寄り目の雲龍図、見てきました!

昨日は、天王寺大阪市立美術館で「ボストン美術館・日本美術の至宝展」を見てきました。
3月末の鳴門の家族会で、小松の小学生メグちゃんからプレゼントをもらいました。あちらの平和堂で抽選をひいたらお食事券が当たった。それがウェステインホテルのランチのカップル券。行こうと思うと交通費が高くつくので私たち夫婦で行ってということでした。
いつか都合をつけてと思っていましたので、朝一番に出かけて、帰りにランチをということに。朝のコーヒータイムをお休みにして9時半の開館を目指して出かけました。
素晴らしいお天気のなか天王寺に着きました。久しぶりのJR天王寺駅。動物園のある公園目指して歩きだすとすぐ日本一の高さ300メートルに到達した超高層ビルあべのハルカス」が見えました。100メートルと150メートルの所に表示が見えます。来月13日には鉄百貨店が先行オープンとか。また北と南で張り合って・・・一段と賑やかになるんでしょうか、大丈夫でしょうか・・・。
さて、岡倉天心フェノロサともう一人の外人さんの3人が明治の初めの廃仏棄釈の時期に目利きを活かして日本の仏画や仏像、日本画を収集してアメリカに持って行き、それらの里帰り展示というわけです。値打ちの分らなかった日本人がダメだったんですね〜。
中世の水墨画、近世絵画に入る前に、絵巻物の大作が展示されていました。一つは吉備大臣入唐絵巻。「遣唐使として唐に渡った吉備真備が、現地で数々の難題を吹っかけられるも、鬼となった阿倍仲麻呂の助けを借りてこれを尽く退ける説話を生き生きと描いた、院政期文化を代表する絵巻物の名品である」(Wikipedia)。もう一つは「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」です。これは昨年大河ドラマの「平家物語」を見て、清盛の留守中に後白河上皇を拉致、三条殿を夜討ちで襲うという平治の乱の場面を覚えていましたので、あのシーンかと興味が持てました。どちらも色鮮やかな絵物語です。(コチラで:http://www.boston-nippon.jp/highlight/02.html
伊藤若冲の白いオウム、長谷川等伯の龍虎図、尾形光琳の松島図屏風とか、快慶の弥勒菩薩立像など、思いがけない作品に出会えました。南仏を旅行したとき、小さなホテルのエレベーターホールに岩と波を描いた日本画風のペイントが施されていましたが、お手本がこの尾形光琳の松島屏風だということが判りました。ボストンにあったのですね。波も岩も装飾的な描き方で緑、茶色、青と金色ですので派手さもなかなかです。トップの写真の左端がその一部だと思います。

そして、お目当てでもあり、目玉でもある、復元後初めての公開となる、曽我蕭白(しょうはく)の雲龍図。黒一色の濃淡がすごい迫力です。頭部と尻尾の間の胴体部分が本当はあったそうですが、中抜きで一目8面、壮観でした。でも龍の顔をよく見ると寄り目で一寸ユーモラス。蕭白の他の絵も墨の濃淡がはっきりした大胆で大らかな筆致が新鮮でした。

美術館を出たところは高台になっていて通天閣が良く見えました。幼稚園や小学校の団体さんも鑑賞していました。
振り返ると美術館の建物。橋下市長が廃館にすると言ってまた撤回したとか騒ぎがありましたが・・・。
12時にホテルの和食の天ぷらを予約していましたので、地下鉄で大阪駅に向かい、シャトルバスでホテルへ。二人だけのために巨体の板前さんが天ぷらを揚げてそのアツアツを戴きました。魚貝もお野菜もとても美味しく、最後はかき揚げをご飯の上に乗せてお茶を掛けてワサビで戴きました。平和堂さんからのお土産ですと、ホテル特製のスープの袋詰めまで貰って、2時のシャトルバスで大阪駅へ。つくづく小学生のメグちゃんの招待券のお蔭です。
阪神百貨店でウロウロして、帰りは、喉も渇いたので、阪急京都線宝塚線神戸線の発着が一望できる構内の喫茶店に入ることに。
1日がかりの外出となりました。(まるで小学生の日記みたいになってしまいました。)