「共謀罪」と雨の京都で琳派展


◎沖縄の辺野古新基地建設について政府はいよいよ訴訟に持ち込んでまでの強硬姿勢です。昨日の新聞は盛りだくさんの記事でしたが、「日本がアブナイ!」(18日)さんの<テロ対策で共謀罪=平成の治安維持法を持ち出す自民+国と沖縄が法廷闘争へ>>から産経新聞(17日)の記事から:
(写真の記事は日経新聞、昨日の朝刊からです⇒)
この際、やり残したことはやってしまえと言わんばかりですが、そう思い通りに行かせるものかの野党共闘が待たれます。

 『政府・与党は17日、パリの同時多発テロを受けた国内テロ対策として、重大犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる共謀罪の新設に向け、組織犯罪処罰法改正案の国会再提出について検討に着手した。政府は主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」などを見据え、テロ対処能力向上のため諜報組織を持つ米英から最新ノウハウを導入し、来年2月には国際テロ・国際組織犯罪の専門家会合を都内で開く。(中略)


 また政府は20年の東京五輪パラリンピックも控え、対テロの重点方針として(1)テロ組織への資金供給の途絶(2)外国人戦闘員の増加防止(3)暴力的過激主義への対応−の3つを決定した。 


 外国人戦闘員の入国阻止や、インターネットを通じ海外でテロ戦闘員となる邦人の国内での活動に対処するには、米中央情報局(CIA)や英秘密情報局(MI6)など日本政府が持たない諜報組織の知見も必要となる。(産経新聞11月17日)

それにしても、フランスのオランド大統領の異様な高揚?ぶりに、何年か前のブッシュ元大統領が重なります。歴史に学ぶ必要ありですが・・・(上の記事の引用元「日本がアブナイ」さんはコチラ:http://mewrun7.exblog.jp/23881095/
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京都で琳派展をやっている、風神・雷神図の三作品がそろうのはこの機会を置いて滅多にない、という事は知ってはいても、もう会期は少ししかないし、それでなくてもここ数カ月アレコレと立て込んで、行けなくても、あきらめなければと思っていましたが、前日の夜、夫がヨーガを休んで行かないかと。チャンス、と思って、昨日、出かけることに。
9時半からなので8時に出れば車でも大丈夫かと思って出かけましたが、一寸のことで満車のサイン。近くの有料パーキングを探して傘をさして会場へ。自動券売機も並んで待ちました。敷地内の大木が様々な色に色づいて、雨の中、とても美しい紅葉です。
展示は7つの章に分けられています。「第1章」は「光悦 琳派誕生」で工芸家として書家としての本阿弥光悦の紹介です。花唐草螺鈿経箱が大ぶりで螺鈿(らでん)が七色に光っていました。
「第2章 光悦と宗達 書と料紙の公響」と題された展示コーナーでは、宗達がデザインした料紙という紙に本阿弥光悦の書が。鶴が飛びかう下絵に三十六歌仙和歌巻きというのは13メートル以上もあるものです。ここに、桃山時代俵屋宗達筆の平家納経というのがありました。小さな表紙絵と願文。願い文は、紺地に金文字が並ぶ巻紙の空いた上下にハスの花弁が描かれたものでした。光悦と宗達。すごい才能同士の共同作品、ぜいたくです。

「第3章」は「宗達と俵屋工房」です。扇面や屏風に花鳥風月から人物まで。屏風に伊勢物語を色紙にして華やかに描いてあります。ここに17世紀に描かれた京都・養源院の唐獅子図杉戸絵がありました。この絵は既に「俵屋宗達」です。花の屏風絵にケシの花が大胆に描かれたのがありましたが、それをそっくり壺に描いた野々村仁清作「色絵芥子文茶壺」は素晴らしい! ここで仁清の壺が見られたのは幸運! かなりの大きさでした。そして、六曲一双の屏風の全面に、宗達は、藤袴(フジバカマ)だけを描いています。渡りをする蝶アサギマダラが蜜を吸いにやってくる秋の七草のひとつ、藤袴です。直立して天辺に花をつけた藤袴が、金彩の三角形の雲間に、近く遠くリズミカルに描かれていて、絵は写実的でもあり、パターン化したデザイン風でもあり、新しく見えます。宗達の花の絵は、どれも観察は鋭く、写実から装飾風まで、自由自在です。
「第4章 かたちを受け継ぐ」で、いよいよ、「風神雷神図屏風」です。俵屋宗達は17世紀、それを模写した尾形光琳は100年後の18世紀、またそれを見て酒井抱一が描いたのが19世紀です。残念ながら、会期中3作品が並ぶのは限られた期間だけ。私たちが見たのは、宗達と、抱一でした。光琳の屏風があったところには酒井抱一の大作「夏秋草図屏風」があり、これはこれで見ごたえがありました。

宗達風神雷神図は、もうこれだけで満足というくらい! 右手の風神は、今は黒ずんで見える銀色の雲に乗って風をはらんだ袋を握り、髪の毛を逆立てて、あらぬ方向へ足をひねるほどのスピードで空を翔けています。顔は恐いというより、少しユーモラス? 左手の雷神さんは、これまた右手をあらぬひねり方をしてポーズを取っています。口は大きく裂けて筋骨隆々ですが、こちらもそう怖いとは思えず。電々太鼓も円い輪っか状に繋いであって可愛いし・・・。よくこういう空想の絵が描けたものです。
尾形光琳宗達を写したという風神雷神図が無いので分りませんが、200年後の酒井抱一風神雷神図は、新しい分、絵の具の発色が鮮やかですが、やはりコピーという感じがぬぐえません。

「第6章 くらしを彩る」のところでは、尾形乾山(けんざん)の器を見ることが出来ました。やはり、好きです。このおおらかさと大胆さと軟らかさがなんともいえません。蓋に「松」(デフォルメされた)、蓋を取ると、なかに「波(模様)」が描かれた蓋物や、ススキを大胆に描いた蓋物の絵と大きめの形が何とも言えません。光悦・宗達のコラボに倣ってか、光琳の絵、乾山作の皿という兄弟共同作品も何点か。
最後は18世紀から19世紀にかけての「光琳の後継者たち 琳派転生」でした。

以前も今度も、三十三間堂の向い側、駐車場側の入り口から入るので、正門と噴水と明治のレンガ造りの博物館の建物の一直線上の丁度真ん中あたりにロダンの「考える人」があるのに気づかなかったようです。ここにも、あるの!でした。

展覧会の見どころ


 琳派とは、江戸時代に現れた装飾的な作風を特色とする、俵屋宗達尾形光琳・乾山、酒井抱一といった芸術家の一群をゆるやかにつなぐ言葉です。その源は、京都洛北の鷹峯に住し、書をはじめ様々な芸術に関与した本阿弥光悦へと遡ります。本展は、光悦が徳川家康から鷹峯の地を拝領して400年となることを記念し、琳派誕生の地である京都において初めて開催される本格的な琳派展です。琳派の名作を一堂に集め、その都ぶりな美意識、日本的と評される特質をご堪能いただくとともに、琳派の系譜をご紹介します。

◎チラシによりますと、「直接の師弟関係を持たない琳派の芸術家たちは、各々の制作活動の中で、先達の作品に触れ、憧れ、写すことを介して、自らその流れに加わりました。装飾的でデザイン的な特質を共有する琳派ですが、その実像はそれぞれに個性的です」とあります。詳しくはコチラで:http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/index.html
(記事中、宗達の作品2点は、サイトのチラシの写真をカメラで撮ったものです)