昨日のNHKスペシャル、そして今朝のTBS関口さんの番組と岡本行夫氏が出演。退役軍人や家族に戦争経験者や戦死、障害者になった人たちがいる女性の厭戦気分について語っていました。トランプ氏勝利にこの人たちの支持があったのではないか、それを見逃していたというような言い方。退役軍人の意向がトランプ大統領に影響を与えるのなら、沖縄の辺野古、普天間、ひょっとすると・・・ということも。退役軍人で沖縄に理解を示す人たちが運動をやったりしていますね。翁長さんが期待して見守りたいと発言されてもいました。それにしても、岡本氏の言い方、こういうのを上から目線というんでしょうね。トランプは無知だから、日本から教えに行かないといけない、そうです。最近、こういう、失礼な言い方をする「偉い方」が増えていますね。
◎7日に開かれた天皇の生前退位を巡る有識者会議のヒアリングを終えて出てくる有識者たちを伝えるニュースをテレビで見ていてあきれました。平川という東大名誉教授の方が、「勝手に仕事を増やしておいて、それができないから退位したいなんて、ちょっとおかしいんじゃないか」「年をとったら宮中にいて、民(たみ)安かれと祈っていれば、それでよろしいじゃないか」。こんな言い方、相手が天皇でなくても失敬、失礼というものです。何様?と言いたい物言いです。
◎翌日の日経新聞には、2面社説の横に、5人の意見が並べて書かれ、平川氏の言葉も書かれていましたが、テレビで見た時のニュアンスは消えていました。「ヒアリング出席者に聞く」として、ノンフィクション作家の保坂正康氏の意見が「典範改正含みで議論を」と見出しをつけて詳しく掲載されていました。それだけでなく、社会面には囲み記事で有識者会議の運営を批判、その上「政府の方針が決まっていて、有識者会議は、議論を尽くした形にするための”アリバイ機関”」の疑いありとまで。
◎そして、リテラの記事は、私が感じたママが記事になっていました。天皇への尊敬などみじんもなくて、ただ天皇を利用して何かをなしたいという人たちなんだと感じました。それは、現憲法の象徴天皇制を否定するものであり、欽定憲法時代の天皇制に戻そうという考えなのだろうと思います。そのうえ、そういう人たちをメンバーに選んだのは安倍首相自らなんだとか。こんなことで、天皇のお気持ちが踏みにじられるのでは、国民統合の意味がなくなってしまいます。
「天皇はちょっとおかしい」 安倍首相が生前退位ヒアリングにゴリ押しした“日本会議系学者”が天皇批判!(http://lite-ra.com/2016/11/post-2684.html)
天皇の「生前退位」に関する首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が、とんでもないことになっている。
そのメンバーの人選からして官邸寄りで、初会合で早くも極右界隈が死守したい皇室典範を改正せず、一代限りの特別法で対処するという“結論ありき”が露呈したことは、本サイトでも既報のとおり。しかし、さらに腰を抜かしそうになったのが、有識者会議がヒアリングを決めた「専門家」の面々だ。
今月から始まったヒアリングは〈皇室制度、歴史、憲法の3分野を中心に各分野の「権威」を選定〉(時事通信)したというが、その実態は極右団体「日本会議」の関係者など、安倍首相に近い“オトモダチ”が大半を占めるという、バランス感覚もクソもないものだった。
歴史学者の大原康男・国学院大学名誉教授、憲法学者の百地章・国士舘大院客員教授は、ともに日本会議政策委員で安倍政権の“御用学者”。また、渡部昇一・上智大学名誉教授、所功・京都産業大学名誉教授、平川祐弘・東京大学名誉教授、八木秀次・麗澤大学教授、そして“右翼の女神”こと櫻井よしこ氏は、日本会議の講演や機関誌「日本の息吹」で弁舌をふるったり、そのフロント団体などの役員や発起人を務めている。いわば、極右イデオロギーの“顔役”ばかりではないか。
と、思っていると、7日の初回ヒアリングでさっそく、その「専門家」からとんでもない発言が飛び出した。
「ご自分で定義された天皇の役割、拡大された役割を絶対的条件にして、それを果たせないから退位したいというのは、ちょっとおかしいのではないか」
ヒアリング後に記者団にそう語ったのは、平川祐弘東大名誉教授。この平川氏も日本会議の別働隊「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の代表発起人、日本会議系シンクタンク「国家基本問題研究所」の理事をつとめる右派論客で、これまでもあからさまに「生前退位」そのものに反対してきた。
「皇室への敬愛」を国民に強制しようとしている日本会議系の学者が天皇に対して「ちょっとおかしい」なんてセリフを口にすること自体、自己矛盾もいいところだが、もっとひどいのはその批判の論理だ。
平川氏は、天皇がまるでわがまま勝手に自分の役割を拡大したかのように言っているが、天皇が国事行為に精力的に取り組み、かつての激戦地や被災地を訪問してきたのは、国民の総意にもとづく日本国憲法にさだめられた「象徴」の役割をまっとうしようとしたからだ。そして、「生前退位」を希望したのも、その“日本国憲法下の象徴としての天皇”のあり方を守るためにほかならない。
ところが、平川氏は天皇のその憲法にもとづいた国民への向き合い方を“個人的なわがまま”に矮小化し、「お年をとられたら宮中にいて、民安かれと祈ってくださればそれでよろしいじゃないか、と」とうそぶくのである。ようするにこれは天皇を宮中に閉じ込めて、自分たちの都合のいいように政治利用しようとしているだけではないか。その発想は、連中の言葉で言えば、“逆賊”以外の何物でもない。
だが、こうした天皇をないがしろにするような発言をしているヒアリングのメンバーは、なにも平川氏だけではない。前述したように、このヒアリング対象には日本会議に深く関わる人物がびっしりと顔を揃えているが、とりわけ渡部昇一氏と大原康男氏、そして八木秀次氏については、この間「生前退位」自体に猛反対するキャンペーンを張ってきた中心的存在。その言論は、今上天皇の人間としての尊厳すら踏みにじるような、目に余るものだった。
〈皇室の継承は、①「種」(タネ)の尊さ、②神話時代から地続きである──この二つが最も重要です。〉〈種には資産の大小は関係ありません。種の尊さというのはそこにあると思います。それさえ守り続ければいいのです。〉〈万世一系が揺らぐようなことがあってはならない。それだけを考えればいいのです。〉(渡部昇一氏/ワック「WiLL」9月号)
〈何よりも留意せねばならないのは「国事行為」や「象徴としての公的行為」の次元の問題ではなく、「同じ天皇陛下がいつまでもいらっしゃる」という「ご存在」の継続そのものが「国民統合」の根幹を成していることではなかろうか。〉(大原康夫氏/同)
〈天皇にはそのお役割の重要性とともに、その大前提として、神話に由来し、初代の神武天皇以来一貫して男系の血だけで継承されてきた血統原理に基づくゆえの、他に代わるも者がいないというご存在自体の尊さがある。さらにいえば、陛下には天皇の位にいらっしゃること自体に十分意義があり、在位なさることで既にお役割を十分に果たしているとも言える。〉(八木秀次氏/産経新聞社「正論」10月号)
人間をその言論や行動ではなく「血」でしか見ないというグロテスクさ、ここに極まれりといった感じだが、彼らの根底には日本国憲法を尊重する今上天皇への反感がある。
実際、2014年には、八木氏は「正論」で「憲法巡る両陛下のご発言公表への違和感」なる文章を発表し、そこでモロに今上天皇と皇后を批判していた。前年に天皇と皇后が日本国憲法を高く評価したことに対して、八木氏は苛立ちを隠さずこう記したのだ。
〈両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない。〉
〈宮内庁のマネジメントはどうなっているのか。〉
さらに続けて、〈仄聞するところによれば、両陛下は安倍内閣や自民党の憲法に関する見解を誤解されているという〉なる信ぴょう性皆無の流言飛語を拡散しにかかるなど、明らかに安倍政権の意を受けて天皇批判を展開してきた。
いずれにしても、天皇主義者を自称する彼ら極右言論人の本音は、天皇を隔離して戦前ばりに“神格化”を成し遂げ、同時に安倍政権による改憲の邪魔を絶対にさせないということなのだ。
振り返れば、戦前日本は「万世一系」の天皇を頂点とした「国家神道」を支配イデオロギー化し、「万邦無比」の「国体」思想を国民に意識づけることで、侵略戦争を正当化した。八木氏らがいう「国体護持」は、そうした事実に立脚している。そういえば、八木氏は前述「正論」10月号で、天皇の「務め」には「存在」と「機能」の2つがあるとして、こう強調していた。
〈陛下はそのうち、専ら天皇としての「機能」を重視されている。しかしだからといって私たちが、天皇たる者、その「仕事」を全身全霊で果たさなければならない、それができて初めて「天皇」たり得ると考えるのは早計である。
陛下がビデオメッセージで触れられた「務め」とは天皇としての「機能」の面だが、その大前提には「存在」されること自体の意義がある。徹底した血統原理によって他に代わる者がいない存在として、陛下が天皇の地位に就いておられること自体に尊い意義がある。〉
ここからも、再び天皇を人間から神話的存在としてまつりあげ、政治利用しようという意図があることは明らかだろう。連中がやろうとしているのは、天皇機関説を排撃し、立憲政治を骨抜きにした国体明徴運動の“現代版”なのだ。
しかも、救いがたいのは、こうした時代錯誤の極右論客へのヒアリングをゴリ押ししたのが、安倍首相本人だったという事実だ。時事通信は、天皇に「ちょっとおかしいんじゃないか」と絡んだ平川氏と、「天皇は種さえあればいい」とうそぶく渡部氏からの意見聴取は、とくに安倍首相が希望したと報じたが、他の日本会議系メンバーも安倍首相のゴリ押しだったという。
「八木氏と櫻井氏も安倍首相の希望です。安倍首相は、有識者会議ではあまり露骨な人選はできなかったぶん、ヒアリングに自分の人脈をゴリ押しし、天皇の動きに釘を刺そうとしたのでしょう」(宮内庁担当記者)戦前の国体明徴運動は個人主義、自由主義をも否定する運動に発展したが、安倍政権の狙いもそこにあるのだろう。まさにとんでもない“逆賊政権”というしかない。
(宮島みつや)