TPPと「福島入門」(テレビ番組から)

昨日火曜日は前日の雨も上がって気温も20度。
我が家は春と秋のお彼岸が衣替え。日曜にはお客さんもあるので、部屋中のマットやノレンやテーブルクロスを片付けたり洗濯したりしてブルー系に入れ替え作業。
マットは裏を日に当てました。一番外に出ているのは、若かりし頃の夫がイランへ仕事で出かけた時、ペルシャ商人に買わされた、といっても、ペルシャへ行けばペルシャ絨毯をお土産にと本人も思ったのでしょう、当時としては値の張るお土産でした。
右は同じくお土産と言ってもこちらは頂いたもの。ジャワ更紗です。色も模様もステキですが、身につけるには…とノレン棒に通して毎年楽しんで眺めています。


月曜の夕方は珍しくテレ朝の番組をつけていました。TPPについてあの髪の毛を紫色に染めた経済学者の浜矩子(のりこ)さんにキャスターが感想を求めていました。その感想というか意見が痛快でした。「経済の自由化とは程遠い、地域特定の閉鎖的で排他的な強いもの勝ちの自己都合、自分さえよければいいというもので、得意そうに交渉参加表明を伝える安倍総理には…」と、かなりきつい感情的な言葉でバッサリ。

もうお一人、白板の前でTPPの解説をしていた方も、アメリカでも秘密裏に行われているので一般の人は何にも知らないし話題にもなっていない。オープンにすると反対が巻き起こり収拾がつかなくなるということだ。アメリカは経済だけではない安全保障と絡めているので、日本には入るしかないと思わせていると、こちらもスッキリした解説でした。朝日新聞のTPPについての論調を知らないのですが、こういう捉え方だと明快なんですが。
月曜の夜は、また、見るともなくテレビをつけると、爆笑問題の二人が福島の原発事故現場を歩いています。防護服を着た現場の作業員をインタビューしたり・・・タイトルを見ると「福島入門」。そのまま見ることに。2月のバレンタインデーの頃の収録のようです。
それぞれの現場のVTRとどこかで話し合いをしているVTRとを編集して流しています。爆笑問題のお二人のほかに29歳の「フクシマ論」で知られた社会学者の開沼博さん。この方と元福島県知事の佐藤栄佐久さんの対談本を読んだ事があります。40代くらいの方を想像していましたが、前のNHKの番組にも出演されていて、20代だと知って驚きました。福島県いわき市出身の開沼さんと3人で楢葉町(20キロ圏内)と広野町(圏外)を歩いています。
まず原発から20キロ圏内の楢葉町、昨年の8月に警戒区域解除になっています。歩いていて、自動車修理工場を見つけて話を聞きます。経営者の鈴木さんは家族みんなで北海道に避難して、洋一(43)さんだけ、今年になって様子を見に来たという。「まだ住める状況じゃないので…少しずつ片付けながらゴミを出しています」と、自社の車を整備していたところだったとか。
広野町では、3人が中学校を訪れます。生徒数200人以上いた学校が今は全校で70人ぐらい。一つの教室で昼食中。卒業予定の3年生に聞きます。「友達、帰ってきてほしい?」「それは、言えない。色々考えがあるから…親の考えとか…」と。
もう一人は「トップランナー」の番組ホストで見たことのある箭内道彦(48)さん。この方は福島県郡山出身だそうですが、この方の発言が私はとてもよかったと思います。メモ代わりに撮った写真から書き起こしてみます。
箭内(やない)さんは、事故後、4人で「猪苗代湖ズ」を結成、「I love you & I need you ふくしま」(ふくしまが好き)という歌を歌っています。この歌についても語ります。
「避難された方と福島県にずっといる方の間の溝は凄く大きい。」「あの歌を聴くと”福島で頑張りなさい”って言われてる気がしてすごく苦しいという人や、当時のことを思い出すからもう聞きたくないという人もいて・・・」「聞きたくないという人たちの多くは福島から自主避難されている方です。」
「自分と違う判断、違う答えを選んだ人を否定するのではない、認め合うということがもっと生れてくるといいな・・・と。」
「色んなことがむき出しになった2011年に、自分の思いを言葉にする尊さをみんな手に入れた。でも、言葉にした後どうしたらいいか分らないんですよ。賛成・反対、平行線で言い合っている。それをつなぐことがとても必要で・・・。」
福島の若い人たちが、あの日本全国が傷ついたあの日以後を語ります。頑張って!は聞きたくなかった。前向きに・・・どうやって? 
爆笑問題の太田さんが言います。「頑張ろうっていうのは、頑張ってないからもっとガンバレっていうんじゃないんだ。それしかないんだ・・・」と。
箭内さんが続けます。「厳しいかもしれないけれど、受け止める側も受け止め方の上手さっていうのか、上手くなれればいいと思う。」「人にやさしくするテクニックを日本人全体が習得しなくちゃならないと思う。」


箭内さんが話していることは、辛淑玉さんが講演で語った「差別をなくす」ということと同じことです。
そういえば、箭内さんは「放射能は人をバラバラにする物質です。避難する人、留まる人。子どもを外で遊ばす人、遊ばさない人。怖いと感じる人、感じない人・・・・」とも。 
バラバラになることが放射能に負けることなのでしょう。