3・11です。

SPEEDI」というのは、「原子力規制委員会が、原発事故の際に放射性物質の拡散を予測する『緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム』(SPEEDI=スピーディ)のことで、原子力規制委員会は事故の際、この活用を明記していた」ものです。

🔲9月23日付で次のような記事が発表されました。以下全文引用です:

原発事故、避難させた先は…「『殺人罪』ではないか」亡き町長の怒り

 東日本大震災から間もなく10年。福島県には住民がまだ1人も帰れない「村」がある。原発から20~30キロ離れた「旧津島村」(浪江町)。原発事故で散り散りになった住民たちの10年を訪ねる。(朝日新聞南相馬支局・三浦英之)

 

被害対応に追われた震災当日の夜

 

原発が危険な状況に陥っているなんて、夢にも思いませんでした」

2018年4月、福島県浪江町馬場有町長(当時69)は、私の取材にせき込みながら答えた。胃がんで他界する、約2カ月半前のことだった。

東日本大震災が発生した2011年3月11日、浪江町沿岸部には大津波が押し寄せた。町役場はその夜、津波地震の被害への対応に追われた。

町役場は原発から北に約8キロ。停電が続き、携帯電話もつながらない。国や福島県東京電力からは情報が一切寄せられなかった

「まさか原発が」

原発が危機的な状況に陥っていると知ったのは、一夜明けた3月12日午前5時44分。椅子で仮眠を取っていた馬場町長が目を覚まし、発電機で視聴可能になったテレビの画面を偶然見たとき、政府が第一原発から半径10キロに避難指示を出したことを知った。

「まさか原発が」。10キロ圏内には町民の約8割、約1万6千人が暮らしている。すぐさま災害対策会議を開き、原発から20キロ以上離れた町西部の旧津島村に避難することを決めた。

午前8時40分、3台のバスによる町民の輸送が始まった。馬場町長が町役場を離れた直後の午後3時36分、南東で原発の1号機が水素爆発する音を聞いた。まるでジェット機が墜落したような音だった。

 伝えられなかった放射能の汚染予測

避難先となった旧津島村には約8千人が身を寄せていた。近隣の住民が総出で炊き出しや避難者の世話に当たっていた。

そこで翌日夕、防護服を着て周辺で放射線量を測定している男たちを目撃する。「町民が怖がるので、やめてもらえませんか」と申し入れても、聞き入れてもらえなかった。

「もしかすると、この地域はすでに放射能で汚染されているのではないか」

予感は半ば的中していた。事故で発生した放射性プルーム(雲)は原発から旧津島村がある北西方向に流れた。馬場町長は結果的に住民を放射線量の高くなる地域へと避難させてしまっていたのだ。

国所管の「SPEEDI」(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)は、放射性物質が北西に飛散することを事前に予測していた。しかし国は結果を浪江町には伝えず、福島県も結果をメールで受け取っていながら、伝えなかった。

馬場町長は5月、福島県の担当者が拡散予測を浪江町に伝えなかった事実を報告しに来たとき、泣きながら謝る担当者にこう詰め寄った。

放射能の汚染予測がわかっていたら、町民を津島には逃がさなかった。あなた方の行為は『殺人罪』にあたるのではないですか」

 


東京電力福島第一原発の事故後、全域が帰還困難区域になった福島県浪江町の「旧津島村」(現・津島地区)。原発事故で散り散りになった住民たちを南相馬支局の三浦英之記者が訪ね歩くルポ「帰れない村 福島・旧津島村の10年」。毎週水曜日の配信予定です。

三浦英之 2000年、朝日新聞に入社。南三陸駐在、アフリカ特派員などを経て、現在、南相馬支局員。『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で第13回開高健ノンフィクション賞、『日報隠蔽 南スーダン自衛隊は何を見たのか』(布施祐仁氏との共著)で第18回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で第25回小学館ノンフィクション大賞を受賞。

    KKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKKK
🔲9月23日の山崎氏のツィッターでは2012年から時系列でSPEEDIの廃止に至る政府の対応をまとめておられます:
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
こちらは、事故発生から1年後の2012年3月の読売新聞報道。日本政府は、SPEEDIのデータのうち、事故当日の昨年3月11日から同15日までの分を消去していた。 当時は民主党政権だが、日本政府は原発事故のような出来事が起きると、自国民の命など後回しで事実の隠蔽に力を注ぐ。
引用ツイート
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
·
東京電力福島第一原発事故で、福島県が国からメールで送られた放射性物質の拡散予測『SPEEDI(スピーディ)』のデータのうち、事故当日の昨年3月11日から同15日までの分を消去していたことが21日、わかった」(読売新聞)bit.ly/GFMI4Y

SPEEDIのデータは「無用の混乱を招くため」自国民には知らされず米軍には知らされた:

 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
福島第一原発事故の発生から10か月後の、2012年1月のツイート。NHKの元記事はもう残っていない(私が記事の画像を残すようになったのはそのため)が、日本政府が放射能汚染の拡散方向を予測するSPEEDIのデータを、自国民には知らせず米軍には知らせた事実をNHKが報じていた。
引用ツイート
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
·
SPEEDI情報 福島第一原発事故の直後に米軍に提供(NHKbit.ly/zEiqXH 「無用の混乱を招きかねない」として、事故発生から2か月近く一般国民に公表しなかったが、公表しなかったために「数々の無用の混乱を招いている」という現実をそろそろ直視すべきだろう。

 

 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
【国のSPEEDI放射性物質が北西に飛散することを予測していたが、国も福島県浪江町に伝えなかった】 しかし日本政府は、そのデータを事故発生直後に米軍(アメリカ軍)には提供していた。 日本政府は、自国民の安全はないがしろにしても、アメリカ兵の安全には配慮した。

◎政府の言い訳は「データの精度が低かった」だったが:

 
 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
SPEEDI開発に携わった日本原子力研究開発機構の茅野政道氏が苦言(河北新報bit.ly/QgSjgZ「原子炉などのデータが得られず精度が低かったとする政府の主張には『自然災害では不確実な予測でも対策に生かすのに、原子力災害で完璧な情報を求めるのは理解できない』」

 

 
 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
文部科学省SPEEDIのデータを外務省経由で米軍に提供する一方、国民には後々まで公表しなかったことはよく知られているが、彼らが「責任重大なSPEEDIの運用権限を原子力安全委員会に押し付けて首尾よく撤退した」という話は知らなかった。その理由について船橋氏は次のように書いている。
 
「それまでの試算結果を含めて、早急にSPEEDIを手放さないと、公表を迫られ、データを隠蔽していたのではないかと言われかねない。さらに、公表しなかったのが原因で被ばく者が出たと言われ責任を問われる怖れもある。その一方で、これまでの様々な仮定条件で試算したデータをすべて公表「事故5日目の2011年3月15日、SPEEDIによる放射性物質の拡散予測について、当時の文部科学相ら政務三役や文科省幹部が協議し『一般にはとても公表できない内容と判断』と記した内部文書が作成されていた」(中国新聞、2012年3月3日)bit.ly/U07z6p

◎そして、「SPEEDIの予算縮小」その理由が:

 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
古賀茂明氏のメルマガによれば、政府がSPEEDIの予算縮小を決定した理由は「それがあると原発再稼働の前提となる住民避難の想定を拡大せねばなくなるから『使い物にならない』ということにして捨てる」方針だからだという。何のためにSPEEDIを導入したかという理由は、もう忘れられている。 

◎そして、原子力委員会SPEEDIを住民避難の判断には使用しないことを決定!:

 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
原子力規制委員会は「不確かな予測結果を使うと、逆に被ばくのリスクを高めかねない」として今後「SPEEDI」を住民の避難の判断には使わないことを決定NHKbit.ly/1y9AA5K 古賀茂明氏の指摘通りの展開に。

◎そして、SPEEDIの記述の削除:

 
 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
原子力規制委員会が、原発事故の際に放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI=スピーディ)の活用を明記していた原子力災害対策指針を今月中に改正し、SPEEDIの記述の削除を決めた(産経)
「SPEEDI」削除決定へ 自治体反対押し切る 規制委、原子力災害対策指針改正
原子力規制委員会が、原発事故の際に放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI=スピーディ)の活用を明記していた原子…
SPEEDIは事故前は事故が起きてもこれがあるから大丈夫と言われていました。ところが事故が起こった後では・・・
 
 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
返信先: さん
「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)は、巨額の税金を投入して構築されたシステムだが、福島の事故以前には「事故が起きても心配ない、と印象づけるため」に使われ、事故後は「事故が起きても心配ない、と印象づけるため」に廃止される。同じ動機で結論が正反対になる。

戦争犯罪について反省できない日本、また今回も同じです。反省して責任の所在を明らかにして次に備える…これが出来ない日本。あいまいな国、日本・・・

 
 
 
山崎 雅弘
 
@mas__yamazaki
 
返信先: さん
原発事故直後から『SPEEDI』(緊急時迅速放射能影響予測システム)により予測された放射性物質の拡散被害を表す「積算放射線量試算マップ(2011年3月12日-4月24日)」(BWW)bit.ly/1rqHGSU
 
「だが、120億円以上の税金をかけたSPEEDIからはじき出されたこの情報は、住民のパニックを恐れる政府と福島県により隠蔽され、避難指示に生かされることはなかった」「文科省は年が明けた2012年1月16日、国会の事故調査委員会SPEEDIで得られた放射性物質の拡散予測結果について、国内での公表より先に米軍に2011年3月14日から外務省経由で提供していたことを明らかにした」「事故から9ヶ月も経過した12月23日、文部科学省は、SPEEDIのデータが当初、公表されなかったことについて、『公表するべきだった』とする見解を改めて示した。しかし何故、公表されなかったのか』や『公表しなかった(隠した)ことにより多くの人々を無用に被曝させたことの責任の所在』についての言及はなかった」「また、福島県は3/11の事故当夜から放射能拡散の予測データをメールで入手していたのに住民には公表しなかった」隠蔽体質は変わらない。
 
画像

原発関連では「shuueiのメモ」さんがフォローされています。最近のブログから4つの記事を紹介です:

福島第一原発 処理水の濃度下げる試験を本格的に開始 - shuueiのメモ

菅内閣、基本方針で「震災復興」「原発事故」に触れず 前政権は全9回で言及 - shuueiのメモ