「まやかしの除染より”強制移住”を!」「(「そもそも総研」より)

テレビ朝日モーニングバード、昨日29日(木曜日)は玉川徹キャスターの「そもそも総研」、いつもながらですが、昨日は特に、ブログで泉田新潟県知事の記者会見をコピーしたところでしたので、大変タイミングの良い充実した内容でした。「除染が無駄」であることや、「チェルノブイリ基準」が取り上げられていて、知りたいことがかなり詳しくハッキリしました。全体を写真を入れて私なりにまとめながら書き起こしてみます。

◆先週の8月22日(木)、郡山市に住む人や、福島市から避難した人など19人の被災者が、法律が出来たのに、支援されず、1年以上も”放置”されていると国を提訴しました。その法律というのは、「原発事故 子ども・被災者支援法」といい、去年の6月21日に成立しています。
なぜ放置されているのか? 法律に書かれている「一定の基準以上の放射線量の地域」の文言に当る「一定の基準」が未定なのです。

1)支援すべきは何ミリシーベル以上の地域の住民なのか?
2)避難させる区域は今のままでよいのか?

浪江町は、8月21日現在の人口は2万1236人、全住民が避難していて、県内は1万4650人、県外は6486人です。
玉川:除染は最終的に年間1ミリシーベルト以下に町全体がなるということは可能だと考えますか?
馬場町長:今の除染の技術を考えればなかなか難しい。私どもは1ミリシーベルト以下にしてもらうよう除染を続けて戴きたい。しかし、現実的に私どもが生活するのに何ミリシーベルトが良いのか、政府の方に基準を出してくださいという話をしているんです。再三やってるんですが、全然返答が来ないです。
浪江町の帰還に関する意識は、馬場町長によると、「現在の第3回のアンケートのなかでは、戻りたいという方が30%で、高齢者の方が多く、”望郷の念”が非常に強い。戻りたいけど戻れないという方が40%。完全に戻らないという方が30%。若い方、特に県外に行っている約6000名の方ですね。この方々は殆ど子どもさん、若い方々ですので、新天地で生活していかなくてはならない。移転補償を出していただく賠償も必要なので、そういう方々には手厚い支援を国と東電にも要請していきたいと思っています。今のところ、一律月10万円です。」
馬場町長:とにかく国は戻そう戻そう、戻すような意向になれば、自分たちは原発事故は終わりだと、そう、無かったことにしようとそういうのが明らかに見えますね
今のキャリア(官僚)を見てますとね、水野ツイッターもありましたが、ああいうような状況ですよ。田舎の議会が云々で人をバカにしたようなツイートがありましたね。これは、とっても原発の事故、あの惨状が今続いている状況、それを本当に無視しているというか、軽視していると思います。あれが本音だと思いますね。

◆「除染は魔法の言葉」「福島から住民を出さないために、出来もしない除染という言葉を使った」

浪江町の北側、南相馬市で除染活動をしてきたという吉田邦博さんは、東電福島第二原発で勤務経験があり、除染団体「安心安全プロジェクト」を立ち上げ、大きな保育園4つと民間住宅10軒ほどの除染をしてきた>
吉田:線量を下げるのに難しいのは屋根。屋根と言っても種類があって、トタンの新しいものが一番付着していないが、錆(さび)の部分やコンクリートの瓦、そういうものはほとんど落ちません。
玉川:水を掛けてこすっている映像をよく見ますが、落ちないのか?
吉田:あれは気持ち的に屋根がキレイに見えるので、なくなっているように見えますが、ほとんど吸着しているので離れません。
除染しても解決するわけでなく、除染されていない地域から飛散の可能性がある
私の所も家の周りは除染しましたが、実際、風が強い時は私の家でも洗濯物を干すとかなり高濃度で汚染します。
玉川:外に干して被曝するということは、風に乗ってどこからか飛んでくると?
吉田:そうそう、飛んでくる。
<除染活動をしていく中で、吉田さんはある疑念を抱くように>
吉田:地域住民を福島県外に逃がさないための口実で、私は除染というものをスタートさせたと思っています
玉川:どいういう意味ですか?
吉田:要は経済が成り立たなくなるんですね。福島県民が皆で出ていっちゃうと出ていかないように「除染で何とかするよ」ということを見せて、「じゃぁ近くにいよう」と浪江の方が南相馬に居たり、福島に居たり、郡山市に居たりという現象が起きている。でなければ「もう帰れないよ」と最初からやってしまったら、とっくに散り散りになって(福島に)いないですよ。
要は”魔法をかけた”除染という言葉を使って、あたかも出来るようなふりをして魔法をかけて福島県民を福島から出さないというものだったのではないかと今は思ってます。
玉川:除染をやってみて、(そう思った)ということですか? 
吉田:はい、(除染は)不可能です
除染なんかに、くだらないお金を使わないで、出来もしないものをあたかも出来るようにしてお金を使わずに、そういうもの(県外への避難)にドンドン使ってほしいと私は思う
一番罪のないのは子どもですよね。私は子どもだけに影響があるとは思ってないので、大人への影響もあるが、大人はこの状況を作った責任がある。だから、止むを得ない。せめて罪のない子どもたちぐらいは県外に、安全なところに出してあげたいという気持ちがあります

◇避難指示区域以外(年間20ミリシーベルト)で生活していて問題はないのか?
せめて「チェルノブイリ基準」(年間5ミリシーベルト以下はすべて強制移住)を適用すべき

放射線専門医の北海道がんセンター西尾正道名誉院長に聞く>
玉川:今、20ミリシーベルト以下だったら住んでいいことになってますよね。
西尾:その値(20ミリシーベルト以下)もとんでもない値です。基本的には今チェルノブイリ事故の後、ウクライナ法で規定されているのは年間5ミリシーベルト以上はすべて強制移住です。実際にチェルノブイリの方では年間5ミリシーベルト以上は強制移住です。
1〜5ミリシーベルトの間、これは移住権利ゾーンにしている。
移住権利ゾーン」というのは、例えば80歳のご夫婦がそこに住んでいるとして、5ミリシーベルト以下だったらいいだろうと、住みたいと言ったら住んでもいいよと、移住するならサポートしますよ国が、そいいう権利ゾーンにしているんですよ。選択権を与えて権利ゾーンにしている。
玉川:日本政府の方が(年間)20ミリシーベルト以下で住んでいいというのは、きっと、直ちに影響がないという風なことで決めていると思うのですが…
西尾:それは全くオカシイ話で。5年間住んでいたら累積で100ミリシーベルトになりますから。明らかに発がん性がある。ICRPのデータだって発がん性は認めているわけですから、過剰発がんは。
<日本政府が拠り所にしているICRP(国際放射線防護委員会)のデータでは、「100ミリシーベルト以下の被曝による発がんリスクは他要因の影響に隠れるほど小さい」としています。
しかし、年間20ミリシーベルト以下では安全と言い切れないと西尾さんは語ります
西尾:実際に5ミリシーベルト以上の所に住み続けると、去年イギリスの論文で白血病が累積1ミリシーベルト増えるごとに12%増加するという医学論文が出ています。それに対してICRPは一切反論しません。なぜかというと反論するデータがないのです。ICRPの今の放射線防護学というのは広島・長崎(原爆)のデータを基にして作って、それ以来なにもちゃんとした調査もしないで、それだけを押し付けてくるわけです
彼らは手持ちのデータで反論するデータがないんです。ですから全くの神学論争になっている。(人体の影響が)なんともないとか、やばいとか、危ないって人との。具体的な実測値のデータで議論するという姿勢が全く欠けている。
玉川:そうすると先生は今、何をやったらいいと、どうすべきだというふうに思いますか?
西尾:僕は、少なくとも世界的に笑われないためには、チェルノブイリと同じくらいの基準はせめてとって下さいと、年間5ミリシーベルト以上はすべて強制移住ですそこを買ってですね、国有化すればいいんですよ。除染するお金があるなら、まとまったお金を移住するために使う、新しい新天地で新しい人生を始めてもらうということです。そうしたら、そこに汚染物質を全部持って行けばいい。、
玉川:フォローしますと、原発事故以前は年間1ミリシーベルト以上は(法律で)ダメだったんです。原発事故が起きて実際汚染が発生して、今どうなったかというと、20ミリシーベルト以下だったら住んでいいことになっている。そのことに対して、現役のお医者さんがオカシイだろうと、世界中で20ミリシーベルトで影響があるという論文が出てますよという話です。
復興庁の回答:

しかし国のデータでは:
10ミリシーベルトの被曝での影響
(注:2010年文科省の資料から。
*数値は確定したものではなく、
今後も追跡調査が必要)
原発作業員に対する疫学調査の結果であり、
・また内部被曝はカウントされていません。


環境省にも質問を:
質問1・年間1ミリシーベルト以下まで除染できるのか?
質問2・「長期的目標」として、年間1ミリシーベルト以下にするとしているが「長期的」とはいつぐらいまでか?


玉川:答えになっていない答えですが、この答しか出てきません。

玉川:今日の結びの言葉は:「少なくともチェルノブイリの基準並みに国は補償すべきではないか」
PS:「みんな楽しくHappyがいい♪」さんが完璧書き起こしをされていますので、コチラで:「年間5ミリシーベルト以上の地域は強制避難地域なんだ!除染なんかできないんだ!」そもそも総研8/29(動画・内容書き出し)(https://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3221.html

◆訂正:囲みの中の「チェルノブイリ基準」(5ミリシーベルト以下)の「以下」は誤り、「以上」に直して読んでください。