「レッドクロス〜女たちの赤紙〜」と「リアルなホラー『日本会議』」(ウインザー通信)

◎8月1,2日(土日)でTBS開局60周年記念2夜連続スペシャルドラマ「レッドクロス〜女たちの赤紙〜」(http://www.tbs.co.jp/redcross_tbs60/story/story1.html)を見ました。

2夜目の展開が思いもよらず、ビックリしてしまいました。昔、母の古いアルバムに、きりっとした表情と姿勢の看護婦姿の女性の写真があり、従軍看護婦として戦地(満州)に行った方だと聞いていましたが、赤紙が来たという話は初めてでした。フィクションだということですが、たくさんの事実を繋いだお話なんだろうと思いました。
2夜目の、大地と博人の二人の逃避行が、山崎豊子の「大地の子」を思わせます。大地と3人の博人の演技が素晴らしく泣いてしまいました。特に中村瑠輝人くんが演じた11歳からの博人の挿話が母子の絆(衛生兵の片りんと赤十字の博愛の精神)を描いて良かったです。赤十字の人たちが、戦後も中国共産党軍に編入?されて1949年の中華人民共和国建国の日まで、中国に居て帝国陸軍の看護法を伝えていたことは初めて知りました。ドラマで民間人を日本本土に帰国させることと引き換えにという設定でしたが、実際にそういうこともあったのでしょうね。はるさんが、共産党の思想教育でその思想に惹かれていくところも、こういう人たちもいただろな〜と思いました。
従兄の大地の命と引き換えに脱出した博人が、人民解放軍の少年兵になり、朝鮮戦争北朝鮮に行き、そこで米軍に捕まって…母との束の間の再会を果たします。その後は字幕になって、引き裂かれた母子が再開できるのは1972年の日中国交回復までかかったとのこと。あっけない終わり方に不満がないわけではありませんが、隣国中国の歴史にも否応なく翻弄される日本人たちを絡めながら、戦争を、こんな視点で描くことが出来るのかと思いました。力のこもった戦争ドラマでした。
日曜の昼間は、映画「日本のいちばん長い日」の原田真人監督をゲストに「太平洋戦争」を論じた?「そこまで言って委員会」を久しぶりに見ました。「大東亜戦争」を肯定して、日本は良いことをしたのだ、東南アジアの諸国だって感謝しているではないかという見方でしかあの戦争を見ない人もいる。一面的を絵に描いたような言い分で、本当なら、大人なら、恥ずかしいほどの主張ですが・・・。
私たち世代は、親が戦争を体験した世代で、戦後、家庭で家族のなかでの戦争の話はタブーのようなところがありました。戦後70年経って、やっと話せるという事もあります。まだまだ、あの戦争を、加害者、被害者として話し合う必要があると感じました。丁度、宮内庁終戦玉音放送の原盤を公開したという事もあります。
◎さて、今、その戦争を肯定する人たちが集まっている「日本会議」を、「ウィンザー通信」さんが取り上げています。
最初に、『ホラーの定番 今ここにあるリアルなホラー』(【弁護士鈴木篤のつれづれ語り】より)を引用しておられます。その中から一部を私もコピーしてみます:

日本会議の主張と行動は、次のようなものである。

<省略>


ここにあるのは、戦前の国家観、歴史観そのものの焼き直しである。
これを、アナクロニズムと切り捨てて済ますわけにはいかない


ここで再び「ホラーの定番」だ。


こうした思想と目標を持った集団が、それを正面から党の思想・目標として掲げる政党を結成して行動するなら、国民にもわかりやすい
ヒトラーや、東条英機や、石原莞爾や、甘粕大尉のような人物が、彼らが語ったような言葉で、彼らが語った大東亜共栄圏や八紘一宇神州不滅の思想を語って選挙を闘うなら、
国民はまかり間違っても、彼らに300議席を与えはしないであろう。
そのことは、前回選挙での「次世代の党」の結果を見れば明らかである。


だが、彼らは、決して独自の政党を結成しようとはしない
その代わりに、既存の政党(それは自民党に限らず、民主党などの野党も含まれている)の中に浸食し、既存の政党を変質させるという戦術を採っている。


その結果、与野党の別なく289名もの国会議員が、日本会議国会議員懇談会に参加し、
現政権の閣僚のほとんど(19名中14名)が、日本会議国会議員懇談会のメンバーで占められるようになっている
更に地方議会では、日本会議地方議員連盟に参加する議員が1691名に及んでいる


既に、既存政党の内部侵食は、ほぼ完成の域に近づいているのだ。

こうして既存政党の仮面をかぶり、


「神国日本の復権」を「美しい伝統ある日本文化の継承」と言い替え、
「アジア解放のための聖戦を闘った日本の復権」を「誇りを取り戻し国と郷土を愛する国民を育てる」と言い替え
「西欧型民主主義の否定」や「憲法の平和主義への憎悪」を「戦後レジュームからの脱却」と言い替え、
教育勅語や修身教育の復活」を「教育の再生」と言い替えるなど


耳触りの良い言葉で、国民からその本当の姿を隠すことによって、こんなアナクロニズムの集団が政権を掌握するまでになっているのだ。


既に自民党は、かってのあの自民党とは、全く異質のものになっているのだ
そして、浸食がそこまで完成に近づいているからこそ、
「八紘一宇」とか「軍国主義者と呼びたければ呼べ」とか「ナチスの方法に学ぶ」などという言葉が、ぽろりぽろりと漏れるようになっているのだ。


これはもうクーデターだ」という人がいる。


仮面をかぶって勢力を拡大し、主権者である国民の知らないところで権力を掌握するという意味で、確かにこれはクーデターなのだ。
まさに「ホラーの定番」が、今私たちの目の前で現実に起こり、妖怪が、この国を蹂躙しようとしているのだ。

◎この後、◾️閣僚の4分の3が所属する右派団体」『日本会議とは、についてまとめています
「◾️第三次安倍内閣日本会議系団体所属状況」、表にされたものを改めて見ると、今の安倍政権というより国政が『浸蝕』されていると実感します。
最後に、「地方議員として活躍されている日本会議の会員リスト」があります。私も大阪府箕面市を早速調べてみました。
●是非、ウィンザーさんのコチラを訪ねて読んでみてください:正に「ホラーの定番」が今私たちの目の前で現実に起こり、妖怪“日本会議”がこの国を蹂躙しようとしているhttp://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/9330c9ad580a05a3539e5611af442e24
PS◎月曜、母の俳句の日。先ほど帰宅。
席題の『中』で、票がトップだったという句を:

     恙(つつが)なく過ごせて夏のど真ん中