「皇后さま81歳のお言葉」と「辺野古環境委員が寄付受領」と「澁谷ハチ公前のスピーチ」

◎20日、81歳を迎えられた美智子皇后の「誕生日にあたっての、宮内記者会からの質問とご回答全文」が発表されました。その中から一部を:


先の戦争終結から七十年を経、この一年は改めて当時を振り返る節目の年でもありました。終戦を迎えたのが国民学校の五年の時であり、私の戦争に関する知識はあくまで子どもの折の途切れ途切れの不十分なものでした。こうした節目の年は、改めて過去を学び、当時の日本や世界への理解を深める大切な機会と考えられ、そうした思いの中で、この一年を過ごしてまいりました。
 平和な今の時代を生きる人々が、戦時に思いを致すことは決して容易なことではないと思いますが、今年は私の周辺でも、次世代、またその次の世代の人々が、各種の催しや展示場を訪れ、真剣に戦争や平和につき考えようと努めていることを心強く思っています。


戦争で、災害で、志半ばで去られた人々を思い、残された多くの人々の深い悲しみに触れ、この世に悲しみを負って生きている人がどれ程多く、その人たちにとり、死者は別れた後も長く共に生きる人々であることを、改めて深く考えさせられた一年でした。

◎日経にも記事がありましたが朝日新聞デジタルから「辺野古の環境監視4委員、業者側から寄付・報酬」(朝日新聞デジタル 10月19日(月)3時3分配信 )


 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画で、国が進める工事を環境面から監視する専門家委員会の委員3人が、就任決定後の約1年間に、移設事業を受注した業者から計1100万円の寄付金を受けていた他の1委員は受注業者の関連法人から報酬を受領していた。朝日新聞の調べでわかった。

 4委員は取材に対し、委員会の審議に寄付や報酬は影響していないとしている。違法性はないが、委員の1人は受領を不適切だとして、委員辞任を検討している。

 この委員会は「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会(環境監視委)」。沖縄県仲井真弘多(ひろかず)・前知事が2013年12月、辺野古周辺の埋め立てを承認した際に条件として政府に求め、国が14年4月に設置した普天間移設事業を科学的に審議し、工事の変更などを国に指導できる立場の専門家が、事業を請け負う業者側から金銭支援を受ける構図だ。

◎早速菅官房長官が菅語で「問題ない」と答えていますが、問題です。天木直人氏は、「それが事実なら、仲井真知事の埋め立て承認は瑕疵があった事になる。今後の法廷闘争に影響を与えざるを得ない」とも。内田樹氏のツィート欄から:

内田樹さんがリツイート


Hideyuki Hirakawa ‏@hirakawah · 17時間17時間前
辺野古の環境監視委員4名が業者から寄付金を得ていた問題。「利益相反」の本質を理解してない報道ばかり利益相反は本来、実際に歪曲等が生じたかではなくその可能性が疑われる関係性にあるかが問題。「影響はない」という委員の言い訳を伝えるだけでツッコまない報道は、この点を理解してない。

◎シールズの若い人たちのスピーチは自分の頭で考えた自分の言葉。「shuueiのメモ」さんが取り上げておられるこのスピーチも聞かせます。

米国LA在住・鈴木 正師さんより:

渋谷ハチ公前街宣でのICU4年小林叶(かなう)さんのスピーチ。
2015/10/18



<<<スピーチ書き起こし>>>>


渋谷の皆さん、こんにちは。国際基督教大学4年の小林です。

戦後70年の歴史を大きく変える法律が、先月可決されました。私も、連日国会前で声を上げました。

しかし、そんなことには目もくれる余裕もないほど、毎日を生きることに精一杯な人々がいます。

1日中朝から晩まで必死に働き、それでも子どもを高校へ進学させてやれない120万人ものシングルマザー。

明日自分のクビが切られるかもしれない不安に怯える250万人の派遣労働者

ご飯をおなかいっぱい食べることができない320万人の幼い子どもたち。


私が今こうして話している間にも彼らが考えていることは、

もし自分の家が生活保護を受けていることがばれたら、周りに白い目で見られてしまうのではないか、ということ。

大学進学のために借りる500万の奨学金を自分の力で返済できるのか、ということ。

もし自分一人で子供養うとしたら、月10万円の給料でどうやって暮らせばよいか、ということ。

もし明日仕事を失ったら、自分の居場所はこの社会に存在するのか、ということ。

つまり、今日を生き延びることができるか、明日を無事に迎えられるか、それが彼らの切実な思いではないでしょうか。


安倍首相は日本を「美しい国」、「すべての女性が輝く社会」そして、「一億総活躍社会」にしたいそうです。

しかし現状はどうでしょうか。

この国には、進学を諦めキャバクラで働き、家族を養わなければならない10代の子がいます。

この国には、子どもの学費のために裏で自分の内臓を売り、生活をつなぐ母親がいます。

この国には、何度も生活保護を申請したが拒否され、食べるものもなくやせ細り、命を失った女性がいます。

この国には、ひとりぼっちで、誰にも看取られることなく、冬の寒空の下、路上で命を落としていく人々がいます。


そんな彼らを、「今まで何していたんだ? 努力が足りないんじゃないか!」と切り捨てる。それが日本の政府です。


私は言いたいです。たった一人の、たった一人の子どもの命も救えない、たった一人の母親に生きる希望を与えることができない、そんな国の言うことを、私達はどうして信じることができますか?



学費を稼ぐため風俗で働くのは、あなたの子どもかも知れません。

ストレスと鬱に苦しんで自殺するのは、あなたの父親かも知れません。

冬、暖房のない部屋でやせ細って死ぬのはあなた自身かも知れません。

そして政府は、そっとあなたに囁くでしょう。食事も住居も用意してくれる、学費も肩代わりしてくれる、そんな仕事があるよ、と。

そうして、その仕事についたあなたは、他国の脅威から「日本を守る」ため、遠く離れた大地へと送り込まれることとなるでしょう。


しかし、忘れないで下さい。

あなたが守るはずの日本に、あなたは殺されそうになっているのだということを。

あなたにとっての脅威は他国ではなく、この国であるということを。

あなたの生活は今まさに、この国によって存立危機事態に追い込まれているのだということを


私が思い描くのは、こんな未来ではありません。

誰もが、心から、生きていて良かったと、自分はこの世界に生まれてきて良かったと言える、
あなたにしか聞けない声があり、あなたにしか見えない世界があり、あなたにしか語れない言葉がある、
そんな他の誰でもない、そんなあなたを必要としていると、
そう胸を張って言うことができる国を、私は夢見ています。


そのために必要なのは、「強い国」となるための、一発数千億円のミサイルでしょうか?

違います。

わたしたちが求めているものは、ただ、大切な人とほおばる温かいご飯であり、

望む学校へ進学できるチャンスであり、

一人親でも子どもとゆっくり向かい合うことのできる時間であり、

ひとりぼっちで悩んでいるあなたをいつでも迎え入れてくれる居場所ではないでしょうか。


世界があるからあなたがいるのではなく、あなたがいるからこそ世界はあるのです。
希望なき人々のためにのみ、希望は与えられています。終わっているなら始めましょう。
10月18日、私は安倍政権の退陣を求めます。
ありがとうございました。(終)

☆庭に咲く秋の花:上から日陰に咲くシュウメイギク秋明菊)、糸くずを貼り付けたようなフジバカマの花、本当はもう少し紫色の孔雀アスター、そして地面近く咲くホトトギス
PS:SPYBOYさんにコメント欄で教えていただいたシールズの訂正を見つけましたのでコピーします:

SEALDsさんがリツイート

稲葉剛 ‏@inabatsuyoshi · 12時間12時間前

SEALDs @SEALDs_jpn 10月18日の渋谷街宣において、登壇者から、日本の貧困問題に関連して臓器売買等に言及する発言がありましたが、これは誤りでした。当人は、あるシンポジウムで出た話を勘違いしてしまい、事実確認をせずに発言してしまったとのことです。関連ツイートを削除し、謝罪いたします。


稲葉剛さんが追加


シールズから訂正が出ましたが、これは特定の事例に関する訂正で、国内における臓器売買の存在が否定されたわけではない点に留意を。以下を参照。

貧困ビジネス暴力団、ホームレスをドナーに
http://www.sankei.com/affairs/news/150721/afr1507210041-n1.html