名護市長選と「たかじんさんと靖国参拝とアメリカ」

都知事選の前に、今月19日(日)、沖縄名護市の市長選挙があります。
昨年末の東京で、仲井真沖縄県知事辺野古移転にOKを出しました。今朝の「生き生き箕面通信」さんの記事からです。
沖縄では、10日後の1月19日(日)に、辺野古がある名護市の市長選挙が投開票日を迎えます。辺野古移設反対を明確に掲げる稲嶺進・現市長。ぜひとも、再び勝利させる必要があります。」
☆全文はコチラで:辺野古移設中止を」とノーム・チョムスキー氏ら海外識者29人が声明へ
http://blog.goo.ne.jp/ikiikimt/e/11d58ee357b96ed331c2bd50bd5ec9b7
記事の中で引用されている★琉球新報の記事から:

 米国やカナダ、オーストラリアほかヨーロッパの世界的に著名な有識者や文化人のグループが8日午前(米国時間7日)、「沖縄への新たな基地建設に反対し、平和と尊厳、人権、環境保護のために闘う県民を支持する」との声明を発表する。声明には名護市辺野古への普天間飛行場の移設中止と、同飛行場の即時返還の主張を明記する。

 
 呼び掛け人には言語学者ノーム・チョムスキー氏や、アカデミー賞受賞の映画監督オリバー・ストーン氏、北アイルランド紛争の解決に尽力したノーベル平和賞受賞のマイレッド・マグワイア氏ら29人が名を連ねた普天間問題について、世界的な識者らが連名で声明を発表するのは異例だ。

◆◆写真の掲示板は箕面警察署の前にある掲示板です。
向かって右端は津川雅彦氏、その左隣は映画「永遠のゼロ」のポスターを利用したもの。原作者は百田尚樹氏です。あれ、「たかじんのそこまで言って委員会」メンバー?のお二人が仲良く並んでと思って写真を撮ってみました。そうしたら、昨日、たかじんさん3日に死去のニュースです。病気療養で番組を長期にお休みしながらもいまだに「たかじんのXXX」と名のつく冠番組を私も二つ見てきました。「たかじんの…委員会」は橋下徹弁護士を政治家にしましたし、野党で元総理の安倍晋三氏を特別番組まで作って二度目の総理大臣にしました。「左」や「サヨク」を徹底的にバカにして笑いものにする「右翼」番組で、こんな番組が放送法で許されるのか…と思いつつ、時々見ていました。
たかじんさんは、ほとんどしゃべらないで相槌と最後の言葉を発するのみ。それも、お休み前は毒気が抜けていました。本当は、ガラの悪い毒舌ほどのことはない、たかじんさんの歌声のような心根の優しい気配りの人なんだろうと、思わされることも何度もありました。でも、この「たかじんの…委員会」という番組は最悪です。大阪の人間で、右寄りな人はこの番組の影響が大きいと思います。疑問を持ってあの人たちの言うことは本当だろうかと調べたり、考えたりした人がいれば良いですが、殆どは言いたい放題のお話を真に受けているのではないかと心配しています。あまりにもバランスの取れない内容で、なんとか解説でバランスを取っている場合もありますが、本命は、右寄りの人たちの言いたい放題にありますので、酷いもんだと思います。よみうりテレビだから仕方がないのでしょうか。(今や脱原発に右も左もないと思っていますが、ついこの番組の話になると説明が省けますので使ってしまいます…悪しからず)
◆◆◆ところで、年末の安倍首相の靖国参拝で、日韓の反応は当然予想された通りですが、アメリカについては?という問題で、元外交官の天木直人氏のブログで2日にわたって取り上げられています。2つの記事で分ることを時系列で並べてみます。

1)1月4日の夜、小野寺防衛大臣ヘーゲル国防長官が電話で協議
2)1月5日
◇朝6時45分のTBSニュースでは、靖国参拝の問題について小野寺防衛大臣が安倍首相の真意を説明したのに対し、ヘーゲル長官はコメントしなかったと報じた。
◇朝7時のNHKニュースでは、小野寺防衛大臣靖国参拝の説明にヘーゲル長官は感謝したとまで報じた。
3)1月6日、各紙が一斉に報じていた:
 「米国防総省は4日、ヘーゲル国防長官が4日朝(日本時間4日夜)、小野寺防衛大臣と電話で協議したことを発表した」。その発表によれば「ヘーゲル長官は、日本が近隣諸国との関係改善に向けて行動するとともに、地域の平和と安全のために協力を進めることが重要であり、日米同盟強化に向けた継続的な日米関係の議論を期待していると小野寺防衛大臣に伝えた」。
4)1月7日の報道:
 「インドに外遊している小野寺防衛大臣ニューデリーで同行記者に対し、4日夜のヘーゲル国防長官との電話会談に際して、ヘーゲル国防長官から安倍首相の靖国参拝について「近隣諸国との関係に注意してほしい」という言及があったことを明らかにした」

天木氏のブログから引用しますと:

要するに米国防総省の発表を受けて記者が問いただしたのだ。つまり5日の小野寺防衛大臣の日本記者に対する答弁では靖国参拝問題についての米国からの言及が一切語られなかった。その後、米国防総省の発表によって、ヘーゲル国防長官が近隣諸国との関係改善を日本に求めたことがバラされた。小野寺大臣はあの時、明らかにウソの記者発表をしたのだ。これほど重大なスキャンダルであるというのに、それを追及するメディアは皆無だ。ウソの記者会見を認めた小野寺大臣のニューデリーでの記者会見も、どの新聞も見落としそうな小さな報道にとどめ、何のコメントもなく事実だけを報じて終わっている。本来ならばジャーナリストの矜持にかけて猛反発しなければならないところである。メディアもまたウソ報道をした加担者なのである。

つまり、4日の日米二人の電話会談の内容が日本側で正しく伝わっていないので、アメリカ側がたまりかねて内容を日本向けに発表したということですね。
引用元の2つのブログ:

1.「ヘーゲル・小野寺会談をねつ造して伝えようとした安倍政権とそれに加担したメディア」 http://www.amakiblog.com/archives/2014/01/06/#002824
2.「ウソ発表を認めた小野寺防衛大臣http://www.amakiblog.com/archives/2014/01/07/#002825

◇◇靖国参拝の前日には沖縄の辺野古移転問題が片付いたので、『アメリカも許してくれるだろうと思って』(?)翌日、約束(有権者?安倍ファン)の靖国参拝に出かけたという解説があります。
ところで、「たかじんのそこまで言って委員会」は安倍さんを総理にしたいという安倍ファンがメンバーでしたので、特にファンクラブ代表?を務める金美麗さんの意見を思い出してみると、「言わせときゃいいのよ〜」とでも言いながら、”アメリカの反発、なにするものぞ”で行くべきだと後押ししているはず。安倍さんは、自分を支持してくれる人たちの期待や圧力に応えたかったのだと思います。要は、国益(国民の考えや結果がもたらす日本企業への影響や外交上のリスク)を考慮するよりは、私的感情・私利私欲を優先したということです。
◇月曜のテレ朝のお昼の番組のコメンテーター、なかにし礼さんが、<アメリカから「失望した」と言うコメントがありましたが、「失望した」という国をアメリカが守ろうとするだろうか、安倍さんが大事にしている日米同盟そのものに影響する問題だ。そういう意味でも靖国参拝は国民の利益に反する行為じゃないですか>と発言されていました。
安倍さんだけでなく、天木氏のブログによれば小野寺防衛大臣アメリカの注意を無視して記者発表をしているわけです。現政権のオバマ政権軽視・無視は、安倍さんと個人的に話が出来る関係と自ら仰る青山繁晴氏の「アンカー」(関西テレビ)の解説どおりです。青山氏は「オバマさんは『変人』で議会でも無視されている、しかし、アーリントンに相当するのは靖国ではなくて千鳥ヶ淵だという<靖国参拝NO>の メッセージは、オバマさんだけでなく軍関係者の意向でもあるので、甘く見てはいけない」と警告(忠告?)していました。安倍政権のアメリカ追随は、アメリカの民主的で自由な面ではなくて、その裏の軍事大国をリードするジャパンハンドラーと言われる人たちの政策通りの日本の役割を演じることで自分たちの望む日本に逆戻りさせるトンデモナイ方向です。
◆今朝の日経によりますと:

米、「靖国」積極介入控える
◇[ワシントン]昨年末の安倍首相の靖国参拝に端を発した歴史認識問題を巡って米国の積極介入を控える姿勢が鮮明になってきた。「失望」の思いは変わらないが、深入りするのは問題解決を遠のかせかねないと判断した。当事者である日中韓3か国に自主的な対話を促す。
◇「安倍首相は8日夜のBSフジ番組で、靖国参拝中韓両国が反発していることに対して反論。「私を軍国主義者と批判するが、その国が毎年10%以上、軍事費を20年間増やし続けている」「過去にも日本の首相が靖国参拝しながら平和国家を築いてきた」「新たな国立追悼施設に関しては『なぜ靖国に遺族は行くか。国のために亡くなったから祀られている』と設置に否定的な考えを示した」。
◇「自民党は8日、2014年の運動方針の最終案を発表。靖国神社については、首相が参拝後記者団に「不戦の誓いをした」と発言、米側にも同様の説明をしたが、「不戦の誓いと平和国家の理念を貫くことを決意し」との表現は原案から削除した。党内で「靖国神社は不戦の誓いをするところではない」などと反発が出たため。