「このまま再稼働は世界の笑いもの」(「そもそも総研」後藤正志氏)

昨日の野田総理原発再稼働宣言ほど呆れた会見はありません。
東京電力福島第1原発を襲ったような地震津波でも炉心損傷に至らない」と言い切ったときには耳を疑いました。こんな断定的な言い方がどうして野田首相にできるのでしょうか。まだ、「安全性に問題があるが、・・・」と言われた方が納得がいく話です。これはもう、誰のための再稼働???? 何のための原発???? どこ見て政治してるの??? です。フクシマは無かったことにして「安全神話復活」です。あきれ果てました。
政府や国会の事故調査委員会の検証作業はまだ終わっていないし、「そもそも総研」でも触れていたように、事故時に構内での指揮・作業拠点となる「免震事務棟」が関西電力大飯原発では完成していない。国会事故調の黒川清委員長は「なぜ国会事故調の報告を待ってからやらないのか」と批判したうえ、「世界の先進国のあり方と逆方向、国家の信頼のメルトダウン」と発言(写真は昨夜の報道ステーションより)。
野田首相の「国民の(経済)生活を守るために」「原発なしでは(経済が)立ちゆかない」発言に対して双葉町の井戸川町長の”それだけではないでしょ”の言葉(右上写真)、左下は「安全と何十年も聞かされてきたので、信用できない」)


さて、2日遅れでアップすることになってしまいました。木曜日のモーニングバードは玉川徹氏の「そもそも総研」。
野田首相の「宣言」の愚かさが分る内容です。
「keniti3545の日記」さんが動画で取り上げているサイトを紹介されていました。全体はソチラで:http://blog.livedoor.jp/ryoma307/archives/6292190.html
テーマは「そもそも政府は安全というけれども再稼動して本当に大丈夫なのだろうか?」 再稼動と安全性についてでした。慌ててメモ代わりにカメラで写したのがありますので後藤正志氏の言葉を文字にしてみます。(漏れている個所もあるので全体は動画の方で…)
いつもながら分りやすい円形グラフにまとめてあります。
「そもそも世界の安全基準」とは?で、IAEAの「五層の防護」が紹介されます。(下の大きな図参照)
ところが、日本はこれを満たしていなかったのです。そして、あの3・12のあの事故です。



玉川さんに「日本がIAEAの基準を満たしていなかったことについて?」と聞かれて、原子力安全・保安院の深野弘行院長が答えています(右端)。
新しい規制庁が未だ発足していないので、暫定的に安全・保安院がこれだけ守ればという安全基準の項目を作りました。
それが30項目です。これら30項目がクリアできれば…というところを、野田首相は勝手に「半分で安全は確認される」「責任は私が」と。
<どうして?? 「日米協力イニシアチブ」(5月28日蛙ブログ)が気になります。アメリカで再稼働をオバマ氏に約束した?>

原発の設計に関わった原発技術者の後藤正志さんが語ります。
「今回の30項目を含めた対策でも不十分なんですけど、それでも、30項目を確実にやることはまず大事なんですね、当然。
でも、それでも実際にまだやりきってないところが半分以下。そのうち、実質的にやっているのは、外から、例えば、電源車はどうだとか…外側のことばかりです。それは、安全を確保するための対策としては程遠いものです。
変わってないんですよ。何も、変わってない本質は。一部ちょっと手を入れるところもありますけれども部分的です。そうすると、3・11以前とそう変わっていないプラントがあって。それに対して、こうなったら津波(がきて) 電源に何かあったら外回りの対策をする そういう考え方です。そうすると、それでプラントが、あゝいう福島のような事故、あるいはそれ以上の規模の事故が起こらないという保証は とても言えない。」
「それをもって安全だと考えるのは、確率を落としている。事故の確率を落としているだけだから、確実にあるときに起こる
だからこういう過酷事故、福島のような事故あるいはそれ以上の規模の事故が しょせんは事故が起こってしまう防ぎきれない。」(過酷事故に対応するフィルタープラントも免震事務棟の設置も大飯原発では2015年までかかる予定→)
「そうすると皆さん本当に本気で日本でこれ以上の事故を起こすことを容認できないんだったら、やめたほうがいいです。」
「容認できるんだったら、よろしいです。私はそれ以上言いません。仕方がない・・・放射能汚染して日本の何分の1かが住めなくなる。関西圏の琵琶湖が汚染して関西圏が「ほとんど全滅するような状態になる。でも、それは仕方がない…電気のためなら.そういうことですね。」
「容認できるか、容認できないかが問題です。」

「それを、対策をしているというのは本質的な対策ではない。しかも”付け焼き刃”に近い対策すらやっていない。
しかもこの考え方で稼働していくということが本当に国際的に明らかになれば、これは世界中の笑いものになると私は思います。」