10日の夕刊と宮崎駿監督アカデミー名誉賞受賞

昨日の夕刊は大きなニュースが並んで世の中の動きがわかるような紙面でした。隣の読売も届きましたので日経と一緒に写真を撮ってみました。
 
日中首脳3年ぶり会談
ロシア大統領、来年来日中韓FTA 実質妥結(韓国、日本に先行)(日経)衆院選与野党準備(讀賣
3面で両紙ともに取り上げているのが:

ベルリンの壁崩壊25年中露に新パイプライン(天然ガス、30年間供給)(日経)日露首脳「信頼」生かす/対話継続へ讀賣3面トップ)○中露エネ・金融で協力強化(3面下)
そして、社会面は宮崎駿監督のアカデミー賞受賞のニュースです。
その前に、原発事故の放射性物質を含む指定廃棄物処理について、です。
日経は宮崎氏の記事の横に載っています。讀賣の見出しを借りて、合作の記事にしてみます(茶色は日経):

指定廃棄物の福島集約認めず」宇都宮で環境相


 東電東京電力福島第一原発事故で生じた放射性物質を含む指定廃棄物の栃木県内の最終処分場建設を巡り、環境省は9日、同県知事と県内全25市町長を集めた会議を宇都宮市で開いた。建設候補地となっている塩谷(しおや)町の見形和久町長が、原発周辺への集約を求めたのに対し、望月環境相は「方針は見直さない」と明言した。処分してから数十年以上かけて放射性セシウムなどの濃度が低減した後に掘り出し、路盤対策に活用するなどして跡地を原状回復する。 
 これに対し、見形町長は「濃度は低減してもゼロにはならない」「(指定廃棄物を)拡散させずに最も汚染されている地域で、住民に対する十分な補償の許に集中処理するべきと主張したが、望月環境相が「福島にこれ以上の負担はかけられない」と説明し、福田富一知事も「苦渋の選択だが、県内設置が妥当」とした。

◎赤字は私がモットモだと思う箇所です。「福島にこれ以上の負担はかけられない」のも尤もだと思いますが、天秤にかけることが国の責任(役割・仕事)だと思います。「県内のものは県内で」と言っても、放射性物質の出どころは福島ですので、町長の言い分も尤もです。そして大原則は拡散させないことだと思います。


◎さて、今日の本題、宮崎駿監督のアカデミー名誉賞受賞についてです。
まず日経夕刊の見出しは、「不戦が大きな力に」となっています。
宮崎監督の戦争についての言葉「私たちの国は(私が仕事をしてきた)50年で一度も戦争をしなかった。このことが僕らの仕事にとって大きな力になった」という上の写真以外に、日経ではこう紹介されています:また戦争に翻弄された先人の経験に触れ「(自分が)アニメーションを続けられたのは日本が戦争をしなかったというのが大きい。戦争と原爆の記憶があったから『戦争は絶対しない』というのが定まっていたが、(戦後約)70年過ぎてだいぶ怪しくなってきた」と危惧を示した。
ところが、讀賣には見出しは勿論、記事の中にも一切戦争についての発言はありません。
おそらく、宮崎監督が言いたかったことは、日経が見出しにしている内容だと思います。ところが、讀賣は宮崎監督は戦争については一言も発言していなかったことになっています。このことは、読売新聞が、ありのままを報道する新聞ではないという事、また、「不戦」とか「戦後70年過ぎて『戦争は絶対しない』が怪しくなってきた」という事は触れたくない、伝えたくない新聞だということになります。
★こういう姿勢が、購読者減の原因になっているとしたら、讀賣読者の嬉しい変化です。
いつも金曜デモの報告でお世話になっている「特別な1日」さんの昨日のブログは専門?の映画でしたが、とっかかりが、朝日と讀賣の購読者数についてでした。朝日より、讀賣の購読者数の減少の方が大きいのだそうです。

1年前と比べて朝日は約33万部減(前年比-4%)、読売は64万部減(前年比-6%)。読売は部数の減少数、減少率ともにすべての新聞で最悪だ。そんなに巨人ファンが減ったのか(笑)。いや、それだけではないだろう。今年4月のオバマ来日時の『アメリカとのTPP交渉妥結』という誤報ナベツネが官邸から直接リークされたそうだが、その御用新聞ぶりには呑気な日本人と言えども辟易してるんだろう。(後略)

★過去1年の全国紙販売部数推移の一覧表が紹介されているブログはコチラです:http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20141110/1415614779
☆ブログのタイトルは<映画『無知の知』>で、この原発ドキュメンタリー映画の内容も是非ブログを訪ねて読んでみてください。
(写真は、昨日、山のクリーンセンターへ行く時通った山麓線の街路樹・南京ハゼの紅葉です)