安倍内閣と日本会議、「靖国神社宮司が天皇陛下の『慰霊の旅』を批判」と「靖国という装置」


靖国神社のトップの発言が明るみに:陛下が一生懸命、慰霊の旅をすればするほど靖国神社は遠ざかっていくんだよ。そう思わん? どこを慰霊の旅で訪れようが、そこには御霊はないだろう? 遺骨はあっても。違う? そういうことを真剣に議論し、結論をもち、発表をすることが重要やと言ってるの、はっきり言えば、今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ。わかるか?。この記事に入る前に、まず新内閣の顔ぶれが決まりましたが、党内人事も含めて、日本会議神社本庁との関係を今一度、山崎雅弘さんのブログの内容から考えてみます:

山崎 雅弘
‏@mas__yamazaki 10月3日
安倍政権の内閣改造を報じる時、メディアが官邸側が作るキャッチフレーズを垂れ流しで流用せず、戦前・戦中の価値観を継承する日本会議神社本庁神道政治連盟)との深い関係に光を当てれば、教育勅語を含め多くの問題の背景を読み解けるなるほどと腑に落ちる。しかし今のメディアはそれをしない

●表の内閣だけでなく党内の人事、たとえば稲田氏の処遇などをみれば、相変わらずというよりますます日本会議系重視で憲法改正あくまでという意図が見えてくるようです。そして、芝山文科相教育勅語についての発言で明らかです。山崎氏が教育勅語についてまとめています:

山崎 雅弘
‏@mas__yamazaki 10月3日

教育勅語は小さい子どもに暗唱させて体に叩き込むことをあらかじめ意図してつくられていた(リテラ)https://lite-ra.com/2018/10/post-4293.html


 閣僚が“ほぼ全員ネトウヨ”である第4次安倍改造内閣だが、さっそく、その極右思想が露見した文部科学大臣に起用された柴山昌彦衆院議員だ。柴山文科相は2日の就任記者会見で、戦前・戦中の教育勅語についてこう述べたのである。
「(教育勅語を)アレンジしたかたちでですね、今のたとえば道徳等に使うことができる分野というのは、私は十分にある、という意味では普遍性を持っている部分が見て取れる」


・「実際、草案の一つは内容の問題だけでなく長すぎて暗唱に向かないとの理由で廃案にされている教育勅語が簡潔にしてわかりやすい内容にされたのは、丸覚え、暗唱という“洗脳教育”と切り離せるものではない」・「満州事変が起き、あの泥沼の戦争に突入していくのは、勅語発布の1890年に小学校1年生だった第一世代が40代となり、彼らを親とする第二世代が成人したくらいの時期この頃には教育勅語による洗脳教育が完成され、日露戦争の頃にはまだ存在していた反戦の声をあげるような者もほとんどいなくなっていった」・「教育勅語はまぎれもなく、日本国民とアジアの人々を不幸におとしいれたあの狂気の戦争を生み出した元凶のひとつだっただからこそ(略)日本の国会も反省に立ってその排除・失効を自ら決議したのである」


その反省の撤回に向かう安倍政権

靖国神社宮司さんが天皇陛下の「慰霊の旅」を批判している音声が発表されました。

News MagVi
@News_MagVi 9月30日
天皇陛下「慰霊の旅」を批判した靖国神社宮司音声データを公開https://www.news-postseven.com/archives/20180930_771685.html
雑誌のニュースを動画で!「News MagVi」
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#靖国神社 #小堀邦夫宮司 #皇室


●発表された靖国神社の小堀宮司の音声に基づく記事が週刊ポストの長文のものです。今上天皇を批判する天皇主義者というのは、天皇に対する尊崇の念なんて関係ないんですね。それは、安倍首相も同じ。自分の考えと一致しない天皇なら敬意どころか見下した発言も平気ですね。天皇の権威と天皇に対する国民の敬愛を利用したいだけというのがミエミエです。だから、元伊勢神宮に仕えていて現在靖国神社宮司といえども、天皇や皇太子に対してこんな言い方ができるのですね。全文をどうぞ:

山崎雅弘さんがリツィート
清水 潔
‏@NOSUKE0607 9月30日
靖国神社のトップが天皇陛下を批判おいおい
「はっきり言えば、今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ。わかるか?」

靖国神社トップが天皇陛下を批判か 「今上陛下は靖国神社を潰そうとしてる」と発言

2018年10月05日 06時40分 NEWSポストセブン
記事まとめ

靖国神社のトップである小堀邦夫宮司が「教学研究委員会」で驚きの発言をした
天皇陛下の慰霊の旅について「今上陛下は靖国神社を潰そうとしてるんだよ」と語った
・発言は靖国神社内でも問題視され、宮司として問題ではないかという声が上がったそう

  天皇が「深い悲しみを新たにいたします」と述べた平成最後の終戦記念日靖国神社(東京・九段北)には安倍晋三首相はじめ現役閣僚の姿はなく、中国や韓国も一頃ほど神経をとがらせなくなった。しかし、その落ち着きの裏で、靖国神社は“爆弾”を抱えていた。来年、天皇の「代替わり」と創立150年が重なる大きな節目を目前に、前代未聞の問題発言が神社トップである宮司から飛び出したのだ。

小堀宮司の苛立ちは、今上天皇が即位以来、一度も靖国を参拝していないところから発している。このまま、親拝(天皇の参拝)がなければ、その後も見込まれないとして、「今の皇太子さんが新帝に就かれて参拝されるか? 新しく皇后になる彼女は神社神道大嫌いだよ。来るか?」と、続けている。(※週刊ポスト2018年10月12・19日号)
★★★全文:https://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-096571/

●こちらは現代ビジネスの記事です:

山崎 雅弘
@mas__yamazaki 10月4日

伊藤博敏「安倍政権を支える神社界が大揺れ 靖国神社神社本庁の「異常事態」」(現代ビジネス)https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57816 …「改憲を支える一大勢力が神社界である。全国8万の神社を傘下に持つ神社本庁は、1969年、政治団体神道政治連盟を発足させ、憲法改正に取り組んできた。また、田中恆清・神社本

安倍政権を支える神社界が大揺れ!靖国神社神社本庁の「異常事態」
改憲へ突き進む安倍首相の前途多難

伊藤 博敏(ジャーナリスト


靖国神社宮司の「天皇批判」
神社本庁総長の「開き直り」
■安倍人気と裏腹なもの
改憲の柱になると思われた靖国で、小堀宮司が精神的支柱であるはずの天皇を批判、強圧を批判された田中総長が引退表明しながら前言を翻すみっともなさは、そのまま改憲へ向かって突き進む安倍首相の前途多難につながる。
それは、誰にも明快な説明ができない安倍人気と、実は裏腹なのである。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57816


◎政治家の靖国参拝問題は、宗教と政治の問題として、また無宗教の慰霊のための施設を新たに建設するかどうか、など元々国内問題だったのを、小泉首相靖国参拝を「外国の干渉を受けない」ことの意思表示として利用したことから、勘違いが始まりました。中国や近隣諸国からとやかく言われる筋合いのものではないのは当然。国内問題として、政治家が靖国参拝をすることには問題があるのです。昭和天皇は中国との関係を意識して、A級戦犯が合祀されている靖国参拝をされなくなったようですが、それ以前に国家神道が果たした戦争中の役割や、国家と宗教との結びつきの反省の問題を国民としてもはっきりすべきであり、国会でも無宗教の施設の新たな建設が議題に上っていたこともあったのですから・・・
●「靖国神社」が果たした歴史的役割について、以下は山崎氏の考えです。間違った戦争に駆り立てた戦争指導者の過ちを誤魔化し、過ちの免罪符の役割も果たし、命を軽んじる結果になったのではないか・・・というのですが、どうでしょう? 


山崎 雅弘
@mas__yamazaki 
ー2014年1月4日
靖国神社をこれ見よがしに参拝する政治家や、それを支持する日本人に共通するのは、首相や閣僚の参拝には大東亜戦争の肯定」などの政治的側面が存在する現実を一貫してネグレクトし、ひたすら「国に殉じた軍人に感謝するのは当然で、それを邪魔するのは内政干渉」という唯一つの論理に固執すること。

ー2014年1月7日
・家に帰れば良き父・良き夫であったはずの戦争指導者が、なぜあそこまで兵士の命を粗末に扱うことができたのか。その理由を考える時、靖国神社の存在は欠かせないと思う。死んだ軍人は靖国神社で「生き続け」、そこで共に倒れた戦友と「再会する」という「物語」が無ければ、人命の重さは違っただろう。


・逆に言えば、前線で兵士がどれだけ死んでも「彼らの魂は死んでいない、靖国に帰ってきたのだ」という「物語」があれば、戦争指導者は良心の呵責を軽減あるいは無効化できる前線の一兵卒まで全員がその「物語」を「自発的に」信じる状況を作り出せればそう思い込ませたという後ろめたさも感じない



靖国神社という「装置」がなければ「兵士は死んだけれど死んでいない」という「物語」は最初から成立せず、日本の戦争指導部も史実よりは兵士の命を大事にする方針をとったかもしれない靖国神社という「装置」が存在したがために人命の損失を「損失にカウントしなくて済む」特殊な状況が生まれた


・また、靖国神社という「装置」がなければ、鹿屋などの基地で特攻の命令を受けた指揮官が、部下の若いパイロットを死地に向かわせることを拒絶する例が数多く発生したかもしれない。「死んでも靖国で会える」という「物語」が存在したことで、特攻隊を送り出す側の中間指揮官の心理的負担も軽減された。