「検察 吉田前所長の聴取書押収」と名雪元審議官問題

 今日のブログのタイトルは日経夕刊の記事から頂きました。同じ内容が讀賣夕刊にも。コチラを全文写します:

福島第一原発 事故調記録 差し押さえ 検察 吉田元所長の聴取内容



 東京電力福島第一原発事故を巡る捜査で、検察当局が、元同原発所長の吉田昌郎執行役員(57)が政府の事故調査委員会に事故経緯などを説明した際の聴取記録を差し押さえていたことがわかった元所長は業務上過失致死容疑などで刑事告発されているが、病気療養中で事情聴取が難しいことから、強制的な手段を採ったとみられる。

 吉田元所長は2010年6月に同原発の所長となり、11年3月の事故時には現場の責任者として事故対応を指揮した。また東電社内で08年、東北沖で強い地震が発生した場合、15メートル超の津波が押し寄せる可能性があるとの試算を出した際には担当部長でもあった。
  吉田所長は事故後、食道がんであることを告白し、昨年7月に脳出血の手術を受けた。事情聴取に応じられない見通しのため、検察は、元所長が津波対策や事故経緯について政府事故調に語った聴取記録を入手する必要があると判断。事故調に任意提出を求めたが、「刑事訴追を目的としていないと表明した上で調査した記録だ」との理由で断られたため、令状に基づき差し押さえた。 
  事故調の報告書によると、吉田元所長は「15メートル超の津波は最も厳しい試算結果に過ぎず、実際には来ないと考えていた」などと説明したとされる。

福島原発告訴団の告訴を受けて検察が随分動き出しているようです。
◎「厳正な捜査・起訴を求める署名」の第一次締め切りの2月15日が迫ってきました。
訴えの文章とネットで簡単に出来る署名はコチラから
:蛙ブログ「『福島をわすれない』とネット署名のご案内」http://d.hatena.ne.jp/cangael/20130124/1358991236
さて、原子力規制庁名雪哲夫元審議官による日本原電への報告書漏出問題についてはhatehei666さんのブログでも取り上げておられます(http://d.hatena.ne.jp/hatehei666/20130204/1359971838)。昨日の讀賣の夕刊は、吉田元所長の記事の真下にこの件についての記事が掲載されていました。
◎昨夜のNHKクローズアップ現代」は、原子力規制委員会を扱っていて、敦賀原発廃炉の可能性が濃厚だし、このまま規制委員会が”安全性のみを基準に”やって行けば(貫いてほしいものです!)、そのうち原発の何基かは廃炉が確実ということを受けて、廃炉にもコストがかかる。電力会社はそのコストも電気料金でと考えているようだが、これからの問題。いずれにせよ国民の負担は避けられないので、覚悟が必要という内容でした。
◎こういう流れの中、今回の「まだそんなことやってんの!?」ともいうべき名雪元審議官の原電への資料提供は、原発維持推進側の焦りの表れ(?)であるとも考えられます。では、端折って移してみます。

「報告書案提供は当然」 断層調査  規制庁元審議官が釈明



 ・・・・名雪元審議官は4日、読売新聞の取材に、「評価会合に原電側が呼ばれると思っていた。報告書は裁判の準備書面みたいなもので、ちゃんと論点を詰めて科学的議論をするのは当然のことだと思った」と釈明した。
 問題の報告書案は1月28日の評価会合で公表されたが、元審議官は同22日に規制庁の内規に反し一人で原電側と面会。原発敷地内を走る断層が「活断層の可能性が高い」とする報告書案の原案を独断で渡したが、原電側は評価会合に呼ばれなかった。規制庁の内規では、職員が事業者と面談する際は、原則2人以上で対応することとされている。
 名雪元審議官は「内部了解をきちっと得ていなかった」と内規違反は認めた。ただ、面会の事実を翌23日に規制庁に自主申告したことについては「(行為が)間違いだと思ったというより、こういうことがあったということは公開すべきだと思った」と説明。また、この面会以前に、原電側と「あいさつ」名目で4回にわたって個別に面会していたことについても「(敦賀原発の)現地調査の前後で会った。挨拶に来る場合は一言二言は話す」とし、いずれも問題はなかったとした。 

原子力規制委員会の田中委員長をはじめ、9月新しく発足して、国民の信頼回復のため、脱原発からの厳しい批判を浴びながら、一切の外野の雑音(コストがかかるとか政治的思惑とか)を排して科学的にと頑張っていることが、この名雪さんとか、全く解っておらず、「なんとか原発が動かせるように」と裏で手をまわす、3・11以前と変わらぬ官僚魂(精神)がまだ生き残っているようです。
●●何故「自主申告したか」については、「Happy〜」さんのコチラ<何故自ら?一番重い処分?儀礼上のあいさつ?他「名雪審議官更迭」規制庁会見質疑応答(内容書き出し)>で:http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2761.html

(写真は、福音教会の東の壁面に沿って植えられた赤いバラ、西風、北風を除けた状態がよほど具合が良いのか
 冬の間も咲き続けています。 凍えたような赤い色が、この季節、きわだって美しく、貴重です)