都知事選と「天皇陛下の憲法発言を勝手に削除するNHK」(Business Journal)

★昨夜アップしたコチラ「『原発は高くつく』が世界の常識、日本はエネルギー産業での後進国に」(古賀茂明氏)は是非読んでください!!
〇下図引用先:http://blog.livedoor.jp/hanatora53bann/archives/52138330.html

 

東京都知事選、森元総理の五輪利権にNOを唱えたことから(と言われている)猪瀬おろしが始まり、あっけなく都知事選に突入。自公連合の思惑は舛添氏の「東京を世界一に」でよく表されている通り、福島を見捨てて世界のお・も・て・な・しのための公共事業に頑張って…という都政になるのでしょう。
そのために、NHK、民放、大新聞、そろって協力。事前のNHK人事とメディアトップとのお食事会が効いています。もうすでに、マスメディアは選挙戦に入った街の様子をありのままに伝えることはしなくなっています。おまけに前日に大雪。投票率は46.14%。前回の62%、前々回の57%より大幅に下回り、過去3番目に低かったそうです。
こういうなかで、脱原発が二つに分かれていては結果は目に見えています。それでも、争点に「原発・エネルギー問題」を挙げた人たちは、62%が細川氏に、21%が宇都宮氏に、12%が舛添氏だったそうです。前回、猪瀬前知事に投票した人のうち58%が舛添氏、次いで細川氏17%、田母神氏13%(日経)。田母神氏の善戦?が怖いですね。 細川陣営では民主党の松原都連会長が「脱原発に争点を絞り込み過ぎた」。結いの柿沢政調会長「どう支援すればいいか苦心した」。宇都宮氏を推薦した共産党(山下書記局長)は「大健闘だ。明日につながる」、又市社民党幹事長は「政策論議が深まらず対立軸が鮮明にならなかった」(日経)。
◎おススメ「日々坦々」:<「脱原発派候補」で193万8657票!今回の都知事選で両陣営ともに「脱原発票」の掘り起しに成功した事だけは間違いないが…>(http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-2240.html
〇これからいろいろ反省点や問題点が話されるでしょう。私もいろいろ考えてみたいと思っています。それにしても「投票率が低い時は組織票が有利、だから自公連合の舛添1位、共産・社民の宇都宮2位、3位細川という予想」がそのまま現実になったのには驚くとともに、一寸打ちのめされるような思いでしたが・・・
◎「田中龍作ジャーナル」の「【都知事選】 マスコミが伝えない 脱原発二候補・敗戦の弁」(http://tanakaryusaku.jp/2014/02/0008741)から:

 マスコミがいくら “盛り上がらない都知事選” と書こうと、「左翼でなくても原発は要らないと言っていい」ことに市民は気付いた。脱原発をタブー視する風潮が消えていき、街頭に人が増えていった。細川氏が立候補し、小泉元首相が連日選挙カーに乗った意味は計り知れれないほど大きかった。

◎さて、本題です。安倍さんが送り込んだNHKの会長、経営委員の3人が本性丸出しのアブナイ発言を繰り返したり、アブナイ考えを発表したりの安倍一族ですが、聞いてビックリ、「日本がアブナイ!」さんのコチラの記事。
「NHKは天皇憲法発言も削除&個人見解では済まない放送への影響力」(http://mewrun7.exblog.jp/21654075/
NHKは既に安倍放送局に成り果てているのかもしれません。天皇陛下憲法についてのお言葉をカットしていたのだそうです。


 NHKの会長や経営委員(&そのバックにいる安倍政権)の思想が、放送に反映されるようになると、こんなことも起きてしまうのだ。(-"-)


 実は、昨年12月の天皇誕生日に、今上天皇が現憲法を評価する発言を行なったのだが。NHKテレビのニュースでは、その部分をカットして放送したというのである。(゚Д゚)
 
<略>


 昨年12月と言えば、松本前会長が、政治や歴史認識原発などに関して、安倍政権&首相のバックにいる財界TOPの意向に沿わない番組を作っているとして批判を受け、実質的に更迭されるような形で退任することを発表したばかり。(籾井氏は新会長に内定していた。)
<関連記事・『NHKハイジャックもくろむ財界の大物に局関係者が恐々』>


 それゆえ、報道関係者が、改憲を目指している安倍政権やNHK人事に介入している財界関係者に配慮して、(or何らかの支持か意向を受けて)わざわざ天皇憲法発言の部分をカットしたのではないかという疑念が持たれているのだ。(-_-;)


NHK天皇陛下の「お言葉」を恣意的に一部カットして報道〜蜜月・安倍政権への“配慮”-
Business Journal(2014年1月23日)


 昨年12月23日。この日、天皇陛下は80歳の傘寿を迎え、天皇の「お言葉」がマスコミに配布された。「お言葉」は同日各メディアによっていっせいに報じられたが、重要部分を“意図的に”カットしたメディアがあった。それが公共放送局のNHKだ。
 

「重要部分とは、ずばり天皇陛下が語った護憲とも取れる部分です。朝日新聞毎日新聞はこの部分をしっかりと掲載しましたが、読売新聞はかなり意図的に端折って要約していた。問題はNHKが、この部分の一切を削除していたことです」(大手紙宮内庁記者)

 
 削除された天皇の「お言葉」の該当部分は以下のようなくだりだ。


 「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」


 現状の平和と民主主義、そして憲法を「守るべき大切なもの」とした護憲発言であり、さらには憲法を作った主語を「日本」とし「知日派の米国人の協力も忘れてはならない」と加えるなど、「連合国からの押しつけ憲法論」への反論ともとれる発言だった。しかし、NHKはこの部分だけをカットし、一切報じることはなかったのだ。
 

「公共放送としてのHNKの見識を疑いますが、今回のNHKの報道姿勢は、安倍晋三政権が目指す憲法改憲と密接な関係があると目されています。NHKは、特定秘密保護法にしても政権寄りの報道を繰り返し、また、靖国参拝にしてもその録画映像を延々と流し、批評もしなかった。いまやNHKは安倍政権の“お抱えメディア”と化す危険性さえある


<中略>

 
 安倍首相は本気で憲法改正と、その背後に控える戦時体制を望んでいるのだろう。安倍政権の独裁化と私物化は言論統制に向かっている。平和憲法戦後民主主義最大の敵が安倍首相だということを、改めて記しておきたい(Business Journal14年1月23日)』


天皇陛下が現憲法について擁護とも取れる言及をなさるのは、現憲法を尊重しない今の安倍政権の危険極まりない憲法観に対するかなり明白で切迫した危惧を表しておられると思います。
戦後、平和憲法のもと象徴天皇として天皇制が維持できたという天皇家としては、安倍さんたちが望む「天皇陛下万歳!」と叫びながら死(殺)を強制するような時代の天皇に二度と戻りたいとは思っておられないでしょう。
そういう意味でも今の天皇家(唯一姓を持たない一族)は現憲法のもと誠実な護憲一家です。
◎また、昨年12月の天皇誕生日に先立つ10月の美智子皇后79歳の誕生日に際して、宮内庁記者会の質問への美智子さまの回答文書に次のような一節がありました。


 5月の憲法記念日をはさみ,今年は憲法をめぐり,例年に増して盛んな論議が取り交わされていたように感じます。主に新聞紙上でこうした論議に触れながら,かつて,あきる野市の五日市を訪れた時,郷土館で見せて頂いた五日市憲法草案」のことをしきりに思い出しておりました
 明治憲法の公布(明治22年)に先立ち,地域の小学校の教員,地主や農民が,寄り合い,討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で,基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務,法の下の平等,更に言論の自由,信教の自由など,204条が書かれており,地方自治権等についても記されています。 
 当時これに類する民間の憲法草案が,日本各地の少なくとも40数か所で作られていたと聞きましたが,近代日本の黎明期に生きた人々の,政治参加への強い意欲や,自国の未来にかけた熱い願いに触れ,深い感銘を覚えたことでした長い鎖国を経た19世紀末の日本で,市井の人々の間に既に育っていた民権意識を記録するものとして,世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います。

◎また、別の所では、「この1年も多くの親しい方たちが亡くなりました。阪神淡路大震災の時の日本看護協会会長・見藤隆子さん,暮しの手帖を創刊された大橋鎮子さん,日本における女性の人権の尊重を新憲法に反映させたベアテ・ゴードンさん,映像の世界で大きな貢献をされた高野悦子さん等,私の少し前を歩いておられた方々を失い,改めてその御生涯と,生き抜かれた時代を思っています」とも述べておられます。
美智子さまの全文はコチラ:http://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/gokaito-h25sk.html
〇五日市憲法と宮城出身の千葉卓三郎、高知の植木枝盛憲法草案と南相馬市出身の鈴木安蔵、そしてGHQ日本国憲法との関係については蛙ブログ<光は辺境から「自由民権 東北で始まる」>で:(http://d.hatena.ne.jp/cangael/20120201/1328055111)。
この番組の中で憲法学者樋口陽一東北大学名誉教授は、「五日市憲法(草案)は、今持っている日本国憲法につながる水脈の源〜地下水脈の水源だ」と発言されています。