衆院選から一週間・・・「意外と追いつめられている」

衆院選投票率が52.66%の最低だったことに、翌日のコーヒータイムで母が「年寄りが行かなかったのか若い人たちが行かなかったのか?」と。私も”どっちかな〜?”と思ってました。その日たまたま大阪に居て、祖父母を訪ねてくれた30代の姪っ子に尋ねたら、考えた末「若い人かな〜」と。ところが、21日(日)の日経新聞「風見鶏」コラム、タイトルが「投票率 主因は中高年」です。記事によりますと:

「過疎地は高く、都市部は低い」という傾向はない。50%を切った地域は、青森、宮城、富山、石川、徳島、愛媛、福岡、宮崎の8県で、東京は54.36%で全国平均を上回った上、ただ1ケ所、過去最低を更新しなかった。年代別は今回のデータがまだ発表されていないので、昨年の参院選で見ると、投票率は年齢が若いほど低いが、2010年と比較した下落幅を見ると違ってくる。20代の下落幅は2・80ポイントで以前より小さい。しかし、40代で゙7・14ポイント減、70代では8ポイントを超える。特に60代の6.04ポイント減は注目。団塊世代の変動は全体の投票率に大きく影響するから。

「選挙離れ社会が一段と進行している」という学者さんの言葉を紹介。 「中高年の棄権が急増しつつあるのは何故か? 「明るい選挙推進協会」の調べによると、自宅から投票所まで5分未満だと投票率は81.7%だが、20分以上だと52.2%に下がる。」ということです。
 今回の投票行動のデータがこの線上にあるかどうかわかりませんが、投票率減がすべて「若いヒトの所為」とは言えないようです。

◆「真実を探すブログ」さんでは、安倍首相自ら今回の選挙結果に激怒しているということから「意外と彼らは追い詰められている」と結んでおられます。引用元:http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4883.html

衆議院総選挙では自民党が290議席を獲得しましたが、この結果に安倍首相は激怒しているようです。
どうやら、安倍首相は自民党単独で300議席以上を獲得したかったようで、選挙後に300に届かないじゃないか。 話が違っているのは、どういうことだ! 沖縄は2つ取れるはずじゃなかったのか! 枝野(埼玉5区、民主党枝野幸男幹事長)は落ちないじゃないか!等と発言をしていたと自民党関係者が証言しています。


確かに選挙直後に出演した生放送では、イヤホンを外してアナウンサーの指摘を無視するというような行動をしていたので、イライラしていた可能性は高いです。また、沖縄を全て落としたことにも怒っているようで、選挙を取り仕切っていた茂木敏充選対委員長をはじめ、党幹部に怒鳴っていたという話もあります。


そもそも、安倍首相の目的は次世代の党のような右派勢力だけで、憲法改正が可能な3分の2議席を確保することでした。それなのに、次世代の党が2議席に激減し、逆に共産党民主党のような反対勢力が拡大しています。憲法改正については公明党も距離を置いているわけで、安倍首相としては動き難い情勢であることは間違い無いです。


というか、沖縄で自民党が壊滅状態になるなど、選挙前よりも行動に制限が増えてしまったように感じられます議席数では自民党は圧倒的ですが、意外と彼らは追い詰められているということなのでしょう

◆もう一つ、「ウィンザー通信」さんで「明日に向けて/福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。」というブログを知りました。
ブログ主の守田敏也氏は、「読売新聞が安倍政権は民意を得ていないと自民党議員を説得?(総選挙を捉え返す−2)」で、鎌仲ひとみさんの「日本人はまじめで責任感が強いから、ひどいことをされたと思うよりも、避けられなかった自分が悪いとすぐに思っちゃうのよ。そう教育されちゃってるのよ」という言葉を紹介してこう書いておられます:(鎌仲ひとみ:山口県祝島の30年に及ぶ上関原発反対闘争を初めて知った映画「ミツバチの羽音と地球の回転スエーデン―祝島)」の監督)

第一に安倍政権の今回の選挙の仕方が卑劣だったのです。第二にそもそも歪み切った小選挙区制が問題なのです。第三に無責任な報道をした一部のマスコミが悪いのです。
怒りは安倍政権に向けなくちゃいけない。野党のふがいなさ批判はその次。いわんや統一候補が作れなかったと民衆勢力の間でもみ合うのは愚の骨頂。民衆そのものである棄権者に怒りを向けるのもやめましょう。


見据えるべきことは、これほど民主主義に背いた選挙を行った報いは必ず安倍政権自身に跳ね返るのだということ。そこを見逃さずに民主主義の破壊者安倍政権と対決しなければならないということです。
仲間割れしていてはいけない。選挙において戦術がそれぞれで違うのは当たりまえ。それぞれが懸命に考えて行ったことを尊重しあいましょう。棄権をした人の気持ちも忖度しましょう。そうして次に備えて仲よくなりましょう。仲良くなくてなんで真の連帯ができるでしょうか?

◎そして、選挙結果については読売新聞の「『熱狂なき圧勝』浮き彫り・・・自民党支持率ダウン」を全文掲載されています。これは、ブログ仲間のSPYBOYさんも「自民党の支持率は解散直後の41ポイントから選挙後は36ポイントへ、5ポイントもダウンしている」と書いてこの記事を引用されていました。守田さんはその後海外の選挙評を紹介したうえで:

今回の特徴はすべての政党の中で、唯一、「次世代の党」だけが大負けしたことです。19議席から2議席への激減です。小選挙区制の問題があるので、得票としてはこれほどの減ではないのですが、それでもこのことは好ましいことです。
なぜかと言えば今回の「次世代の党」の選挙戦略が完全なるネット右翼=極右排外主義狙いだったからです。実際、「在特会」は「次世代の党」への全面支持を打ち出していました。その極右政党が完全に崩壊してしまった。このことは現在、行われている「ヘイトクライム」が実はごく一部のものによってもたらされているものでしかないことを大きく示しました。


ではかつて維新の中にいた次世代の党への票はどこへ行ったのでしょうか? そこまで行きすぎていないとの判断で安倍自民党に入ったのだと思われます議席数にして17。つまりこれがなければ自民党は大きく議席を失っていたのでした。その分、よりリベラルな側へ、ラディカルな側へと暫時、票が移っていったのだと思われます。何にせよ、ネット右翼は文字通り、「ネット」上の仮想空間で数がいるように見せかけているものでしかないことがはっきりしたのではないでしょうか

●引用元:「明日に向けて」(http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/f33ebdb90d5c3fd07a124b7508bd79d6

◎「次世代の党」が激減したことが、安倍政権にとってマイナスかプラスかには両論あるようです。守田氏のように安倍さんたちには頼りにしていた面があるから堪えるはずと取る人と、アメリカとの関係や世界から見て、右寄り(歴史修正主義)もそこまでひどくないことが示せたのでプラスと取る人もいます。でも、国民の意思表示としては良い結果だったと思います。ほっとしました。仲間内でけなし合って本当の原因や敵を見失ってはいけないという主張には賛成です。味方は多い方が良いです。