「9条を抱きしめて」(アレン・ネルソン)

久しぶりに「明日へ向けて」の守田さんのブログ(http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011)を訪ねたら、深夜の番組の案内があり、1日遅れで見逃してしまいました。その番組というのが、タイトルの「9条を抱きしめて」で、「元米海兵隊兵士で、退役後に平和を訴えて世界をかけめぐったアレン・ネルソンさんを描いたドキュメンタリー」。(BS日テレで再放送が10日にあります)
歴史学者ジョン・ダワーさんの「敗北(敗戦)を抱きしめて」は聞いたことがありますが、「9条を抱きしめて」は初耳です。

守田さんのブログからアレン・ネルソンさんについての昨年の記事を紹介です:

アレン・ネルソンさんは、1947年ニューヨーク州ブルックリンで生まれ、貧困生活から逃れようと18歳で海兵隊に入隊。ベトナムに派遣されて過酷な戦場を生き延びらた方です。自らたくさんの殺人を犯してしまったネルソンさんは、除隊後に後遺症に苦しめられ、家族から同居できないと言い渡されてホームレスを経験し、自殺未遂も繰り返しましたが、ある医師との出会いから回復されました。その後、本当の戦争(real war)とは何かを伝えるのが自分の役目だと考えはじめ、米兵による少女レイプ事件あった直後の1996年に沖縄に30年ぶりに訪問され、語り部としての活動を始められました。13年間のあいだに日本中をかけめぐり1200回もの講演を重ねられましたが、2009年3月26日に米軍が撒いた枯葉剤の影響によって発症したと思われる多発性骨髄腫で亡くなられてしまいました。


通訳を務めた平塚淳次郎さんは、ネルソンさんの平和への思いをさらに伝えたいと「アレン・ネルソン平和プロジェクト」を結成。 2013年、ネルソンさんの語りを中心に編集したDVD『9条を抱きしめて』を製作され、普及活動をされています。『9条を抱きしめて』の最後の方に出てくる、ネルソンさんの集会での講演の発言シーンから少し言葉を拾わせていただこうと思います。2か所から引用します。ぜひお読み下さい。

***



アレン・ネルソン


1996年に来日した時、ある人が日本国憲法の英文冊子をくれました。ホテルで第9条を読んだとき、立ち上がるほどのショックを受けました。信じられませんでした。
キング牧師の有名な演説「私には夢がある」のように力強い衝撃を与えました。
これこそ人類の未来、これこそ人類が持たなければならないもの、そうしなければ人類は滅亡してしまうだろうと思ったのです。
そして憲法9条を読んで気づいたことはこれは国の法律というだけではなく、私たちの生きるべき道を示しているということです。


日本国憲法第9条はいかなる核兵器よりも強力であり、いかなる国のいかなる軍隊より強力なのです


日本各地で多くの学校を訪れますが、子どもたちの顔にとても素晴らしく美しくかけがえのないものが私には見えます。子どもたちの表情から戦争を知らないことがわかるのです。それこそ第九条の持つ力です。日本のみなさんは憲法に9条があることの幸せに気づくべきだと思います。


ほとんどの国の子どもたちが戦争を知っています。アメリカの私の子どもたちは戦争を知っています。イギリス、イタリア、フランス、オーストラリア、中国、韓国の子どもたち、みんな戦争を知っています。
しかしここ日本では戦争を知りません。憲法第9条が戦争の悲惨さ、恐怖や苦しみからみなさんを救ってきたからです



ご存知のように多くの政治家が憲法から第九条を消し去ろうと躍起になっています。断じてそれを許してはなりません。
みなさんとみなさんの子どもたちはこれまで憲法第9条に守られてきました。今度はみなさんが第9条を守るために立ち上がり、声をあげなくてはなりません。
第9条は日本人にのみ大切なのではありません。地球に住むすべての人間にとって大切なものなのです。アメリカにも9条があって欲しい。地球上のすべての国に9条があって欲しい。


世界平和はアメリカから始まるのではありません。国連から始まるのでもありません。ヨーロッパから始まるものでもありません。
世界平和はここからこの部屋からわたしたち一人一人から始まるのです。

***


◎全文はコチラ「憲法9条はいかなる国のいかなる軍隊より強い!(アレン・ネルソン談)」で:http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/94b6e50b749131f1e9f0b962bfca8b14
◎そういえば、日曜朝のTBSの番組で、解説の方が、「沖縄返還前の沖縄で取材していて、沖縄の人が『9条のある日本に還りたい』と言っていたの覚えている」と話しておられました。