「朝日のあたる家」と「エンドレスSHOCK」

◆コメント欄に<シアターセブンシアターで「朝日のあたる家」観て来ました。唯一の脱原発宣言都市湖西市の市民カンパでできた映画です>と書いてくださったのは俳愚人さん。JRの湖西(こせい)線とか湖西道路とかでなじんでいるので、湖西市というと琵琶湖の西にある街かと思ってしまいました。
脱原発した唯一の市というのは静岡県にある湖西(こさい)市だということを、この映画のホームページを訪ねて初めて知りました。

INTRODUCTION


 「ストロベリー・フィールズ」「青い青い空」と、青春群像劇を描くことで評価が高い太田隆文監督が最新劇場用映画第3作目として選んだ題材は、メディア業界では“タブー”とされる原発問題を扱ったもの。  
  本作「朝日のあたる家」は、自然が美しいある町に突然降りかかる原発事故による悲劇と、否応無く事故に巻き込まれていくひとつの家族の姿を描いていく。  
  映画というものは、資金がなければ製作は出来ない。その資金集めに困難が予想された本作品は、企画の立ち上げから約1年半、ロケ地ともなった静岡県湖西市の人々の熱い支援により完成した。  
  太田監督の描くものには、常に“連綿と繋がっていく思い”が詰まっている。それは前2作を観た観客が心を震わせ太田作品を“大事なもの”として胸に留め続けることからも明らかだ。
 今作も原発事故というシビアな題材を扱いつつ、ひとつの家族の姿を、ロケ地となった自然の美しい湖西市を舞台にして浮かび上がらせていく。  
  そこにあるのは原発事故という悲劇だけではなく、家族、親子、次世代へと繋がる“絆”。その絆が何よりも大切なものであることを映画は見事に伝えていく。  
  すでに2013年5月のジャパン・フィルム・フェスティバル・ロサンゼルス 2013でも高評価を受けた本作。それは“想い”の詰まった映画ゆえに、言葉の壁を越えて人々の心に届いたからに他ならない。  
  的確な演出、効果的な音楽、ドキュメンタリーであるかのような俳優たちの演技、それを支えるスタッフ、湖西市の支援、それら全てが一体となって製作された「朝日のあたる家」。   
  “現在の日本”を生きる我々が真に必要とするべき映画がここに誕生した。

詳しくはこちらで:http://asahinoataruie.jp/index.html
午後、我が家で一緒にお茶を飲んだUさんと、この映画を10月に入ってから見る約束をしました。
家に帰ったUさんから、毎日新聞の夕刊でこの映画とUさんが前日見た「そして父になる」の紹介があったというメールが入りました。メールから:『福島の後静岡にも原発事故が起こり、子供たちに次々異変が起こる。お決まりの”さしあたって、直ちに被害はない”と報道される。病と放射能の関係は? 東京五輪も結構だがお祭り騒ぎで福島の現実から目をそらされてしまう前に見るべき一本』
◆さて、昨日は梅田芸術劇場堂本光一主演の「エンドレス・ショック」の大阪初公演を母と観劇しました。母は「生きていてよかった」「タカラヅカとは違うね〜!」と。引き合いに出されるタカラヅカも気の毒、と言っても、母に「何を見に行くの?」と聞かれて、やはり私も「タカラヅカの男役を男が演るの」なんて言い方をしていました。ここで「ショック」をWikipediaで:

『SHOCK』 (ショック)とは、堂本光一が座長・主演を務めるミュージカル作品シリーズ。2000年11月、『MILLENNIUM SHOCK』を帝国劇場にて初演、以後タイトルや演出を変えて毎年同劇場にて上演を重ね、2005年から上演している『Endless SHOCK』は、2013年で9作目となる。

作・演出はジャニー喜多川。少年隊主演のミュージカル『PLAYZONE ’91 SHOCK』 (1991年)を元にしているが、内容は大きく異なる。

2008年4月、『Endless SHOCK』の高い舞台成果に対して、スタッフ・出演者一同が第33回『菊田一夫演劇大賞』を受賞した。

2013年3月21日、帝国劇場で上演1000回に達した。

一階席の前から3列目、ど真ん中!すごい席を取ってくれたものです。
今回は光一君ファンの妹がファン仲間の方からチケットを譲ってもらって母と私にチャンスをくれました。舞台は、それはもう歌あり踊りあり、シェークスピア劇あり、新劇ばり(古い!?)のお芝居あり、イリュージョンにフライング、殺陣(チャンバラ)に、「鼓童」にも負けない太鼓ありで、猛スピードの展開ですが、若者の成長物語でもある普遍的な解り易い筋の通ったお話(悲劇ですが)になっています。
座長の光一君が高さ8m、22段の階段から血まみれ階段落ちで前半終わり。出ずっぱりに近い状態の光一君、肩で息して整えているのも目の先です。飛び散る汗も数えることができるくらい。一瞬目が合ってドキッとしましたが、あれは見ているようでどこも見ていない目でした。
フライングが多用された後半ですが、真上を見ないとわからないのでスポットライトの影を追って見ていました。ステージから飛び立つ時の真剣な眼差しに命がけのショーの緊張感がうかがえます。着地の軽やかさ…お見事!!
最後のシーン、ライバル同士の太鼓のたたき合いに至るダンスシーンは見事でした。衣装も振り付けも。これが一風変わった和風テイスト?それもそのはず、マイケルジャクソンの振り付けをしたというトラヴィス・ペイン氏の振り付けだそうです。これは見ごたえがありました。
1時から4時10分まで。途中30分間の休憩。その間、光一君はエンジン全開で走り抜けます。重層低音が舞台を這うようにして客席まで響いてくるのを何度か体験できました。これは男性が見ても見ごたえがあります。女性ばかりで男性は数えるほど、もったいないような・・・でもチケットがとれないでしょうね。
◇参考までに2011年2月の公演を見たデヴィさんの感想の一部を。比較されているのはここでも、タカラヅカ!です。


それに引き換え、 素晴らしかったのが、
帝国劇場で、帝国劇場100周年記念公演の、ジャニーズ喜多川さんの、 作・構成・演出、主演 堂本光一さんの 「エンドレス ショック」でした。
私、 「ショック」にショックを受けてしまいました。
もう、 その舞台は、 驚くばかり。 <中略>


踊りも ブロードウェイに出しても 恥ずかしくない 
テクニカル極めたダンス。<中略>


きっと 「ショック」 の舞台をみた人達は、 
他の舞台を見ても、物足りなくなるでしょうね。 
「ショック」の凄さは 見た人でないとわかりません。
新鮮で、 斬新。 スピード感あふれ、 
時間がたつのも忘れさせる程の、素晴らしいものでした。
(「デヴィの独り言」http://ameblo.jp/dewisukarno/entry-10803323432.html

プログラムを読むと3・11の大震災で公演が中止になったり、その中で公演を続けることの意義とかも考えざるを得ない体験をしているようです。大阪での1か月近くの公演の全部が満席、夜の公演に並んでいる方たちを見ながら福島の方たちのことを思って…「棄民」という言葉を思い浮かべてしまいました。私も含めてひと時のショーに楽しみを見出し、母のように生きていて良かったという感想を持つ人も、決して福島のことを忘れているわけではありません。でも、公園で1時間しか遊んではいけないような場所で子供が生きていかなければならない福島の人たちのことを思うと、政治は社会はこんなでいいんだろうかと思わずにいられません。自分たちだけがこんな楽しい思いをしていいのだろうか・・・とうしろめたさのようなものを感じます。もちろん、年に一度の楽しみであったり、不幸を抱えたり、それぞれが何かを抱えつつ、それでもひと時楽しみたいと集っているのですが・・・それでも・・・とお茶を飲みながらUさんとそんな話しにもなりました。
茶屋町にある梅田芸術劇場は阪急インターナショナルホテルのあるビルにあります。昔「飛天」という名前だった頃、子供会の世話役メンバーと「レ・ミデラブル」を見に行ったことがあります。そのころに比べて茶屋町は開けました。下の写真はMBS毎日放送の名物テレビ番組「ちちんぷいぷい」のキャラクターが玄関の上に)