金曜デモと鈴木邦夫さんと内田樹さん(「カネ優先」見直すとき)

金曜デモについて、いつも土曜日にと思っていましたが、1日遅れで今日になってしまいました。
◆19日の金曜日、「青空学園だより」のブログ主Nankaiさんは今年最後の大阪関電前抗議に参加されました。その様子を写真と記事から引用させていただくと:

今日は今年最後となる定例の関電前抗議行動であった.寒かったが,選挙を終えて再稼働の動きがはやまるなかで,そうはさせじと多くの人が集まっていた.100人ほどであっただろうか.実際,来年はいろいろと大変なことがありそうである.その一方で,この二年半,ここに来るようになって,ほんとうに多くのことを学んだ.机の前に坐るときと少し違うところから考える場であった.このような行動を企画し続けてきた人たちに心から感謝する.そんなことをいろいろ考えながら,みなと声をあわせて戻ってきた.


さてYahoo!ニュースに, 「日本はなぜ基地と原発を止められないのか」で話題の矢部宏治が鳩山友紀夫と“日本の真の支配者”を語った!がでた.【前編】 (週プレNEWS)と【後編】 (週プレNEWS)である.何はともあれ,全文を読んでほしい.一読,まず驚いたのは,一国の総理が「日米合同委員会」を知らなかったと言うことだ.

◎コチラで全文を:「首相の知らない『日米合同委員会』」 http://d.hatena.ne.jp/nankai/20141219

◎私は丁度矢部宏冶著「日本はなぜ、基地と原発をやめられないのか」の最終章・パート5を読み直していたところでした。鳩山元首相との対談は改めて取り上げたいと思っています。

◆「特別な1日」さんは、デモはお休み。専門?の映画の紹介があります。私は「6歳のボクが、大人になるまで」という映画が、同じ俳優が実際の年月を費やした実写の映画だと知って見たいと思っていましたが、いい映画のようです。(http://d.hatena.ne.jp/SPYBOY/20141219/1418994975
◎その前に、いつも適切な情報や話題を提供してくださるブログですが、今回は鈴木邦夫氏の愛国問答からです。SPYBOYさんの言葉です:

選挙関連では鈴木邦男氏が書いていたことが印象に残った。今回 右翼の彼は民主党の辻本清美の応援演説に行ったという。彼によると、右とか左とかより、話し合える人と話し合えない人かどうかが重要だから、だそうだ。


デマと闘う選挙運動の異常さ|鈴木邦男の愛国問答-第165回 | マガジン9


意見や好みというのは人によって違う。例えばスポーツが好きとか嫌いとか、ハンバーグが好きとか嫌いとか、それは個人の自由だし、そんなことは合わせる必要はない。だが『私はこういう理由で、こう思う』という会話ができれば、意見が違う人とも何かの共通項を見つけられる可能性は高い。自分の意見を言うだけでなく、理由も加える。これは『最低限(小学生レベル)の知的な訓練』と『相手と会話をしようという意思』の問題だが、民主主義が成り立つ前提条件でもある。近年 日本で怪しくなっているのはその点ではないか。(色字は勝手にby蛙)

◎是非★印の「愛国問答」に入って「右とか左とかより、話し合える人と話し合えない人かどうかが重要だ」の全文を:http://www.magazine9.jp/article/kunio/16810/

◎ところで、「鈴木邦夫をぶっとばせ!」(http://kunyon.com/index.html)というブログは、鈴木さんがご自分の一週間の出来事を書いておられます。辻本清美応援も書いておられますが、少し前の記事のおすすめです。
〇鈴木氏が内田樹氏に投げ飛ばされたり、関節技で身動き取れなくなった様子が写真入りでつづられています。合気道の達人でもある内田樹氏の雄姿を見ることができます。☆鈴木邦夫氏、敗戦の弁:7月18日(金)。この日は、永遠に記憶されるだろう。内田さんに「思想的・肉体的」に、徹底的に打ちのめされ、叩きつけられた日だ。私の「敗戦記念日」だ。 貧しい知力と貧しい体力で、無謀にも内田さんに戦いを挑み、完膚無きまでに叩きつけられ、無条件降伏をした日なのだ。長く歴史に記録されるだろう
★その時の様子は「内田樹さんに投げ飛ばされた。」で:(http://kunyon.com/shucho/140728.html
◎ついでにその内田樹氏の東京新聞18日の選挙を終えての記事です。引用元:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014121802000160.html

衆院選を終えて>「カネ優先」見直す時 思想家・内田 樹氏


 今回の選挙で有権者が示した判断は、判断しないということでした。ある人は経済が悪くなったと言い、自民党は良くなっていると言う。どちらが本当か分からない。だから、判断を保留した。いずれ判断するけれど、今は中腰(ちゅうごし)の姿勢で見ているという感じです。

 結局、有権者数を分母にした全国の比例代表の得票数でみれば自民党は千七百七十万票で、17%にすぎない。それを圧勝というのはおかしい。戦後最低の投票率も「安倍政権の結果が出るまでもうちょっと待とう」と大きな変化を望まなかったせい。世の中を変えたいと思えば、若い人たちも投票するわけですから



 自民党は「争点はアベノミクス」と言った。要は経済成長すればいいんでしょう、と。有権者の多くも最優先事はカネだと同意した。ならば結論は簡単で、国を株式会社みたいに管理運営すればカネがもうかるようになりますよ−となる。

 国を株式会社化するのに民主主義は邪魔です。独断で早く決めて、早く結果が出るのが好ましい。株式会社のサラリーマンのそんなマインドが国民に共有されてきている。それがトップダウン好きの安倍さんとマッチして急速に強権的な政治が定着してきています。
 
 いわばワンマン社長のような安倍さんですが、その政権は戦後最も危険だと思います。自民党改憲草案では、首相が緊急事態を宣言すれば、憲法を停止する形で事実上の独裁が可能になる集団的自衛権も米国が要請すればですが、中東で米軍の戦闘行為の下請けのようなことをやる。人を殺したり殺されたりして、結果的に国内外でテロの標的になって民間人が殺傷されるということは起こりえます。


 日本の戦後七十年の民主主義の政体を根本から変える問題です。安倍さんはそれを語らず争点隠しをした。逆から言えば、何をしようとしているか分かった段階で国民の支持が失われるのを彼らは知っている。最後までウソをつき、だましながら、ひそかに実現できるのか。安倍政権が抱える最大のジレンマです。


 私たちにできるのは、カネ以外のことを考えてみることですカネもうけを考えると、原発を動かすとか、武器輸出しようとか、戦争やろうとか、カジノ呼ぼうという話になる。かつて皇軍無敵と言い続けたように経済成長を追い求めるプランもあるけれど、経済成長なしでも生きていけるプランBも用意しないと。

 日本国は倒産しましたのであとは勝手に生きてください、とはいきません。「grow(グロウ) or(オア) die(ダイ)(成長か死か)」じゃ駄目なんです。経済成長なき世界での「how(ハウ) to (トゥ) live(リブ)(どう生きるか)」を問うべきときではないでしょうか。


  (聞き手・辻渕智之)


<うちだ・たつる> 神戸女学院大名誉教授。思想家、武道家。専門はフランス現代思想。近著に「街場の戦争論」。う東京都大田区出身。64歳。

◎「カネ以外の事を考える」、つまり、経済成長とか国力増強とか今まで通りの目標ではイケナイということですね。カネのためには国柄まで勝手に変えて武器輸出だってする。福島原発事故が片付かなくったって買ってくれるところがあれば原発だって輸出する。大きな自然災害や福島の原発事故で多くの被害がでました。それを私たちや人間社会への警告だと受け止めたい。カネより命、カネより絆、と一度は思ったんじゃない。この辺で方向転換できないとダメなんじゃない日本は.と思います。
PS:
★「内田樹の研究室20日付で<東京新聞のロングヴァージョン「選挙の総括」>が掲載されました。こちらの方が長い分わかり易いかもしれません。最後の締めくくり部分のみコピーします。全文はコチラで:http://blog.tatsuru.com/2014/12/20_1229.php

安倍政権が進めている政策は日本の戦後七十年の平和主義と民主主義の政体を根本から変えるものです。与党はそれを隠したまま争点を「金の話」に限定した。そして、「金が欲しいんでしょう、みなさんも」と叫び続けた。


これから先も、政府は自分たちが何をしようとしているのか、それが未来の日本にどのような影響を及ぼすかについては、何も語らないでしょう。 先のことは考えなくていい。目先の銭金だけが問題なのだ。それが国民の総意だったはずだ。そういう言い訳で彼らは自分たちの政体変革の歴史的意味を隠蔽し続けることでしょう


私たちにできるのは「国家は金儲けのためにあるわけじゃない」という常識に立ち戻ることです。株式会社なら、経営に失敗しました。倒産しますで話は済む。株式会社は有限責任体ですから。株券が紙くずになっただけで終わりです。


でも、国家はそうはゆきません。失政のツケを国民は何十年も何百年も払い続けなければならない。私たちは国家の株主なんかじゃないし、むろん従業員でもない。私たちの90%以上はこれからもずっと日本列島に住み、日本語を話し、日本の宗教や生活文化の中で生きることを宿命づけられている逃げる先はどこにもない次の選挙より先のことを考えない人たちに自分たちの運命を委ねることはできません。