金曜デモと「クラークコレクション」と安藤忠雄

金曜官邸前のデモの報告を「特別な1日」さんのこちらで:「最初からわかってるよ(笑):★0712 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議!」

日銀黒田総裁の「回復」宣言がありましたが、経済のことが良くわからない私でも、参院選挙前の安倍さんの応援演説だと思いました。マスコミ全部使ってアベノミクス大成功の大宣伝。「何よりも景気」という人たちの票をゴッソリ戴こう作戦ですね。
経済に詳しいSPYBOYさん、政府の輸出促進策のヒアリングにご名答!! 是非、コチラのブログを(http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20130712/1373640927)訪ねて読んでみてください。そして、暑い中、国会前のデモの参加者の様子もたくさんの写真で。いつもありがとうございます。
木曜日、安藤忠雄設計の兵庫県立美術館で「奇跡のクラーク・コレクション ルノワールとフランス絵画の傑作」展を観てきました。
9月1日までの暑い時期の会期です。車から出て西正面から美術館の建物に入ったのですが、南はもう海で、浜風が吹いています。
Eさんが送ってくれたDVDでの予備知識では、クラーク夫妻のお祖父さんがシンガーミシンの共同設立者の一人で、大儲け、その遺産で出来た美術コレクションだということです。スターリング・クラークがパリに移住して、見つけた奥さんはフランシーヌ・クラリーというコメディフランセーズの女優さん。彼女の目利きはコレクションの助けになったとも。
アメリカのクラーク美術館は1953年から約2年の歳月と300万ドル弱の費用をかけて、ニューヨークから離れたマサチューセッツ州西部のウィリアムズタウンに建設された。近くに祖父や父ゆかりのウィリアムズカレッジがあったことも理由の一つかもしれないが、第一の理由はヨーロッパでの戦争を体験したクラークが戦禍の及ばぬ場所を探したことでした。そして、美術コレクションの展示だけではない、美術の研究を促進する教育機関としても機能する美術館が1955年完成。美術館に夫妻の住居も設けられ、1956年12月、スターリング・クラークは美術館内で自分が収集したコレクションに囲まれて死を迎え、29日には素晴らしいルノワール作品に囲まれた中央展示室で密葬された。
ところで、兵庫県立美術館を設計した安藤忠雄氏はクラーク美術館の2014年完成予定の新別館を建設中。すでに、同氏の設計による「ストーン・ヒル・センター」が2008年に開館しているのだとか。安藤氏とクラーク美術館の関係が今回のコレクションの展示が関西ではここで行われた理由のようです。

本展は、建築家・安藤忠雄氏による同館の増改修工事を機に3年に及ぶ世界巡回展の一環として実現しました。2011年に始まった巡回展は、すでにイタリア、フランス、スペイン、イギリス、カナダで開催され、入場者数は累計で100万人を超えています。この、世界が注目するコレクションの精髄73点は、そのほとんどが日本初公開作品であり、まさに”奇跡に出会う瞬間”を皆様と共有することになります。ルノワールの作品22点をはじめ、コロー、ミレー、マネ、ドガピサロ、モネら、印象派及びその前後の時代の巨匠たちが描いた美しい世界をご堪能いただければ幸いです。・・・。     『ごあいさつ』より

エレベーターで3階へ、階段スペースを廻って展示場へ。写真はその展示場側と振り向いた反対側。展示場側の写真はアメリカのクラーク美術館の写真。

図録を買いたくても夫がいつも反対するので、今回も気になった絵は絵葉書でと思ったら、珍しく、「知らない絵がたくさんあったから図録の方が良い」と。
表紙はルノワールの「劇場の桟敷席」。
この絵は注文主が引き取らなかったので、ルノワールが後ろの男性を塗り消して花束を持つ少女を新たに書き加えたものだとか。
では図録を写真で撮って少し並べてみます。
コローの「水辺の道」、ミレーの2点、左「編み物の稽古]と右「羊飼いの少女、バルビゾンの平原」。
いよいよ印象派に入って、今回の目玉の一つモネの「小川のガチョウ」(7.7x60)。
同じくモネの光あふれる「ジヴェルニーの春」と「チューリップ畑」。




初めて知る画家で印象派絵画のコレクターでもあったというギュスターヴ・カイユボットの「アルジャントゥイユのセーヌ川」。
そして後の点描画で有名なシスレーの「籠のリンゴとブドウ」、解説では後のセザンヌに通じるモチーフとか。


続いてカミーユピサロの「ポントワーズ付近のオワーズ川」、煙を吐く近代的な工場が風景の中に描かれています。
同じくピサロの「ポン・ヌフから見たルーブル」が左、右はドーミエの「版画収集家たち」(30.8x40・6cm)、暗い画面でした。

そしてマネ。左は「花瓶のモスローズ」。
マネの色使い、筆使いが良く表れた花の絵だと思いました。
ドガの自画像、若い時のモノと髪の毛がだいぶ後退した年配のモノと2枚。競馬の「レース前」という騎手を乗せた5頭の馬の絵、そして有名なバレエの踊り子を描いた横長の絵がありました。
ウィリアム=アドルフ・ブグローという名前の画家の「座る裸婦」(116.5x89・8cm)。頭から被り床までたらした青い布に、両足を両手で囲って組みながら視線を左手に落として座っている女性の清らかな美しい白い肌が映えて、息をのむほどの裸婦でした。
そしていよいよピエール=オーギュスト・ルノワールです。34歳と58歳の自画像がありました。(つづく)