オスプレイ問題と日韓問題について新聞より

オスプレイ、訓練断念」の見出しに「えっ!!」と一瞬思いましたが、
横に「米軍、ハワイ2空港で 住民の懸念受け」とあり、「へぇ〜」という感じでした。
23日木曜日の日経夕刊のことです。大事なニュースなので全文移してみます:

オスプレイ、訓練断念  米軍、ハワイ2空港で  住民の懸念受け


 米政府がハワイ州の2空港での垂直離着陸輸送機オスプレイの訓練計画を断念していたことが23日、分かった。日米関係筋が明らかにした。オスプレイがもたらす格好気流や騒音が、周辺環境や遺跡保存に与える影響を懸念した住民の意見を受けたものオスプレイは米軍普天間基地沖縄県宜野湾市)に配備予定で、沖縄の住民からも配備や訓練の中止を求める声が高まる可能性がある。



 訓練を断念したのは米ハワイ州のモロカイ島にあるカラウパパ空港とハワイ島のウポル空港。2空港周辺はザトウクジラなどの野生生物の生息域で、周辺住民は環境への影響を懸念。住宅地上空での飛行や夜間飛行の騒音を心配する声や、観光などへの悪影響を恐れる意見も相次いだという。 米海兵隊は2018年までにハワイのカネオヘ基地にオスプレイ24機を配備し、州のほぼ全域で訓練を計画している。



 普天間基地への配備に伴って公表した米軍の環境レビューでは、ハワイ2空港で計画していたものと同様の着陸訓練を伊江島補助飛行場(沖縄県伊江村)などで計画しているとして「環境への重大な影響はない」と結論づけていた。一方、環境レビューでは住民の意見を集める手続きはない
 オスプレイの配備や訓練を巡っては、沖縄県山口県をはじめ、全国各地で安全性や環境への影響を懸念して中止を求める声が相次いでいる。

さて、「日本では?」が気になりますが、昨日24日の夕刊では、

米、安全性を強調  オスプレイ巡り統幕長に 離島防衛の連携確認


[ワシントン]訪米中の岩崎繁統合幕僚長は23日、米国防総省でデンプシー統合参謀本部長と会談した。
米側は人口密集地での安全を保証した
更に東アジアで海洋権益の確保に動く中国を念頭に、離島防衛のあり方などを含めた米軍と自衛隊の連携強化を確認した。


 岩崎氏は会談で、今年6月に米フロリダ州で起きたオスプレイの墜落事故に関して早期に日本側に説明するよう要請した。デンプシー氏は記者会見でオスプレイについて「次世代の輸送機であり、米軍の近代化にとって重要だ」と指摘。「市街地で運用しても安全であることを沖縄をはじめ日本の人々に理解してほしい」と答えた。
 デンプシー氏は「これまでも米軍と自衛隊は緊密な連携を取ってきたが、さらに陸海空、サイバーのあらゆる分野で協力を拡大していきたい」と言明した。
 岩崎氏は「アジア太平洋情勢について意見交換した。今まで以上に日米の共同が進むよう努力することで合意した」と表明した。

と、一旦は「人口密集地での安全を保証」(???)した米側ですが、25日今朝の紙面では:

オスプレイプロベラ操作 基地上空に限定  日米大筋合意


 日米両政府は米軍普天間基地に配備する予定のオスプレイについて、事故が多発している離着陸時にプロベラの角度を変える操作は原則、基地の上空だけで実施することで大筋合意した。日米関係筋が24日、明らかにした。普天間基地は周辺を住宅地に囲まれており、安全性を懸念する地元に配慮した。


 オスプレイの配備計画などを話し合う日米合同委員会で来月上旬にも正式合意する。同委は全国各地で予定する低空飛行訓練に関し、住宅密集地の上空を極力避ける方向で調整している。騒音を抑える方法も検討する。
 オスプレイは今年4月にモロッコ、6月にフロリダ州でそれぞれ墜落事故を起こした。いずれもプロペラの向きを変えている途中に発生しており、機体の不安定さが指摘されていた。
 米軍はオスプレイに関する日本独自の安全確認が終わり次第、米軍岩国基地山口県)のオスプレイを試験飛行する。10月初旬には普天間基地で本格運用を目指す

ハワイの住民の反対運動がなければ、「人口密集地でも安全」なオスプレイはそのまま日本に来て、
不安定なプロペラの角度変更を、民家や里山の上空でも自由にやっていたでしょう。
日本の住民もハワイの住民も同じ人間の命です。命を守る政府の責任、がんばって言うべきことは言って下さい。
●●●竹島問題について24日日経夕刊では、ワシントン発で、ウランド米国務省報道官は、日本政府が島根県竹島の領有権問題を国際司法裁判所に提訴する方針について「我々は特定の立場を取らない」と述べたと報じています。
そして、今朝の日経によりますと、いよいよ日韓問題にアメリカが乗り出す構えです。「米国の代表的知日派(ジャパンハンドラーズの元締め?)であるアーミテージ元国務副長官とナイ元国防次官補が共同座長として先にまとめた対日政策に関する最新の報告書(アーミテージ・ナイ3)は、急速に悪化している日韓関係の改善に米国が乗り出すべきだと提言した。(この時を待っていました!とばかりに) 提言の狙いなどを米ワシントンでアーミテージ氏に聞いた。」がリード部分です。
内容は、今まで日韓関係には言及や介入を表面的には避けてきた米政権が、なぜ、この時期にその「慣習」を破ってまで?という問いに答えて、「北朝鮮がその刃を双方ののど元に向けているにもかかわらず、同盟国同士が刃を突きつけあっているのは不健全」、それに「中国を平和的にアジアの大国として迎える努力を続けているが、この地域の強固な民主主義を達成しないと実現不可能。二つの民主国家がにらみ合っていては実現は到底おぼつかない」。
日韓双方が道を誤った、というのが我々の評価。李大統領は自らのスキャンダルが対日強硬姿勢の引き金。日本も民主党政権になって弱さを露呈した。鳩山氏は日米関係を傷つけ、菅氏は震災原発事故に忙殺、野田首相も国民の間で不人気。その結果、日韓双方とも身動きが取れない」(大多数の日本国民が望んだ政権交代アーミテージ氏のお気に召さなかったようです、民主党の自滅が悔しいですが、これも経験・勉強です)
そこで、米国による「和解工作」について、「米国は領土紛争にはいかなる立場も取らない。その上で、私が考えているのは日米韓3か国の有識者による非政府間会合を開き、次に政府当局者と民間人の双方が出席する準政府間会合に格上げしながら、進展を図る枠組みだ」「日韓米と近く新しい政府が発足する最高のタイミングだ。」(え〜〜! 自分たちの考えで仕切ってまとめて・・・三方の国民の意見とか意志とか聞かないで、「有識者」とかいう一部の人たちの判断でまる〜〜くおさめていいもんでしょうか? 根本的な解決には決してならないという気がします)
 「従軍慰安婦歴史認識にも触れるのか?」という問いには「状況に応じて取り組まなければならない。事実はただ一つ。それは悪いことであり、実際に起こった。そして、日本人の何人かが責任を負っている。それで、話は終わりだ」「冷静な歴史を教えることから始めればいい。歴史はすでに起こったことであり、いまさら変えられない。ただ、その大部分を過去のものとし、前を向くことは可能だ」「我々はこの問題に対処しなければならない。(米国)は日韓両国による和解を望んでいる。両国には長期にわたる戦略的な目的を常に頭に置いてほしい」(あ〜〜、アメリカに言われたくない!)
ドイツが敗戦後フランスやポーランドとどれだけの努力をして受け入れてもらえるようになったか。私たちもアメリカの仲介なしでそれをすべきでしたし、今からでも遅くないです。橋下市長が言っていたように、日本人は現代史を教わっていません。敗戦直後はGHQの検閲があって自前の教育はできなかったし、冷戦体制に入ってからは無理矢理、中国封じ込め政策の前線基地でした。イデオロギーに基づいた二つの現代史があったようなものです。戦争に負けた日本は仕方がなかったとも言えます。
でも、67年経った今なら、アジアで我が国がやってきたことや、やられた国の人たちのことも、また、シベリア抑留のことや、戦争指導者や天皇制や天皇の役割、占領軍や占領政策のことなども少しは冷静に見ることが出来るようになったのではないでしょうか。その中の一つが孫崎氏の「戦後史の正体」であったようにも思います。
アメリカの正体も勿論正しく捉えるべきですし、平和的な交流を通してどの国とも親しくなれると実感している国民の数は戦前や戦争直後とは比較にならないでしょう。
一部の人たちの考えで、政権や政治を思いのままにするような方向は間違っていると思います。
      (今朝、ピエールドロンサールのバラが一輪咲いているのに気付きました。アップで撮りましたが、小ぶりです)