夏目漱石没後100年、ドラマとETV特集


◎今年は夏目漱石没後百年に当たるそうです。毎日のように世の中がひっくり返るほどの悪事が、それももう慣れっこになるほど、起こっては消えていくような日々。ブログでもそれを追っかけるのに忙しくて、ドラマの感想を忘れていました。9月24日から放送されたNHK土曜ドラマ夏目漱石の妻」。これは、期待通り尾野真千子さんが素晴らしくよくって、それに、長谷川博己さんの夏目漱石も熱演、快演でした。シン・ゴジラで長谷川さんを見た後でしたが、夏目漱石の長谷川さんは上手い役者さんという感じでした。夫婦で毎回楽しみに見たのですが、壮絶な?夫婦関係に言葉もありません。悪妻と言われていた鏡子さんの立場ではこうだったのね〜と思ったり。ドラマのホームページに演出家の方が書いておられるのがピッタリなので張り付けて、写真をコピーしてドラマのメモとしておきます。(引用元:http://www.nhk.or.jp/dodra/souseki/index.html


演出のことば
…柴田岳志


漱石の妻、鏡子さんの回想記「漱石の思い出」には、留学先のロンドンから戻った漱石が神経衰弱を患い、妻として家庭を維持するのがいかに大変だったかが生々しく描かれています。でも同じ事が漱石のペンにかかると、産後のヒステリーで精神不安定になった妻と暮らす夫の苦悩として、緻密に描出されます(「道草」)。同じ日々の事でも妻と夫の言い分は全く正反対。お互い、相手が病人で大変だったと語っている。性格も感じ方も違う赤の他人が、人生のパートナーとして共に生きていく事の深淵を垣間見た気がしました―このドラマは、こんな「夫婦」の、身近だが一筋縄ではいかぬ機微を、「吾輩は猫である」の様なユーモアを交えて、じっくりと描きます。池端脚本に支えられ、尾野真千子さん長谷川博己さんというベストキャストを得て、その試みは最高にエキサイティングなものとなりました!土曜の夜、久しぶりに夫婦揃って!?ご覧下さい。

◎土曜日のETV特集漱石が見つめた近代〜没後100年 姜尚中がゆく〜」は録画して翌日に見ました。これも、考えさせられました。漱石がロンドンに滞在した4年数か月。西洋の近代化の真ん中に身を置いて学問どころではなく、日本人として吸収、反発の思索の日々。そして、帰国してからの相次ぐ小説の発表。日本の近代化の問題点を文学を通して発信し、東アジアの文学者に大きな影響を与えたことなど、姜尚中さんが中国、韓国を訪ねながら、百数十年前の漱石の足跡をたどります。外発と内発による近代化は成し遂げられたのか・・・ 私、僕、君という考えや言葉は夏目漱石から始まったという・・・先日、「個人として」と書いたところですが、たかだか百年と少しの歴史なんだと、考えさせられました。再放送あり(金曜深夜0時)。
(番組ホームページ:http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2016-12-09/31/6040/2259555/


12月3日 午後11時〜 午前0時30分
ETV特集漱石が見つめた近代〜没後100年 姜尚中がゆく〜」


夏目漱石没後100年。政治学者の姜尚中さんは留学先のロンドンや漱石が訪れた旅順、大連、ハルビン、ソウルをめぐった。文明批評家・夏目漱石の新たな姿に迫る思索紀行。
夏目漱石没後100年。政治学者の姜尚中さんは「漱石は近代化の行く末を見抜いていた」という。留学先のイギリスで西洋近代の光と影を体験した漱石日露戦争に勝利して大陸に進出する日本の姿を旧満州中国東北部朝鮮半島への旅で見つめていた。新発見の資料をもとに姜さんがロンドンから大連、旅順、ハルビン、そして韓国を訪ねる。文明批評家・夏目漱石の姿をアジアの研究者や作家・黒川創さんとの対話から探ってゆく。

☆放送予定のお知らせ:BSプレミアム・スーパープレミアム
漱石悶々(もんもん) 夏目漱石最後の恋  京都祇園の二十九日間」
12月10日(土) 午後7時30分http://www4.nhk.or.jp/P4031/

「春の川を隔てて男女哉」夏目漱石は、ある女性の面影を胸にこう詠んだ。女は磯田多佳。京都祇園お茶屋の若きおかみで、芸、才、美貌を兼ね備えた祇園の名物おかみだった。二人が出会ったとき多佳は36歳、漱石は48歳。その翌年漱石は49年の短い生涯を終えた。のこされた日記や手紙から浮かび上がる京都の29日間。それは文豪の“最後の恋”だったのか…?せつない恋と大人の笑いが交錯する極上のエンターテインメント!

【出演】豊川悦司,宮沢りえ,林遣都,青柳翔,鈴木杏,村上新悟,犬山イヌコ,尾上紫,六平直政,白井晃,秋山菜津子


★そろそろ1年の締めくくり、土曜ドラマといえば、今年の前半のコレ!「トットてれび」、とてもよかったので、メモ代わりに写真を貼り付けです。
懐かしくも楽しいテレビ創世期。
向田邦子さん、森繁久彌さん、渥美清さん、坂本九ちゃん、出会いと別れ。
満島ひかりさんが徹子さんに見えました。
ご本人も老婆役で出演でした。
(番組ホームページ:http://www.nhk.or.jp/dodra/tottotv/html_tottotv_midokoro.html