佐藤優氏「沖縄人の4つの自己意識と自己決定権について」


◎まず、沖縄についての昨夜のNHKのニュースウォッチ9、沖縄へ大越キャスターが出かけて翁長氏にインタビュー、そして、菅官房長官が、口を濁らせながらも会って話をするとかなんとか、あれ?どうしたの?でした。最近、NHKのこの時間帯のニュースが面白くなくってパスすることが多くなりました。昨日は見るともなく見ていたら…だったのですが、今朝の天木直人氏のブログにこの件がとりあげてあります。大越氏にかなり厳しいことを書いておられた天木氏が今回は「よくやった」です。二人を比べればどちらに理があるかよくわかると。詳しくはコチラ「官房長官は逆立ちしても翁長沖縄知事には勝てない」で:http://www.amakiblog.com/archives/2015/03/26/#003200
安倍首相の「わが軍」発言を菅官房長官が「間違いではない」と。この件について、「真実を探すブログ」さんで:<【憲法違反】遂に政府が自衛隊を軍隊と認める!菅官房長官自衛隊も軍隊の一つ」⇒野党からは批判殺到!>( new!!http://saigaijyouhou.com/blog-entry-5979.html)
◎「日本がアブナイ!」さんでも:「わが軍」発言で開き直る官邸、国会で追及を+逃げ切りはかる下村に刑事告発http://mewrun7.exblog.jp/22907241/
★さて、本題。「語られる言葉の河へ」というブログで、昨年の「週刊金曜日」(12月4日)の佐藤優氏の記事を見つけました。「沖縄の自己意識の4つのカテゴリー」の分類が本土の人間からすると解りやすい方法だと思いましたので、取り上げてみました。

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11月の沖縄県知事について、「沖縄県知事選挙(11月16日投開票)では、翁長雄志・前那覇市長が当選した。翁長氏は現職の仲井眞弘多氏を10万票も離し、得票率は51.22%を占めた。具体的な争点となったのは、米海兵隊普天間飛行場の移設問題だ。  しかし、より本質的な争点は、沖縄が東京の政治意志に隷属する日本の一地方に留まるか、それとも沖縄(琉球王国を持ち、独自の言語・文化を維持する)が自己決定権を確立すべきか、という沖縄人のアイデンティティをめぐる問題だった。」

この中で、佐藤氏は、翁長氏が元自民党だったから、政府から圧力がかかれば簡単に辺野古容認に変わるという見方に対して、「沖縄の自己決定権を無視した非現実的な見方」であると断じています。

そして、 琉球処分」(1879年)によっても、沖縄人は自らの共同体・文化を維持し、沖縄人という自己意識を失うことはなかった。しかし、同時に沖縄人も日本人としての自己意識を持つようになった。そのため、現在沖縄人の自己意識は4つのカテゴリーに分かれている。」として、沖縄人を4つのタイプに分類して話を進めます。


1)日本人になろうとする沖縄人。(沖縄人性を完全に放棄し、日本人以上に日本人になろうとする沖縄人。日本人に過剰同化する沖縄人
2)沖縄系日本人。これが従来の沖縄で圧倒的多数を占めていた。)
3)日本系沖縄人。 (沖縄人と日本人の複合アイデンティティを持っているが、どちらか一つを選ばなければならなくなったとき沖縄人を選択する人びとだ。)
4)琉球人。 (日本人性を完全に否定し、琉球人(沖縄人)という自己意識を持つ人びと)
佐藤氏は:「 仲井眞弘多氏も翁長雄志氏も(2=沖縄系日本人)だった。しかし、中央政府の強圧的姿勢を前にして仲井眞氏や一部保守政治家は、(1=沖縄を捨て日本人)になろうとした。これに対して、翁長氏と別の保守政治家は(3=日本系沖縄人)の方向へ自己意識がシフトしたのだ。」
以下、引用です:


 翁長氏と同じベクトルでの自己意識の変化が、広範な沖縄人の間で生じている
 少数派の気持ちを理解することができない日本の中央政府は、沖縄の民意を無視して、辺野古への新基地建設を強行しようとするであろう。しかし、それは絶対に不可能だ。なぜなら、沖縄の主権は沖縄人に属するからだ

 中央政府は、「未完の琉球処分」を完成させようとしている。すなわち、「外交、国防は中央政府の専権事項なので、地方は口を出すな」という理屈を沖縄人に押しつけようとしている
 沖縄が日本の一地方である、という認識が、根本的に間違っている。
 沖縄人からすれば、日本は、二つの主体によって構成されている。(1)沖縄、(2)沖縄以外の日本。
 いわば二つの主体が一つになって日本国家が形成されている・・・・という現実を、中央政府は冷静に認識すべきだ
 中央政府が梃子入れすれば、(1=日本人になろうとする沖縄人)を作ることができる、というのは幻想だ

引用元:http://blog.goo.ne.jp/humon007/e/4f74a7aa0bfa31539db070b938e166c4
(写真は、火曜日、Sさん宅玄関先に置いてある満開のシンビジュウムの大鉢、その先にある冬のウチワサボテン、坊の島の田畑の風景)