「東京電力は何故こんなに黒字なのか?(1)」そもそも総研

録画していた番組をチェックしていると、モーニングバードの木曜日の「そもそも総研」1月22日に、「東京電力は何故こんなに黒字なのか?」というのがあり、見てみました。消してしまうのには惜しいというか知っておいた方が良い内容だし、特に玉川キャスターの「今日の結び」は「その通り!」と思える内容でしたので、書き起こすことに。いつものように私なりにまとめてみます。
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ナレーションそもそも、東京電力はなぜこれほどに黒字なのだろうか?
2015年3月の決算見通しが、先月(12月)17日、発表され、経常利益2270億円―震災前と同程度とのこと。
東電数土文夫会長の今年の年頭の訓示は:「最大のステークホルダー(利害関係者)は、福島の被災者の皆様であり、廃炉・倍賞・復興をしっかりやって福島の方々に尽くすことが、社会的に求められている最低限の使命であります。従業員の皆さんも他方で大切なステークホルダーであります。昨年、給与水準の一部復元を行いましたが、今後も会社として成果を上げればそのうちの何%かずつでも給与を戻していきたい。」
玉川キャスター:前半はわかります、後半ですよね。すでに少し給料を戻したというのも今回初めて知りましたが、さらに戻していく、給料を上げていきたいと仰っている。そうすると、福島の方はどういうふうに感じるのか、そこが気になりますので、今回、お二人の方にお話を伺ってきました。
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玉川:え〜福島県平田村です。あちらの病院なんですけど。福島県とは別に独自に子どもたちの放射線の影響を無料で検査する病院なんですが、今回、東電の件、どういう風に考えておられるか、これから聞いてきます。
玉川:こちらで(甲状腺検査を)無料でやっている理由は?
佐川文彦理事長原発事故というのは国策の中での事故で、県民には責任がない。我々は道徳的にも県民からお金を取る必要性はないのではないか
ナレーション:現在、甲状腺検査は県の委託をうけた福島県立医科大学付属病院一元的に無料で実施。しかし、それは”十分でない”と感じる県民も多いというのです。

佐川:検査の説明の仕方が(ひらた中央病院では)専門の先生がお母さん、子どもを含めてぺーパーだけでなくてドクターの方から直接説明する。
玉川:”ペーパーだけじゃなくて”というのは、じゃ、県立医科大付属病院の方は(ペーパー以外)説明がないんですか?
佐川:はい、その差があるということが県民の方からの不満として出てきた
ナレーション検査の時間が短い、結果を文書で通達することなどが、県立医科大学付属病院の体制に不満を抱く県民も多いと佐川氏は言います。
玉川:無料で監査されてれいるとうことは、当然、費用がかかっているわけですよね。
どれくらいかかっていますか?
佐川:トータル的には、5億円。はい、持ち出し
玉川:その支援を東電に申し入れたこともあるんですか?
佐川あります
玉川:その時は、どういう反応?
佐川:東電は「県が国があなた方にお願いしたことではないでしょ」「勝手にやったんでは」という表現です。
玉川:それをお聞きになって、どう思われたか?
佐川原発事故、一番県民が不安がっているのが放射能です。”勝手にやったんでしょ”というくらいの表現をされるのであればどこにその怒りをぶつけていいのかわからない

ナレーション一方、未だ全町民が避難を強いられている浪江町は、現在、二本松市にある仮庁舎で馬場有町長に話を聞いた
玉川:東電に事故以前と同じぐらいの黒字になっています。さらに、会長が、そういう状況であるならば社員の給料を上げていきたいとも言っている。

馬場町:ん〜〜まず、常識的には考えられないということですよね。私ども(浪江町民)は全国各地に広域的に避難していますよね。その”苦しみ”とかね、”故郷を追われた悲しみ”、東電の事故に対する怒り”、それを果たして理解しているのか?
その為に私どもは、今の精神的損害についての賠償の問題でADR(原子力損害賠償紛争解決)センターに(和解仲介)の申し立てをしたわけです。

ナレーション浪江町は、おととしの2013年5月原発事故による精神的苦痛は大きい”として住民およそ1万5000人の代理人となり、東京電力から支払われている月10万円の慰謝料の増額を求め申し立てました。

その後、和解の仲介を行う原子力損害賠償紛争解決センター(ADR)は、75歳以上の町民8万円、その他の町民5万円増額が妥当という仲介案を提示した。しかし、・・・
馬場町:東電側は賠償については個別的事情がいろいろあるという事で、個別賠償に応ずるが、全体的なものについては応諾できないと。
玉川:いわゆる一律での町民への・・・  馬場:はい。
馬場:それから、もう一つ、この例を認めれば、他の町村の被害者についても影響が出てくるので認められないと、全く主客転倒の考え方で拒否したわけです。ですから、それを今の東電の給与が上がるというのは全く矛盾していますよ
N:果たして矛盾とは、どういうことなんでしょうか?
馬場:東電は、和解仲介案の尊重ということを自ら謳っているんですよ。ところが、尊重どころか、それに反するような回答をしているわけです。ましてや、そこで給料を上げるというのは、とんでもない、理屈に合わない。
私は、三つの誓いを守れとキッチリ言ってるんですが、今もって駄目ですね。
ナレーション:一方、浪江町が賠償金の増額を求める理由は、”非情に大きな精神的苦痛がある”からだと、町長は言う。
馬場:浪江町の学校の生徒さん、(原発事故前は町内に小学校が)6校あれば間に合ったんです。小学校6校、中学校3校。現在は全国の避難先の699校にお世話になっているんですよ。
玉川:散リ散りバラバラになって・・・
馬場:そう、散り散りバラバラになって。到底考えられない。拡散した状況の苦しみが、そこにあるわけですよ。ADRの担当者は、私どもの被災者の話をよく聞くために、応急の仮設住宅に行って話を聞いたり、あるいは現地(浪江)まで見ている。それを見て、これはヒドイなと、こ〜れは、とても精神的損害が10万円とか、そんな金額では表せない悲惨な状況だと理解してもらった。それで出たのが仲介案の増額です。
玉川:それを拒否している。  
馬場:そう、拒否している。これは本当に信じられないですよ。
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スタジオの玉川キャスター:という話なんですけども。
ADRと言うのは第三者なんですよね。それが現地を見て考えたうえで増額は妥当だと出しているのは紛れもない事実なんですね。
もう一つの事実は、東電の方たちの給料は減りました。で、社員の方々は一生懸命やってるんで、社員の責任をそんなに問うても仕方がないんじゃないかと。因みに去年の東京電力の平均給与は年収684万円です。これを高いとみるか、安いとみるか。因みに国民全体の平均給与は413万円です。これは、人それぞれで感じるところはあるでしょう。
で、今回、東京電力に質問しました。

質問1利益の黒字分を福島の被災者の補償などに充てるという考えはないのでしょうか?
回答:「ステークホルダー(利害関係者)への責任を果たす」ことは当社の使命であり、最大のステークホルダーは福島の被災者の皆さんです。
責任の大きな柱である賠償については最後のお一人までシッカリ貫徹してまいります


質問2原子力損害賠償紛争解決(ADR)センターが「被災自治体の賠償費用を増額すべき」との和解案を出しているのに履行しないのはオカシイという声があります。
東京電力自ら「和解案を尊重する」と掲げているにもかかわらず、履行しないのは何故ですか?
回答:「和解案を履行していない」とご指摘のある申し立てについても、現在話し合いが続けられている和解仲介手続きの中で引続き真摯に対応してまいります

玉川:今回の取材を切っ掛けに東電は和解案を履行する方向で是非やっていただきたい。

女性コメンテーター:「最後の一人まで貫徹する」とありますね。
東電のホームページの誓いの一番初めの項目でもありますね。東電に対して請求できる時効が3年から10年に延びましたね。
で、あるなら、そこを前提にして、とりあえず10年、利益(黒字)が増えようが、賠償のためのお金を取っておいてほしい、と思うのは、どうなんでしょうか。
玉川:あの〜因みに、馬場町長に、増額したら、その分はどのくらいになるんですかとお聞きしたら、200億円くらいだと。因みにさっき経常利益は2000億円を超えるという見込みですよね。10分の1くらいですよね。みなさん、どう感じますか?   (つづく)