「生前退位”特例法”では世論とズレ」と「福島プロジェクト」と「年間20ミリシーベルトでは高すぎる」

生前退位について日経新聞月曜日に世論調査の結果が出ています。皇室典範の改正を望む回答が6割以上。政府は特例法で一代限りにする方針とか。世論とズレている、という記事でした。

山崎 雅弘 ‏@mas__yamazaki 24時間
24時間前

日本経済新聞社世論調査で、天皇陛下生前退位の法整備について、今後の天皇すべてに認める皇室典範の改正を望む回答が61%に(日経)…「政府が法整備の軸として検討する『一代限りの特例法』での対応は23%で、世論とのズレが浮き彫りになった


 日本経済新聞社世論調査で、天皇陛下生前退位の法整備について、今後の天皇すべてに認める皇室典範の改正を望む回答が61%に上った。政府が法整備の軸として検討する「一代限りの特例法」での対応は23%で、世論とのズレが浮き彫りになった。生前退位の実現には多くの国民の支持が不可欠で、法整備に向けた国民の理解をどう得るかが課題となる。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS30H24_Q6A031C1PE8000/ 

◎政府が集めた有識者会議のメンバーの半分が日本会議関係者です:

▼(続)「生前退位の実現には多くの国民の支持が不可欠で、法整備に向けた国民の理解をどう得るかが課題となる」一代限りの特例法では駄目なのは明白だが、誰がそれに固執しているのかという深い分析を、日本の大手メディアはなぜかやらない閣僚と有識者会議のリストを見れば、構図は明白だろう


◎10月のETV特集で安斎郁郎さんの「福島プロジェクト」の活動紹介がありました。安斎氏の講演会が箕面であった時、お話を聞いて著作にサインをしていただきました。その時のままの安斎さんでした。(http://www4.nhk.or.jp/etv21c/5/)

10月22日(日)午後11時〜午前0時
ETV特集「事態を侮らず 過度に恐れず〜“福島プロジェクト”の挑戦〜」


福島に通い、住民の依頼で放射線を測定、アドバイスを続けている科学者・エンジニア集団がある。その名も「福島プロジェクト」。彼らの活動を通して福島の現実を見つめる。


毎月福島に通って、不安を拭えない住民の依頼で放射線を測定、専門家の視点からアドバイスを続けている人たちがいる。科学者とエンジニアで結成したボランティア集団「福島プロジェクト」。リーダーは安斎育郎さん(76)、反原発の論客として知られた放射線防護学者である。「福島プロジェクト」の基本方針は「事態を侮らず、過度に怖れず、理性的に向きあう」。彼らの活動を追いながら、事故から5年半経った福島の現実を描く。

◎少し前(10月20日)の「shuueiのメモ」さんから、鎌田實さんの「年間20ミリシーベルトは高すぎる」という記事です。5月の週刊ポストに掲載されたもので、4月にベラルーシを訪ねた時のレポートです。(引用元:http://d.hatena.ne.jp/shuuei/20161020/1476907786

一般の人が「年間20ミリシーベルト」は高すぎると医師


2016年5月20日 NEWSポストセブン
http://news.biglobe.ne.jp/international/0520/sgk_160520_0364092160.html


チェルノブイリ原子力発電所事故から30年が経過した。20年以上にわたりベラルーシ放射能汚染地帯への医療支援を続けてきた鎌田實医師が、今年4月、ベラルーシを訪れたときに感じた現実を直視する覚悟について、レポートする。

* * *


1986年4月26日、チェルノブイリ原子力発電所が爆発事故を起こした。大量の放射性物質ウクライナベラルーシを汚染し、世界中に拡散した。ぼくが代表を務める日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)は、ベラルーシの高汚染地域の医療支援のため、100回以上医師団を現地に送ってきた。
ベラルーシでは、子どもを守るため、甲状腺検診と保養を行ない続けてきた。甲状腺検診は今でこそベラルーシ全体では行なわれていないが、ゴメリなどの高汚染地域では今も継続されている。
保養では、1回24日間を年2回、国内のサナトリウムやヨーロッパへ行く。費用は無料。子どもたちに、放射能を避け、安全なものを食べ、のびのびと生活してもらうのが狙いだ。当時子どもだった30、40歳代に話を聞くと、ドイツへ行った、イタリアへ行ったという体験談とともに、「保養のおかげで精神的な不安がとれた」と話す人が多かった。
驚くのは、今も保養が行なわれていることだ。年1回になったが、少なくとも今後5年間は、保養を続けていく計画だという。


日本では原発事故から5年経った今、すでに少しずつ風化が始まっているような印象がある。保養は最初の1、2年、活発に行なわれていたが、最近は子どもたちが忙しいという理由で減ってきている。「保養」という言葉を使うと、人が集まらない現状もあるようだ。
また、ホールボディカウンター(体内の放射性物質を測定する装置)で内部被ばくを測定する人も少なくなっている。心のどこかに、つらいことは見たくないという思いがあり、それが現実に蓋をしてしまっているように思う。
しかし、原発事故後を生きていくぼくたちは、もう見ないふりはできない。むしろ、現実を直視し、「見えない放射能」を見ようとする努力が必要なのだ。



ミンスク国立医科大学放射線医学部長のアレキサンドリア・ストラジョフ教授は、福島の現状も見ている。「日本の除染のほうが、ベラルーシの除染よりきめが細かい」と言う一方、20キロ圏内でも、年間20ミリシーベルト以下なら、帰還許可が出始めていることに対して、異を唱える。


年間20ミリシーベルトは異常に高い。原発労働者や医師など特別な作業に当たる人以外の一般の人が、20ミリシーベルトというのは高すぎる。5ミリシーベルト以上のところで生活すべきではない。目標は1ミリシーベルト以下だ」と、ストラジョフ教授は強調した


ベラルーシでは、年間5ミリシーベルト以上の地域は強制移住地域にしてきた1〜5ミリシーベルトの間は移住を希望すれば安全な地域に家をもらえる。それでも、移住を拒否し、住み慣れた町に残る人がいた。
その人たちは、外部被ばくのリスクが高い。その代わり、内部被ばくを可能な限り低くするため、食糧の放射線測定を徹底し、ホールボディカウンターで検査もしてきた。最後に、日本の人たちにメッセージをお願いした。
検診、放射能見える化、保養をすること。そして、できるだけのことをしたら不安をもたないことが大事だ


原発事故を起こしたら後世まで影響は続く。30年かけてここまで来たベラルーシは、これから先もやるべきことを続けていくだろう。現実を直視するその覚悟は、ぼくたち日本人も学ぶべきだと思う
チェルノブイリと福島で人生が変わる悲劇や絶望をたくさん見てきた。世界中でこれ以上、原発事故を起こさせてはいけない。


●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『「イスラム国」よ』『死を受けとめる練習』。
週刊ポスト2016年5月27日号