1月のお茶のお稽古

1月のお稽古は月末の金曜日。雨になりました。先生のお宅に着くころ、丁度Nさんの車も。
 
Naさんは、今回も東京でお孫さんのお世話で一週間とのこと。お花は、ツバキと梅の枝。お軸は、[彩凰舞丹宵」(さいおう たんしょうに舞う).

さて、Nさんに合わせて、立礼式で。
先生が、まず、一服を点てるからと、”どうぞ”と言われて、喰籠(じきろう)の蓋を開けると、ピンクの花弁餅(はなびらもち)が入っていて、ゴボウの良い香りが漂います。
「ちょっと遅いけど、お正月だからね」と先生。
花びら餅を美味しくいただいて、先生が点ててくださったお薄を一服。
お茶碗が、昇る朝日に鶴のおめでたい柄。
Nさんに出されたお茶碗は三猿の絵柄です。見ざる、言わざる、聞かざるの絵が描かれています。
そういえば、初めて。猿の絵柄は12年に一度しか使えないということですね。
 
 

棚に置いてあった青海波の模様の水差しが気になるので聞いてみました。
「上に行くほど波が小さくなっているでしょう」と言われ、見てみると、なるほど、色もグラデーションになって下のほうが茶色が濃く、上に行くほど薄くなっています。蓋は小さな青海波の模様でびっしり埋められて、つまみ部分が松ぼっくりになっています。
「三彩になってるでしょ」と言われた真ん中部分に色が差されています。「唐三彩じゃなくて…」と言うと、先生が「長崎三彩というのよ」と教えていただきました。一方、テーブルの上の水差しは、唐津だそうです。
九州の焼き物を揃えておられたのかな、とこれは帰ってから気づきました。
棚の上の棗は黒の漆に金彩で松を描いたものですが、先生が立礼式のテーブルの上に置かれた棗は艶のない赤い物で松が掘ってあります。これが「堆朱(ついしゅ)」という漆の工芸品で、新潟県の村上堆朱というものだそうです。雅子さまの父親の出が、ここなのだとか。
 
 
茶杓の真中に何やら付いている。先生のお父さんの代から使われていたものだそうです。よく見ると、追羽根です。これもお正月にしか使えないものですね。こんな変わったのは初めて見ました。そして、蓋置がまた三猿です。堆朱の棗の胴体が写っています。柄杓を置くとこんな感じ。
 
最初に私がお茶を点てることになり、ドッシリとした萩焼の器と、可愛い赤い実の絵が描かれている小ぶりのお茶碗を選びました。
二人がお茶を点てて、おしゃべりしていると先生がしばらく下がっておられたかと思ったら、黒いお膳のようなもの(漆塗りで「利休お敷」というそうです)に、蓋つきの御椀と、お漬物と、お茶を乗せて。「お善哉を作ったから」と言われて、三人で戴くことに。蓋を開けると、軟らかいお餅が小豆の中に白く見えて、美味しそう〜。柚子の入った大根のお漬物を頂きながら、三人でいろんな話を。
そうそう、先生の息子さんは下の息子と同い年。結婚して3人の子どもさんがいて、上お二人は北小の3年生と1年生。今年度のPTAの会長さんをされています。今年丁度北小は70周年を迎えました。先日、ポストに北小学校70周年の記念誌が入っていて、その中に、YKくんのご挨拶もありました。とっても上手に書いてありましたので、先生に、そうお伝えしました。「ありきたりの話はほかの人も書くだろうから…」と先生にも仰っていたとか。校舎の塔について、一度は無くなった塔が、再建されたこと。自分たちは、校歌に歌われた塔が無い世代だったのに、自分の子供達は、新しい塔を見ながら学校生活を送っているという、変遷と継承を子どもたちが読んでも解りやすい言葉遣いで書かれていました。そんな話や、Nさんの老人会の話など、5時半ごろまで話が弾みました。出る時、夫も用があって帰りは遅くなると聞いていましたので、ゆっくり”お正月”ができました。