自民党改憲の問題点(「そもそも総研」)

今日はこどもの日。
折り紙で作った鯉のぼりを青空の下に置いてみました。
自民党改憲の目的は9条です。戦争の出来る国にして自衛隊国防軍にして将来は徴兵制を実現するかもしれません。その時は国民皆ナンバー制が便利です。しかし、それをまともに訴えれば国民の猛反対に会うのは必定と思ったのか。そこで、問題になりそうな諸々の条項の変更もくっ付けて改憲案を作っていますが、今は正面に出しません。本当に正しいと考えるなら正々堂々と国民の間で議論を興し説得すべきなのに、まずは、変え易い状況作りに専念する作戦です。
これはスポーツなら、まともに勝負したら試合でなかなか勝てないからルールを変えてしまえというのと同じです。日本はオリンピックで勝ち続けるとこれをやられてきました。スキーや水泳、レスリング、柔道、スケートなどなど。卑怯なやり方だと思っても欧米列強国?にはかないません。自民党政権は同じことを日本国民相手にやろうとしています。そして、第1段階は既にやられてしまっています。小林よしのり氏がこのことに触れています。今問題になっているのはその第2段階です。
5月2日のモーニングバード、「そもそも総研」、憲法記念日前日ということで改憲を取り上げていました。
コーヒータイムの途中で録画にしました。なかなか内容がシッカリしていますので文字にしてみました。自称改憲派小林よしのり氏と鈴木邦男氏に反対の意見を聞き、自民党の担当者にキャスターが質問をぶつけるという形で進められました。憲法を変えたい人でも今回の安倍政権の改憲のやり方には反対だという、その意見とは。
小林よしのり:「96条をとにかく変える。そこだけ急に言い始めていますけど、あんな話はかつてはなかった。保守派が言っている中に、世界のルールに照らしても日本は憲法改正のルールの敷居が高すぎると言われていた。結局まずルールを変えていこうという話になっている。本当はその9条を改正したいとか、どこを改正したいというところで論議しなければならないのに、まずハードルを徹底的に下げようと。
以前の安倍内閣の時に国民投票を半分に、有効投票の半分(を超える賛成が必要)ということになったわけですよね。そいういう意味でもうハードルを下げているんですよ国民投票の。」

現行憲法では憲法を改正するには「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」「国民投票過半数の賛成が必要」としか定められていない。ところが、第1次安倍政権下の2007年、憲法改正国民投票法が成立。有効投票の過半数の賛成で憲法改正が可能となった。(蛙:普通に読めば「過半数」は、”有権者過半数”と常識的に考えられるところを、”有効投票の過半数”となったので、投票率が低ければ少数派の国民の意見でも憲法が決められる)を変えることが出来る。

「極限まで言えば有効投票が40%だとしたらそのうちの20%で通っちゃう。全体の2割の賛成で変わっちゃうことになってしまうから、これは物凄く低いハードルで憲法改正が出来るというのがすでに国民投票の側では出来ている。今度は国会議員の3分の2というのを半分にまで下げるということでしょ。こうなるともう世界のどの国に照らしても最も低いハードルになってしまうとなると、これは政権が変わるごとにいちいち改憲ができる。これはもう立憲主義が成り立たないですから。基本的に近代憲法は”国民が国家を縛る”というのが原則ですから、それを国家の良いように、国家権力のいいようにやっていく事態になると、もう立憲主義が崩壊していく。これは危険だと思っていますから、96条の改正は絶対反対しなければならない。」
△「立憲主義」を改憲派憲法学者である小林節慶応大学法学部教授に聞くとこういう事です→
←<各国の憲法改正の手続き>
改正草案を作った自民党憲法改正推進本部の船田元本部長代理に尋ねる;キャスター「日本の最高法規である憲法を変えやすくして、まして法律も議員の2分の1で可決できるのなら、憲法が法律より一段高い位置にあるモノではなくなって一般法律と同じになってしまうのでは?」
船田元氏「衆参両方のすべての議員(出席者のではなくて)のそれぞれ2分の1というハードルは法律よりもちょっと上。それと加えて国民投票の有効投票の2分の1以上というのが加わるのでかなり高いと思っている。逆にハードルが高すぎて憲法改正が出来ないよりはハードルを下げて『憲法を国民の手に本当の意味で戻す(???by蛙)』ということになる。」



小林よしのり氏「わしは物書きですし、なおかつ”ゴーマニズム宣言”は言論を漫画で描くということなんですね。色んな論を描いてきましたが結局表現の自由がある。わしは政府批判を徹底的に辛辣にやるわけです。表現の自由は大切なものなんです。アメリカのような銃社会ではないので、ペンというものがわしの武器なんですよ。デモの表現の自由もあればいろんなマスコミの表現の自由もあるでしょう。その表現の自由は絶対守られなければならない。そこに今まではなかった公益と公の秩序というのを入れ込んできてますよね。「表現の自由を保障する」に「公益とか公の秩序に反しない限り」という形で入れこまれている。そうすると「公益とか公の秩序」って何?ということになってくる。いわゆる国家権力の側を脅かすモノを公の秩序に反すると認定されてしまえば書けないことがいろいろ出てくる。書くことは武器だから、銃を持てない日本では書くことで闘っているので。」

△<個と公について>
自民党船田元氏「社会の利益と個人の利益がぶつかった場合、どうしていくのか、こうしたことについてはやはりキチンと憲法が方向を示す必要があるんじゃないか。例えば、道路を通すときに自分の土地を通る。その時になかなか、もちろんお金がとかいろんな問題があって立退きをなかなかしない、そのために道路が通らなくて多くの人々がそれが通ったら利益があるのに出来ない。そういう状態があちこちで起こっている。」
キャスター「今の日本は個人の権利が余りに尊重され過ぎて公の秩序が後ろに下がることによって国民生活が例えばものすごく大きな害を受けているとかそういう風なお考えを自民党の方々はお持ちだということですか?」船田「いや、そういうことは無いと思いますけれど。」「でも、そういう考えがあるから憲法に加えるんじゃないですか?「はい、あの…行政の都合で執行する問題、道路の問題もあります。色んな問題がありますけれども、やっぱりその〜あの〜公の秩序というものがなかなか通りにくい、やはり行政の執行する人々が非常に苦労している。そういう言う場面を私はいくつも見ております。ですから、そういう状況を少しでも改善するために、やっぱり一つの憲法の中での歯止めと言うんでしょうか、あるいは要素を入れさせていただくことによって、今申し上げたような行政の実行する部分に於いてよりやりやすくするということも大事ではないか」

キャスター「いかがですか?」松尾さん「気持ち悪いです。立退きが上手くいかないのは憲法のせいだと仰っている訳でしょ。公益を判断するのはその時の権力者だから、権力者の意向とかさじ加減でどうにでもなる」高木美保さん「経済的に株価が上がって勢いがあるうちにやってしまえというのは姑息です。憲法は、経済とは別に離して、じっくりやるべきです。怖いです。」

△<”こころの問題”について>
一水会鈴木邦男最高顧問:「国旗・国歌ですよね。これは憲法で書く必要があるのか。1999年に法制化しましたよね。あの時でも僕は危ないと思ったんですよ。その時、政府は「でもこれは一切強制するものではない」と何度も言いました。でも、実際、法律を作ったら強制してますよね国旗掲揚・国歌斉唱で立たない人はもう処分してますよね。僕は法律だけでもオーバーだと思います。憲法でも書いてさらに「日本国民は国旗及び国歌を尊重しなければならない」となると、立たない人は全部クビにできますよ。
僕は日本の国旗・国歌は非常に好きですし、だからこそ、そういう力ずくで歌わせる、保持させることに反対ですねそうすると、国旗・国歌も汚れてしまうと思うんです。
国旗・国歌は明治以降に出来たものですから、西洋列強に対抗しようと思って。じゃあ、それらがない以前の日本は愛するに値しないかというと、そっちの方がずっと長いわけですよね、2000年以上も。国旗・国歌が出来てから100年一寸でしょ。国旗・国歌、なくてもいいんですよ。それでもやっぱり俺たちは日本が好き、それが愛国心じゃないですか。」
キャスター「これからも憲法、とりあげていきます。」
▼▼▼5月4日の「天木直人のブログ」の「安倍首相の手で改憲をさせてはいけない」から一部を引用です。安倍さんは、「憲法改正は党是」で、「その為の自民党」だったと言っていますが、お祖父さんの岸信介はじめ歴代の首相が行おうとした事とは”似て非なり”という天木氏の痛烈な批判です。

 安倍首相の手で改憲させてはならない。なぜなら彼にはその資格がないからだ。


 そもそも1955年に出来た自民党の政策綱領では、改憲して国防軍を持つことと引きかえに在日米軍を日本から撤退させることが明確に書かれている


 つまり日本が主権を取り戻すには米軍を日本の国土から撤退させることが不可欠であり、そのための改憲であり自主防衛なのだ


 安倍首相の祖父である岸信介を含め歴代の首相が行なおうとしてきた事はまさしくこれであった。 それが米国の反対で潰されてきた。そんな事も知らずに、対米従属を進めながら、集団的自衛権の行使や国軍を持つ方向で改憲しようとする。そんな安倍首相は愚の骨頂だ。 


 そんな安倍首相に改憲を言い出す資格はない。
    ▽(全文はコチラで:http://www.amakiblog.com/archives/2013/05/04/#002572