6月のお茶のお稽古


2時からお茶ですので、出かける準備をして、両親にコーヒーを淹れて届けようと湯沸かし器をオンにしたところで、母が玄関に。お父さんが「動けないから入院したい」と言ってるとのこと。朝、なんともなかったのに・・・夫は、テント泊の山へ車で出かける直前です。隣へ行ってみると、父が「動けん、入院したい」と私にも。夫が、病院へ電話しろと言うので、電話。
相談員の方が電話に出られて、重病人でなければ、その程度で入院はできません。そうでしょうね〜。整形外科の看護婦さんが変わって、様子を聞いてくださいました。痛み止めが効いていないようなので、強くできないですか?というと、強い痛み止めは胃を荒らすので、食事ができなくなるといわれました。先生はコルセットをつけたら歩くようにして、下半身を動かすようにと言われていたとも。入院してベッドで横になれば、今度は歩けなくなりますよ、とも。確かにそうです。ここは、我慢してもらうしかありません。母は5年前に圧迫骨折で2か月ベッドを借りた経験もありますので、すぐ解ってくれて、父を説得し始めました。何とか落ち着いて我慢できそう。

夫はグループ山行で車を出すことになっていますので、2時に出発です。明日病院に行くことになってもタクシーを頼むから大丈夫よと言って、家を出ました。先生のお宅についてみると、ガレージが閉まったままで、あれ、時計を見ずに出たので少し早かったのかと、ご近所を一回り。七色のアジサイが咲いていましたので写真を。お部屋に入ると、控えの6畳と茶室の8畳の部屋の仕切りの襖を外して簾(すだれ)が掛かって涼しげです。
8畳の部屋の掃き出しの大きなガラス戸の外側には長い3枚の簾。簾を巻き上げてつるしておく大きな釣り針のような金具が珍しいので、聞いてみました。特殊な道具で今は作っていないし、簾も、今では手に入らないそうです。長さが?と尋ねると、簾の素材の太さと密な編み方が今はないのだそうです。
控えの6畳でお稽古前のお喋り。先生はガラスコップに赤紫蘇のジュースを淹れて出してくださいました。コップ敷が変わっているのでよく見るとMALAYSIAと書いてあります。錫製のようです。マレーシアに何度か娘さんを訪ねて行ったことのあるNoさんに見せてあげようと思ってと仰っていました。

床の間の掛け軸は、アジサイの花の絵に、字は「滴翠(てきすい)」。
籠に活けてあるのは、オレンジ色の岩菲仙翁(ガンピセンノウ)と緑の葉の一部が白い半夏生、そして「舞鶴草」と言われたのですが、ちょっと違うような。アリストロメリア(百合水仙)という名前の花に似てるようですが、違うかな。
棚は水差棚という名前。
真ん中の棚板に流水模様が。どちらも同じ切込みなので、どちらを正面にしても使えます。
私がお茶を点てたときは、棗は溜め塗の黒によく見ると赤い紫陽花模様が浮き上がっていました。

二人目のNaさんの時には、春慶塗の変わり茶器が使われました。
小ぶりの胴体に蓋は傘のように被せるだけ。
持ち方は蓋に手をかけないで横から胴体をつかみます。
お茶の入れ方も、棗は山型に、変わり茶器は尖らせてと言われたので、剣岳(つるぎだけ)風に。
私が使ったお茶碗ですが、
連続模様がついているとは思いましたが、
早苗という名前がついていて、苗を表しているそうです。
写真にはありませんが、ほかに、黒楽で渋い色の丸い模様があり、それが時計。時の記念日なので6月のお茶碗になります。
ほかに、鮮やかな黒白赤緑の横縞に水車模様がついている、これも田に水を引く6月のお茶碗。
水屋に出してある黒い変な形を避けて、私は蓋置には鮮やかなグリーンのオーソドックスな筒形のものを選んだのですが、先生は、その黒い変な形をお勧めでした。

それが、これ、サザエです。尖ったところをひっくり返して裏向けにして使います。角の部分を下にすると、ちゃんと平行になるように作ってあります。掌でひっくり返すときは、本を開けるようにして裏返すこと。裏返したものを表にするときは本を閉じるようにして元に戻すことと扱い方を習いました。
春慶塗の薄茶を入れる変わり茶器(濃茶の入れ物は”茶入れ”と呼ぶ)は、名前があって、「金輪寺(きんりんじ)」というそうです。
終わって、来月7月のお稽古日を決めることに。
神主さんの奥さんのNaさんは、24日がお祭りなので、終わってからが良いと。私はちょうどその日、父の百歳の集まりを予定しているので、月末が都合がよいということで、日が決まりました。来月、父は無事に誕生日とそれに続く百寿の集まりを迎えられているかしら。
バス道を渡って、整骨院さんの塀にアジサイが顔を出しています。ここのアジサイの色が一番いい色かな。
帰って両親を訪ねると、母の話では、父は、昼寝をしたら、少し落ち着いて元気が出たということです。母が随分励まして、納得させたよう。私も、コルセットを少しきつく締めて歩いた方が良いみたいよとお医者さんの話を伝えました。
戻ると、夫から心配して電話が。「今話してきたところ。持ち直したので病院は断った。担当医でなければ診てもらっても意味ないし、我慢して頑張るって。少し歩いたほうが良いよと言ってきたとこ。心配かけてごめん。忘れて遊んで来て・・・」「わかった」。一時はどうなることか…でしたが、何とか明日を迎えられそうです。