「小さいおうち」と「徹子の部屋」


先週の金曜日、二人で歩いてヴィソラの映画館へ。山田洋次監督の「小さいおうち」です。
その前日だったか、テレビで山田洋次監督の「東京家族」をやっていました。私は映画館で見ていなかったので、見ました。小津安二郎監督の名作「東京物語」のリメイクと言われた作品です。杉村春子役を蛍ちゃんの中島朋子がやっていました。東山千恵子と笠智衆吉行和子橋爪功原節子役は夏川結衣。新しく孫に妻夫木聡くん、その恋人に蒼井優。静かな画面と台詞の小津作品とはがらりと変わって饒舌なまでのお喋りな画面から、それでも平成の家族関係と老いが語られていきます。へ〜ここまで違った作品にしちゃってたの!と一寸ビックリでした。
それで、次の日だったかに最新作品の「小さいおうち」を見ました。
ストーリーは以下に:


ストーリー:健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。


ブログの下書きを書き始めてモタモタしているうちに週が明けて月曜日、「徹子の部屋」に山田洋次監督が出演。お話を聞きました。
6日から開催されるベルリン国際映画祭金熊賞に「小さいおうち」はノミネートされているそうです。徹子さんの映画の感想を新聞の映画広告で読みましたが、戦中を知っている方の感想だなと思いました。
この映画について、山田監督は、時子さんはある青年を好きになって小さな罪を犯すのですが、実は背後にはもっと大きな罪(戦争)があって、それが小さな罪を抱えた生活をも踏み潰していく、そういうことを伝えたかったと仰っていました。

原作は直木賞受賞の中島京子「小さいおうち」。山田監督は文庫本で読んで、途中から是非映画化したいと原作者に直接電話でお願いし実現。映画と小説は、当然ですが、違う!そうです(原作を読んだ方の感想)。
右の写真は1979年第一回の「徹子の部屋」から寅さんの渥美清さんとさくらの倍賞千恵子さん。
徹子さんが渥美清さんの思い出話で、「山田監督は、今頃、寅さんの脚本で血の汗をかいてるんだ」と言っていたと話し、それを聞いた山田監督は、「ふぅ〜ん、血の汗を、そう〜、そんな風に言ってくれてたの〜」と感慨深そうでした。
山田監督は今年82歳で、「小さいおうち」は82作目の映画。
1936年(S11年)にIOCでオリンピック東京開催が決定するも、日中戦争で幻となる時代を描いています。