小沢一郎「生活」代表と橋下徹大阪市長(「キャスト」より)

<本日二つ目です>

金曜日夕方のABCテレビ「キャスト」で独占インタビューという小沢一郎氏の民主党離党後初の対談が放送されました。収録されたの日が国会で野田総理の問責決議案が可決された翌日で、まずこの件から入っています。18分ほどのインタビューの前に「大阪維新の会」の国政へ打って出るというニュースが流れて、編集によるものなのか、対談内容そのものも「維新の会」関連でまとめられていました。
動画で見ることが出来ますのでコチラで:http://ceron.jp/url/www.youtube.com/watch?v=xiwVz4ZQSBU
文字にしておくのもメモ代わりでよいかと思って、一部書き起こしです。質問は伊藤キャスターとジャーナリストの二木氏の二人。
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伊藤史隆(しりゅう)キャスター:国民の生活が第一」は何を国民に訴えるのか?
小沢一郎代表:それは我々は基本的には3年前の民主党マニフェストに基づいたものです。そのマニフェストの最大の前提になったものは、官僚支配から国民の政治主導へ。それから派生してお金と権力を全部霞が関が握っている、その官僚支配の中央集権の根本になっている、これを止めちゃう。そして地域の主役で、地域にお金も権限もやろう。地域のことは地域でやらせると同時に国の政府は小さくても、もっと強力な権限を持った政府にしないといけない。地方のことは地方に任せるということから大改革をしようというのが私たちの主張です。

伊藤:橋下市長も地域主権を主張していますが?
小沢代表:僕はあの〜地域主権は今言った通り必要だと思うし、そのためには橋下さんが言っているように統治機構、日本の行政・国家機構を変えないと、中央集権から地方分権に変えないといけませんから、その意味では同感ですし、私が前々から主張してきたことですので賛成です。ヤッパリね、大改革をするときはね、遮二無二やらないとね。遮二無二突進するトップと、そのゴチャゴチャになった所をうまく整理して調整していく陰の役割とね、両方ないとね物事はうまくいかないから


伊藤:霞が関の一点一極集中支配を覆すことは短時間でできるもんですか?
小沢代表:そりゃー官僚の抵抗は大変ですよ。だから、単に、官僚の前で威張ってりゃーという話じゃないです。だから本当に政治家が(そこらへんの)ヴィジョンを示してこういう風な国づくりをするんだといえば、皆、協力してくれる。いや、みんな絶対協力しますよ。説得に時間はかかりますよ。だけど、僕は絶対自信あるもの。

伊藤:「大阪から日本を変える」と橋下さんは言うんですけど、小沢さんは永田町で長い経験のなかで「日本を変える」と仰っていることが、ある意味、近いな〜と。
小沢代表:私も国家統治の機構を変えなくちゃいけないとずぅ〜と言ってきたことですので、橋下さんがそういうことを言い始めたというのは大変我が意を得たりという気がします。ただ、これを成就するには、地方からの声、地方からの力を結集していくことは大事ですが、最終、国の仕組みを変えるのは国会ですから、国の政治を担わないと変えられないんですよね。政権の補助勢力になって自分の意見を一寸づつ取り入れてくれという手法があるかもしれないけれど、それは根本的な改革には絶対つながらない。だから本当に変えたいんなら自ら政権を取らなくっちゃ駄目です。だから、そういうことを維新の皆さんが統治の機構を変えるんだと抜本的改革をするんだというのなら、そういう大きな志でやって頂きたい


伊藤:じゃ、お知恵貸してください、力貸して下さいなんてことが仮に橋下さんからあった時には?
小沢代表:ん、今、一番維新の会・橋下さんに対する期待感が強くなっていますから、その意味で具体像としては橋下さんですが、どなたであれ、私自身がトップに立ってどうこうしようという気がありませんから、ま、自分自身は今言ったように、何としても、この大改革を緒につけたいという思いがありますから、そういうことを考えておられる良いリーダーがあれば、どんな形でもポジション関係なく協力します。
二木:この人を総理にするという形で色んな政党を統合していく?
小沢代表:そうしなきゃダメだと思います。そうしないと国民のアレは集まらない。
二木:小沢代表に是非「総理に」と他党から言われたら?
小沢代表:いえいえ、僕はそんな気はありません。


二木:「生活が第一」と色んな政策が「維新の会」とはだいぶ違っているとマスコミはよく書くんですよね。そうじゃなくて、やはり大きな流れになってきた時、最後に小沢さんと橋下さんが話し合って方向性を決めるということで、大きく動くんじゃないのかな〜と、私は思うんですが、この辺、どうですか?
小沢代表:いや〜どうですかね。橋下さんがどういうお考えか分らないので・・・。私はどなたであれ協力するし、又協力しなければ選挙勝てないですから。その為には協力して、そして誰かトップ決めなきゃならない。そういう意味では、現時点では橋下さんがその期待を担っているし、もし橋下さんがそういう志を持っておられるんなら、そりゃそれで結構だと僕は思います。


二木:橋下さんは小沢さんのことを尊敬すると仰っています。
小沢代表:いやぁ〜わかりません。何かその辺の回路を、停滞したのを突破して・・・。やっぱりこの大改革ってのはね、遮二無二やらないとね。遮二無二突破するトップとね、こうゴチャゴチャになったところを上手く整理・調整していく陰の役割とね両方ないとね物事はうまくいかないから。
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伊藤:「遮二無二突進するトップと経験を持った調整する陰の役割があれば」というのは、橋下市長を想定し、自分を想定していると、一寸、ラブコールに近いと思ったので、今朝(金曜の朝)、この小沢代表の言葉をどう感じるのか橋下市長に聞いてみました。
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伊藤:小沢代表はインタビューで大半の時間を橋下市長・維新の会について熱く話していた。それで、「自分で政権を取る」ぐらいの志でやってもらいたいと言っていたが?
橋下市長:「えっ、僕にですか?」「それは、と〜んでもないですよ。」「そういう風にエール・声を掛けて戴けるのは大変うれしく思いますが。
小沢先生は、今までやってきたことを根本から変えなきゃいけないという強い思いを持たれた政治家ということは間違いありませんから
反対する人が山ほどいない政治家の方が役に立たない政治家なんじゃないですか。
だから、小沢先生は、これまでの日本の政治史において色んなことを挑戦しながら、ぶつかりながら、・・・
しょうじき、僕は、あそこまでメディアから、国民から批判を受ける状況では、僕自身もたないでしょうね・・」。

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金曜日、帰宅してテレビを付けたらVTRは終わって、二人のゲストに感想を訪ねているところでした。今日、録画を見て書き起こしてみました。
関西の番組なので橋下氏の関連で小沢氏に話を向けていることもあって、内容は橋下氏に関する話になっているようですが、注意深く小沢氏の話の内容を追ってみますと、小沢氏自身は、以前からの主張通り、現在の日本の最大、最悪の問題は、官僚主導の世の中になり、東京一極集中なっていること。日本を変えるには、政治主導、地方分権にし、そのためのヴィジョンを政治家が示せば、この国の官僚も必ず協力するという、その点での官僚への信頼も持っている。
実現のためには、遮二無二突破するリーダーと、その陰で支える整理・調整役が必要。今のところ橋下氏への国民の期待が大きいのでそのリーダーとして橋下氏の名前が上がる。本気で日本の統治機構を変える気があるなら自分で政権を取らなければ・・・と。たしかに、本気なら一緒にやってみないかという風にも取れますし、小沢氏の側から橋下・維新を否定する言い方はしないとも取れます。
橋下氏は、小沢氏のこととなると顔つきが真面目になります。大言壮語、自信満々、大胆不敵、傲岸不遜といった虚勢が?なくなって、年相応の書生風にも見えて、神妙な姿勢が伺えます。この点がヒョットして橋下氏も豹変するかもと私が期待を掛ける唯一の根拠になっています。
日本の統治機構の改革、官僚主導から政治主導へ、中央集権から地方分権へという政治変革が最優先課題なんだという小沢氏の主張が良くわかりましたし、私自身3年前に政権交代に賭けた夢も思い出しました。外交、内政、総てにおいて大きくなりすぎた官僚機構が日本を牛耳って官僚のための政治をしている。それは自民党民主党公明党に限らず、総ての政治家の共通の思いだったはずです。
TPPの問題や、教育、安全保障の問題なども気になりますが、確かに優先課題(原発問題とこの官僚主導と統治機構の問題)というものがあり、そのことのために小異を捨てて大同団結というオリーブの木構想が実現すれば日本は変わるかもしれないと思います。その為のリーダーは志さえあれば橋下氏であろうと石原慎太郎氏であろうと(東国原氏のトーク)構わないという小沢一郎氏、最後の大仕事にかける気持ちは伝わりました。
(写真は昨日の坊の島の田圃と、畑の中で咲いていた真っ赤なビロードみたいなケイトウの花)
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