昨日はお茶のお稽古日でした。
外に出てしばらく歩くと、四辻の角(かど)の昔ながらのお宅の生け垣の貝塚衣吹(カイヅカイブキ)が、いつもと違って大胆に波打つような面白い形に散髪されていました。写しておこうか…とバッグに手をやって、そうだ、カメラを入れて来なかった、と引き返すことに。テーブルの上のカメラを手提げ袋に入れると、今度は小走りで先生宅へ。ガレージにまだ車が入ってないので、お二人は未だ。そこで、一寸ゆっくりと庭の木や花を見ることに。車庫脇に咲いているのは芙蓉の花に似た小さな花なので姫芙蓉かな、と勝手に名前を付けて。玄関への道の塀際に咲いているのは、一重の椿と、華やかな絞りの八重の椿。玄関に入るとガラスのコンポートの上にこの八重の椿の花だけが盛り付けるように飾ってありました。
お部屋に入って、そうだ、11月はお茶にとっては特別な月。「開門多落葉」の掛け軸の下、床の真中に茶壺が置いてありました。新茶を半年寝かせて発酵させ、11月には”口切り”と言って新茶をいれた壺の口を切って取り出したお茶の葉をひき臼で挽いてお茶を点てます。最近はお茶屋さんでも機械のところが多いそうです。そして、冬に向けて、風炉ではなく、炉に炭火を熾して鉄釜にお湯を沸かせてお茶を点てます。11月ですし、このところ特別暖かい日が続きますが、この炭火と釜が暖房の役割も果たすことになります。
活けてある花はツボミの八重の椿と、赤い実は美男葛(かずら)。
籠ではなく陶器の花瓶にさしてあります。
お座敷から庭を見ると、蹲(つくばい)の脇の千両の赤い実が早々と色づいています。先生は、「今年はどこも早くて、お正月まで持たないかもしれないと話している」と。「美男葛は、あれ」と教えていただいたので望遠で撮ってみました。
お二人が見えて、Naさんは、お孫さんのことで先月お休みだったので、私が最初にお茶を点てることに。
いつもお棚があって、その左横に風炉と風呂釜があるので、正面を向いていればよかったのですが、炉に釜がかかっているときは、内角(うちずみ)といって、炉の左端の角、それも炉の内側の角を正面にして座ります。そこで、取り出した蓋置は、炉の右角、畳目の3つ上2つ右(だったかな?)に置くことに。先生の注意を受けながら、そうだ、そうだったと思い出してきました。
棚から取り出した棗(なつめ)も
炉の内角と棚の前右角の一直線上の真中左に置き、
お茶碗から取り出した茶筅はその右に置くことになります。
少しづつ思い出しながらお点前を続けます。
袱紗がパチンと鳴らなかったのでやり直したらいい音が。
でも、これはルール違反。やり直しは無しです。
棚の下の筒のような水差しは、丹波焼。
私が選んだ蓋置は、オランダ写しというもので
タバコの葉を描いたものでした。
お客さんに回って、戴いた主菓子は先生手作りの秋色生菓子。
お干菓子は、朱塗りの箕の形をした一貫張りなので
吹き寄せのお菓子を片側に寄せて盛ります。
Naさんの後のNさんは、立礼式ですので、お釜は
扇形テーブルに埋め込まれている
電熱器の上に据えて始めます。
置いてあった水差しは初めて見るものでした。
模様は狂言袴と言われるもので、
伊勢の阿漕(あこぎ)焼とのこと。
使われたお茶碗は、萩焼のものと、
もう一つは、同じ狂言袴の模様がついたお茶碗でした。
阿漕焼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/03 17:38 UTC 版)阿漕焼(あこぎやき)は三重県津市で焼かれる陶器。名の由来は地名の阿漕浦に因む。萬古焼の流れを汲み、200年余りの歴史がある