「他人を98%だけ信頼する」(渡辺和子さん)と「アラ100」の本

◎今朝の「生き生き箕面通信」さん、朝日の社説で「脱原発」を明確にした、一安心とのこと。それで、昨日の日経の社説の二つ目の記事を思い出しました。「しっかりせよ原子力規制委」というタイトルで、「原発の再稼働を巡り推進・反対勢力から規制委に対する社会的・政治的な圧力が高まるだろう。規制委は科学的な判断に基づく原発の安全確保が使命だ。筋の通らない圧力に屈することがあってはならない」と書いておいて、締めくくりが「法制度や原発の地元への目配りも大事だ。規制庁にはそうした方面に長けた職員がもっと要る。」と原子力ムラの職員を送り込めというあからさまな推進社説で終わっていました。

ところで、ノルディックスキー、ジャンプ女子の高梨沙羅さん、「17日、ワールドカップ杯個人第14戦で今季8勝目を挙げ、2戦を残してジャンプの日本勢で初の総合優勝を決めた。今季は5割7分1厘の高勝率につながる安定性と、常に高みを目指す姿勢が快挙を支えた(日経2/19)」。
沙羅さん、まだ16歳4か月とか。故郷、北海道の地元上川町の80代の応援団長さんも「素直で優しくて素晴らしい子」と大喜び。出身学校の校長先生も「教師冥利に尽きる」と。いいですね〜。

さて、手元の新聞の切り抜きから。日経16日(土)の夕刊より。メモ代わりに、気になった所を書き出しておきます。
渡辺和子さん(86)は、岡山市の学校法人、ノートルダム清心学園の理事長さん。著書の人間の生き方を書いた「置かれた場所で咲きなさい」が、<野に咲く一輪の花のように、道行く現代人の心を捉えている。累計発行部数は100万部と、人生論としては異例の売れ行き>なんだそうです。

●「こうしたらいいと説くノウハウ本に比べて、『何処に置かれても、どういう状況になっても一生懸命に生きてごらんなさい』という呼びかけが目新しかったようです。実は本の題名になった言葉は、『 Bloom where God has planted you』という英詩の一部を翻訳したものです。私が30代半ばに岡山に派遣され、翌年大学学長に任命されて悩んでいたのを見かねて、1人の外国人神父が手渡してくれました。『そうだ、置かれた場所で自分らしく生きていれば、神様はきっと守ってくれている』という安心感が広がり、私も落ち着きを取り戻すことが出来ました。」

●「いじめと同様、若者の自殺問題も深刻です自尊感情と言いますが、『あなたはあなたのままでいいのですよ』と周囲が声を掛ければ、本人は救われます。私は人間関係でまず、あいさつと微笑みが重要と訴えています。現代は砂漠にたとえられますが、誰かがオアシスにならなければならない。『おはようございます』『ありがとう』『失礼します』『すみません』。4つのあいさつの頭文字をつなぐとオアシスになります。笑ってあいさつすると、相手もうれしくなり、あいさつを返してくれるものです。」

父親は1936年の二・二六事件で、反乱軍の犠牲になった陸軍大将で教育総監だった渡辺錠太郎。当時9歳だった少女は、寝室で父親が銃撃されるのを目撃した唯一の家族だった。「強い意志を持った人間がたった数分後に冷たい躯となる現場に立ち会い、人間の命のはかなさを実感しました。目的のためには手段を択ばない人間の行動も心に焼き付きました。18歳で洗礼を受け、29歳で修道院に入ったのは、父の死後しつけに厳しかった母親への反発が動機だったように思います。高慢で反抗的だった私が、新しい生き方を見つけたいと思っていた時に、学校の修道女に洗礼を勧められました」

●「大学では今も人格論を教えています。人間は弱い存在で完全な人はいないということを伝えています。100%信頼していると、裏切られた時に辛い思いをします。だから2%だけ、相手が間違った時に許しのために取っておくといいのです。人間は不完全。98%でいいんだと考えると、相手を許すことができます。他人に対して冷めた目と同時に温かな心も必要です」

18日(月)の讀賣夕刊は、「2012年に、全国の100歳以上の高齢者が初めて5万人を突破した」という書き出しで
「アラ100」(アラウンド・ハンドレッド)のエッセーや自伝、詩集、歌集を紹介しています。

日野原重明さん(101)=写真右=は、聖路加国際病院名誉院長。「100歳になるための100の方法」(文芸春秋)、「日野原重明 100歳」(NHK出版)、100歳記念の新刊「いのちの使い方」(小学館)では、「100歳からフェイスブックを始めた」。
▼昇地(しょうち)三郎さん(106)は長年、障害児教育に取り組んできた教育者。「106歳を越えて、私がいま伝えたいこと」(こう書房)、「106歳のスキップ」(亜紀書房)では、30回かんで食べる、日記を書く、新聞を隅から隅まで読む――など健康に良い習慣を紹介。「どれだけ歳をとっていようが、いまからでも遅くありません」。
▼1月に101歳で亡くなった柴田トヨさんは、98歳で初詩集「くじけないで」(飛鳥出版)をだし、現在168万部の大ベストセラー。
▼伊藤一彦編著「百歳がうたう、百歳をうたう」(宮崎文庫ふみくら)は、90歳から109歳までが詠んだ96首を収めた。   恋の歌を一首:
「介護するやさしい男性(ひと)にときめいて 動悸息切れさらに増す日々」

▼ポーラ化粧品を販売する90歳超の美容部員(ポーラレディ)11人にインタビューした土本真紀著「美婆伝(びばでん)」(講談社)。最年長の99歳の言葉「目標はずーっと高いところに、置いておく」。
▼「100歳じぃさん 101歳ばぁさん」(講談社)の著者は、福島第一原発から約2キロの福島県大熊町の自宅から避難し、今は会津若松市で暮らす百寿の夫婦、吉田信さんとツルさん。企画・構成を担当したのはフリーライターの仲本剛さん(45)=写真(左)=は震災ドキュメントを取材する中で夫妻に出会った。「震災の話を」と切り出すと、信さんは関東大震災の話から始めたという。「朗らかでユーモア精神あふれたツルさん、驚くほどしっかりした記憶で半生を語った信さん。震災取材の中で一番笑いにあふれた現場でした」。