「APAの元谷社長と田母神論文と安倍首相 」について

アパホテルといえば、田母神俊雄氏の論文問題がありました。2008年の事件?とは:

田母神「侵略否定」論文の背景 自衛隊アパグループの密接な関係
2008/11/ 4 19:47


   田母神(たもがみ)俊雄航空幕僚長(60)が懸賞論文で政府見解に反する主張を展開し、最優秀賞の受賞が発表された直後に更迭された。この懸賞論文を募集していたのは、ユニークな帽子をかぶった女社長がホテルのCMに登場することでも有名な「アパグループ」。田母神氏自身がグループ代表の出版記念パーティーに出席していたほか、「田母神氏以外にも多くの自衛隊員が応募していた」との指摘もあり、自衛隊と同社との関係に注目が集まりそうだ。
(引用元:http://www.j-cast.com/2008/11/04029747.html?p=all

◎このアパホテル元谷外志雄社長と安倍首相の関係を新たにタイトルにしておられるのが「社会科学者の随想」の19日のブログです。

社会科学者の随想
2017年01月19日
APAの元谷外志雄と日本国首相安倍晋三の関係
http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1063848515.html

◎いつものように長文の内容ですが、ここでは、田母神論文を批判している小川和久氏を中心にコピーします。再掲されている記事の本旨は【衆議院特別委員会における参考人としての意見陳述に観る軍事ジャーナリスト小川和久の心境変化】【なにが彼をそう変えさせるに至ったのか?】【元谷外志雄安倍晋三が親しい事実】です。関心のある方は是非「社会科学者の随想」さんを訪ねて全文を。コチラでは、元谷氏の考えを知るためにアバグループの懸賞論文で最優秀に選ばれた田母神氏の論文内容を主に小川和久氏が徹底批判している辺りをコピーさせていただきます。(小川氏もアパグループ代表元谷外志雄主催の「日本を語るワインの会」に呼ばれたりして、元谷氏とも個人的な関係があるとのこと。)

 2008年12月11日の旧ブログは,主題「小川和久の自衛隊論」,副題「田母神論文軍事史学的意味」「田母神俊雄航空幕僚長の無教養と国家防衛意識の倒錯」という記述をおこなっていた註記)。当時,世間を騒がせたこの元航空幕僚長田母神俊雄の話題からとりあげる。
 註記)ここに再録するに当たっては,適宜に補正・加筆もおこなっている。


 1)評論家たちによる田母神俊雄批判 ジャーナリスト・ニュースキャスターであり評論家でもある田原総一朗は,田母神俊雄がAPAグループ代表元谷外志雄が創設した懸賞論文に応募し,それも元谷の独断的な選り好みの基準によって最優秀賞を授賞された出来事をとらえて,その「行動は言論クーデターだ」と指摘していた。


 また,軍事ジャーナリスト・評論家田岡俊次は,田母神俊雄みたいな「歴史に無知な軍人(自衛官高級幹部)」が論文「日本は侵略国家であったのか」を公表したが,このためにかえって「日本国自衛隊将官」の「おバカさ加減」が外国にも広くしれわたってしまった,これは機密漏洩事件だと,呆れかえって批判していた。


 さらに,軍事アナリスト小川和久は,田母神俊雄「論文」投稿・公表に対して,航空幕僚長としての「立場をわきまえない幼児的な行動」「内容も非科学的」「単純思考のタカ派が台頭」「との警戒感を世界に与える」「国家の存亡を左右する組織トップの不祥事」「厳しく処罰されるべきだ」(『毎日新聞』2008年11月1日)とすぐさま論断し,非常にきびしい批難を放っていた
 註記)小川和久の2008年当時における肩書きは,(株)危機管理総合研究所代表取締役研究所長。当時の最近作として『日本の戦争力』アスコム,2005年12月などがある。 

 要は,小川と田岡の軍事問題専門家の指摘は共通している。田母神は,主観的には天下・国家を憂いたつもりで書いて投稿したその論文が,実はいかに粗雑・乱暴な記述内容であり,国際・外交関係にも悪影響を及ぼす可能性をはらんでいるかを自覚できていないかった。


 2)小川和久の田母神俊雄批判 さて,小川和久は『中央公論』2009年1月号に「田母神論文を生み出した自衛隊の構造的問題」という一文(3段組で4頁分,210−213頁。以下の引用では頁をいちいち断わらない)を投稿している。これを紹介する。( ↓  画面 クリックで 拡大・可)
 
 

  出所)左側画像は,https://www.youtube.com/watch?v=gOU62D5QCZo
  出所)右側表は,http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/h26chijisokuho/h26chi_kai.html
     この人,軍人としてりっぱな人物だったのかもしれないが,論文を書く実力・技術をもちあわせていなかった。前回都知事選挙に立候補したが,落選。


 イ) 「国益を損ねた」責任の大きさ 現職の空幕長が政府見解を真っ向から否定する論文を発表した事実は,立場をわきまえない行動であり,日本の国益をいちじるしく損ねた。なかでも,戦前日本の敗戦に至る過程の評価に関する言説は重大問題であり,日本の外交・安全保障に悪影響を及ぼしかねず,きびしく責任を問われねばならない。日本に単純思考のタカ派が台頭している印象を世界にばらまき,周辺諸国のみならず,日本の右傾化に神経を尖らす同盟国・アメリカの不信感と警戒心をかき立てかねない。

 ロ) 自衛隊将官知的水準が問題 また,論文のレベルの低さが国益を損ねたことも,思想の左右を問わず,国民は重く受けとめるべきである。その記述内容は,日中戦争蒋介石に引きずりこまれたとか,真珠湾奇襲を誘ったアメリカの背後には国際共産主義の陰謀があったとかとなえる主張は「引かれ者の小唄」でしかない。この程度のトップが率いる軍事組織の能力は低いとみなされるゆえ,日本の軍事的脆弱性を露呈する結果となった。その意味でも田母神は日本の国益を損ねている。

 ハ) 自国の歴史の正当性を主張するための「戦略性の欠如」 小川はこう主張する。日本政府の「無様な謝罪外交」に終止符を打ち,国際社会の信頼のうえに,日本という国家の安全と繁栄を確実にしていく戦略的な取組が必要である。過去における日本の敗北に負け惜しみをいわない。

 むしろ,それを逆手にとって「自国が当事者となったような戦争の惨禍が世界で繰りかえされないために行動する」ことが必要となる。「自国の正当性」を「社会科学的な根拠をもって誇り高く主張し,世界史に刻みつけていく」ことが大事である。ところが,田母神論文はこうした戦略性を展開するための思考回路を欠落している。

 ニ) 自衛隊員に必要な社会性 今回の田母神「論文」が意味するのは「幹部自衛官の行動様式における社会性の欠如」という1点に尽きる。問題は,社会人としての訓練がないまま自衛隊内で過ごしてきた人間が指揮官や教官となり,それを手本に社会性を欠いた自衛官が増殖していく構造である。自衛隊でしか通用しない価値観がシャバ(一般社会)でも通用すると錯覚する傾向が生まれる

 田母神のような直情径行型の幹部自衛官を戴く同僚や部下は,自分の価値観と異なる見解が示されても黙って受けいれたりお追従笑いと拍手で迎えたりする。内輪褒めと手前味噌の世界である。かくして,自分の見解は正しく,発言しなかった過去の幕僚長は馬鹿か臆病者であり,自分の主張は国民に広く受けいれられているものだという錯覚に陥る。

 ホ) 幹部教育の見直し
 防衛大学校〔その前身は保安大学校〕の1期生から10期生前後までのエリートにみられた内省的な姿勢をとりもどし,幹部自衛官の教育課程(カリキュラム)に反映させること効果的である。アメリ国防省で日本部長を務めたジェームズ・アワーは,とりわけ,当時の「陸上自衛隊のニュー・ジェネラル(防衛大学校1期生以降の将官)は驚くほどリベラルだ」と小川和久に述べた。


 小川和久はとくに,こう主張する。陸上自衛隊は「平時に国民との信頼関係を構築しておかなければ専守防衛という制約のなかで国土防衛戦を戦えないという宿命」がある。それなのに,「戦後の自衛隊反対の世論と向きあっているうちに,世慣れた体質になったといってよい」。

 「世界のどこに出しても恥ずかしくない知性的な高級幹部を育てるための教育課程(カリキュラム)を編成し,実施する」。「世界に通用する人材が輩出するほどに,日本国の歴史と伝統を誇り高く語る発言力も増し,そこから生まれる日本対する信頼と評価が,日本の安全と繁栄をたしかなものにする」。

◎このあと、アパホテルの耐震疑惑隠ぺい問題があったが、それほど騒がれることなく終息したのには何か裏があったのでは・・・2004年の安倍さん(自民党幹事長代理)の真後ろに立つのが元谷夫妻。

 b) 元谷外志雄の開き直り 
 ここで付言するなら,2005年11月以降,大きな社会問題となった耐震偽装隠蔽問題においてはAPAグループのAPAホテル(元谷外志雄の配偶者芙美子が社長)が設計させ施工したビルに,その問題のある建築物がたしかに何棟かあった。ところが,それほど尾を引くこともなく終息していた。この推移に関しては,元谷の政治的影響力の関与・発揮があった観察されている。

出所)http://pokoapokotom.blog79.fc2.com/blog-entry-29.html
なお,この画像は元谷外志雄側が公開していたものである。
安倍晋三の肩書きは自民党幹事長代理と読めるので,2004年ころ

★引用元:(http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1063848515.html
◎「社会科学者の随想」さんでは、改めて「アパ元谷・田母神・安倍首相」について記事を書いておられます。こちらのほうが解りやすいかもしれません。関心のある方はコチラも:

★2017年01月21日 「APA元谷外志雄田母神俊雄安倍晋三などに関する検討(その1)」(http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1063892172.html
★2017年01月22日 「APA元谷外志雄田母神俊雄安倍晋三などに関する検討(その2)」(http://blog.livedoor.jp/bbgmgt/archives/1063914303.html
◎「リテラ」でも『世界に知れ渡った「歴史修正主義ホテル」APAの正体(前編)』アパホテルはなぜトンデモ極右思想の宣伝装置になったのか? 「北朝鮮のよう」と言われた経営者一族のホテル私物化と恐怖支配>(http://lite-ra.com/2017/01/post-2861_4.html