大塚国際美術館と表彰式(家族会2日目)

3月29日(金)家族会の本番、ゴルフグループと観光グループに分かれて行動する日です。
父がゴルフをしなくなってから従弟を引っ張り出して4人でゴルフということになっていますが、関東組のお一人はボーリングがプロ級で小さいボールは苦手とか。我が夫も休日はもっぱら山で、ゴルフは年に1,2回。足腰だけは負けないですが。一番上手な関東組は腰を痛めて・・・と。関東組二人は定年退職の60代後半。我が夫は先月古希を迎えたところ。3人そろって一病息災の一病持ちです。皇太子と同い年の従弟・小松のプリンスは働き盛りでこちらも余りゴルフはやっていないようですが最有力の優勝候補。それぞれ昨年のゴルフ会でハンディをもらっていますので、結果はどうなることでしょうか。夫の車で30分ほどの所にあるゴルフ場に出かけました。
私たちは、その間、大塚国際美術館へ行くことに。今朝は私もベストの左胸にコサージュをつけていますので女性陣6人全員が青いコサージュをつけています。これでは団体さんの目印みたいね…と笑ってしまいました。ところで、]「大塚」が大塚製薬のグループのことだと妹たちに聞きました。オロナミンCとか、ボンカレーとかポカリスエットもそうなんだとか。なるほどボロ儲けしたんだ…なんて品のないことは考えないことに。
前の日、ホテルに来る途中、美術館の前を通ったので、海岸沿いから山の上までの高さ一杯を利用した建物だと想像しました。ホテルの車に乗って総勢7人で9時半開館時間をめがけて出かけました。ホテルでチケットを買うと消費税分払わなくて済みます。大人3000円、小学生は500円でした。値打ちは充分でした。
まず長いエスカレーターでエントランスから一挙に地下3階まで上ります。この地下3階が建物の始まりということに。地下3階、地上2階の5階建ての建物です。
エスカレーターを降りると、いきなりミケランジェロの絵で有名なヴァチカンのシスティナ礼拝堂が現れます。壁画と天井が建物ごとそっくりそのままのサイズで再現されています。一部が下に置いてありますので絵の大きさが確認できます。天井の真ん中に人差し指をくっ付けようとしている有名な絵が見つかりました。金曜日の午前中ですが、修学旅行なのか高校生らしき一団やガイドの説明を聞くグループも。床面のタイルに矢印があって、それにしたがって見るようルート案内になっています。
これが陶板! 発色の良さに驚きますし、大きさにも驚きます。礼拝堂の壁画は礼拝堂がソックリ再現されています。パンフレットの表紙の写真はジョットの青い絵です。イタリアはパドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂。天井は青く一律に並んで描かれた金彩の星が瞬いているようです。天上界と地獄が描かれてキリスト教も仏教も同じかな〜とか。聖書物語が描かれているところも、曼荼羅図みたいですし。文字より絵です。エル・グレコも一堂に集めてあって、これは最近、大阪でも展示会がありました。行きそびれたのでここで見ました。
ジョットと言えば昨年アッシジの聖フランチェスコ大聖堂で見た「小鳥への説教」図が向かい合わせに。そういえば新しいローマ法王はフランチェスコを名乗ることになりました。
フェルメールの部屋もあって実物を見た妹が「実際の方が青いターバンはもっと青かったかな」と言ってますので、実物を知っている人には違いが判るかもしれません。昨年のイタリア旅行でフィレンツェのウフッツィ美術館で見た絵もありました。ラファエロの丸い聖母子像とボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」と「春(プリマヴェーラ)」も。
受胎告知の絵は色んな作者の絵を一カ所に並べてありますので、レオナルド・ダ・ヴィンチのもありました。ダ・ヴィンチと言えばイタリアの修道院の「最後の晩餐」の修復前と修復後の陶板が向かい合わせに。実際にはこんな高さではありませんので、目の前で見ることに。モナ・リザも。これは私が高校生の頃結婚する前だったか、父と二人で京都まで見に行ったことがあります。物凄い人出で、沢山の人の頭越しに移動しながら眺めたのを思い出しました。1時間ほど経って疲れたのでカフェで休憩することに。どの展示場にも真ん中に丸椅子が置いてあって、両親は腰かけたりしながらでしたが、背もたれのある椅子に腰かけられるので一息つけます。
最後の晩餐を描いた可愛い絵があったので写真に(↓)。どの絵にもお魚が描かれていました。そしてモネの「睡蓮」。

こうなってくると美術史を辿ってくるような感じですが、1000点以上もあって一度には無理。結局自分が良く知っているものしか残らないのかもしれません。そんな中でちょっとした発見だったのは、1900年の作品「エデンの園」、画家はヒュー・ゴールドウィンという人。映画の一場面のようで色調と女性の顔がとてもよかったです。帰り際に寄ったショップで今年のカレンダーが半額で売っていて、その中にこの一枚が入っていたので買い求めました。写真は(←)陶板ではなくカレンダーの印刷した絵。
ところで、この美術館、2000年は色あせないという陶板ですのでフラッシュなしでの写真撮影は許可されています。これはほかの美術館ではない特典です。モネの睡蓮の絵で丸く囲ってあるお庭のような外部を見ながらお茶にして、再スタートはモネから。
克明な描き方からだんだん自由な筆致になって形無きモノも描き出そうとする近代に。ターナーの蒸気を描いた蒸気機関車がありました(→)。
マネ、ルノワールドガセザンヌゴッホゴーギャン、やはり印象派になると馴染のある絵が並んでいます。
最初の海外旅行はEさんとのロンドン滞在でした。まだ今ほど手術後の胃腸の消化力が回復していなかった私は、夜の「オペラ座の怪人」観劇に備えてホテルで一休み。Eさんはこのジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」(←)を観にテート美術館へ。見逃したその絵に出会えました。
クリムトセガンティーニ、ルドン、そしてムンク「叫び」も。ルノワールの市井の人々の楽しいざわめきやありふれた日常の食事風景を描いた群像の絵はまた別のコーナーにありました。

自然光が入る1階のレストランで食事をすることに。芝生を横切るときに高速道路と大鳴門橋の支柱と山上の展望台に導く長いエスカレーターが見えました。明日はあそこへ行けたら行こうと。
さて、いよいよ、現代絵画です。マリリンモンローを描いたアンディ・ウォホルやリヒテンスタインもあります。絵の具を投げつけたような絵のジャクソン・ボロック。誰かがこれなら描けると。このコーナーの最後はピカソゲルニカでした。意外と厳粛で静かな絵でした。
後はテーマ別にまとめたコーナーがあり、「時」のテーマではゴーギャンの「われわれは何処から来たのか? われわれは何者であるのか? われわれは何処へ行かんとしているのか?」も。最後にレンブラントの1061〜74年、毎年の自画像を14点集めてありました。

さて、タップリ美術史を辿ってきましたが最後に元のシスティーナ礼拝堂の最初の階に戻ることに。


そこにミュージアムショップがありますので、何か記念になるものをお土産に。私はここであの「エデンの園」を見つけました。長いエスカレーターを下って玄関へ。タクシーを呼んでホテルへ。丁度3時ころにホテルへ到着。男性陣がゴルフから戻るのを待って、6時から表彰式を兼ねて宴会です。それまでに私が夫から成績を聞いて用意したカレンダーの裏へマジックペンで書き込みます。
6時に宴会場にて全員集合。父の音頭で食前酒の梅酒で乾杯。今日はお料理の方も料金はアップです。活造りの鯛のお刺身はもちろん、煮物、焼き物、酢締め、最後の鯛茶漬けまで鯛尽くしお魚尽くしです。途中、柔らかい牛のすき焼。お魚にはスダチやダイダイが添えられ、自家製だという鳴門ワカメがあれこれタップリ使われています。
頃合いを見計らってゴルフの成績発表。W杯授与。ベスグロとかニアピンとか用意した賞品を父が手渡して大盛り上がり。最後に参加賞で用意した「森は海の恋人」の畠山重篤さんの"カキじいさんのまな板"を奥様方に。カラーコピーしたまな板の出自を説明するチラシをつけて父から皆さんに。(蛙ブログ1月5日「届いたまな板」)
一行のアイドルの小学生・メグちゃんも今年で8年連続参加。小学校のマーチングバンドのクラブに入っていて部長さんなんだとか。マイトランペット持参でアニメソングからイギリス民謡のメドレーを演奏してくれました。拍手喝采の大うけでした。
この日は曇天で、気温は15度。ゴルフには最適でした。お料理も最後はメロンで締めて戴いて大満足。幹事のお役目の殆どが終了です。

帰った翌日日経の日曜版、見開き頁はプルーストの「失われた時を求めて」の中で言及されている作品が特集されていました。
右にはフェルメールターナー。左はエル・グレコの「オルガス伯爵の埋葬」とイタリア・パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂、ジョットの壁画の中から「哀悼」を取り上げての解説。グッドタイミング!