東電公判と韓国とポピュリズム

(←31日の朝日新聞の朝刊)2011年3月の原発事故当時の東電最高責任者の3人の公判での発言です。
事故の原因は何だったのか・・・事故に責任があると感じ、申し訳ないと思うなら、誠心誠意当時の事情を包み隠さず話して企業としての反省を示し、これからの事故対策の材料を提供するぐらいの気持ちがなければならないと思います。でも、3人が3人とも知らぬ存ぜぬでは。これは、やはり、東電解体しなかった…と思わざるを得ません。免震重要棟の所長でがんで亡くなった吉田氏に何もかも責任を押し付けて・・・情けないですが、それが実態だったのなら、なおさらこの3人は無くてもよい存在だったということです。ちなみに吉田所長は15メートルの津波は来ないといって堤防をかさ上げするのに反対したのは拙かったと罪滅ぼしで事故対策に当たっておられた様子でした。当時、関西テレビの午後の番組で今は与党国会議員の青山繁晴氏が吉田氏の言葉を涙交じりで伝えていたのが残っているはずです。

内田樹さんがリツイート

木野龍逸 (Ryuichi KINO)
@kinoryuichi 10月31日

裁判での被告3人の証言をそのまま信用するなら、東電に、会長、副社長、フェローは「不要」ということだって、何も知らないんですよ。津波が重大事項なのは保安院にも指摘されてるのに。
東京新聞:大津波試算「知りません」 勝俣元会長、無罪主張 東電公判被告人質問http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018103102000115.html


・要するに被告人3人はいずれも、自分たちは一切、津波のことを聞いてない。担当していたのは現場、責任者は吉田(故人)。だから知らんと。



武黒氏は、これまで東電は何が起きても大丈夫と地域住民らに説明してきたが、結果的にウソを言っていたことになるのではないかと聞かれ、「起きたことは残念。申し訳ないと思っているが、一生懸命に考えて手を尽くしたもので、だましたとは思っていない」と回答。だからこれまで、謝罪がない


・裁判の結果がどうなるかはわからないけど、昨日の「工場萌え」(↓)でもわかるように、東電という会社は原発事故について何も反省してないし、何も悪いとは思ってないけど、「仕方なかった」とは思ってるこれじゃあ次の事故は防げないだけでなく、事故収束作業に正面から向き合うのも無理。

山崎 雅弘
@mas__yamazaki

東電「工場萌え」投稿、世耕経産相「いい教訓になった」(朝日)https://www.asahi.com/articles/ASLBZ3J1ZLBZULFA00C.html「時にはお堅い電力会社がユーモアを見せるのも悪くはない」


佐川宣寿氏をかばう麻生財務相東京電力をかばう世耕経産相安倍政権は全てが身内優先、国民無視で回っている身内の保身と利益しか眼中にない。


東電「工場萌え」投稿、世耕経産相「いい教訓になった
2018年10月30日12時21分

東京電力ツイッター公式アカウントに、福島第一原発の建屋内部の画像を「#工場萌(も)え」というハッシュタグ付きで投稿した問題で、世耕弘成経済産業相は30日の閣議後会見で「ユーモアを見せるのは悪くないが、非常にスキルが要求される。いい教訓になったのではないか」と述べた。


木野龍逸 (Ryuichi KINO)
@kinoryuichi 10月31日
結局、東電を救済したのが諸悪の根源だったと、個人的には思ってる事故直後に無担保で1兆円の融資してるとか、電力債の額が膨大とかいわれるけど、東電を救済したことで数兆円が税金から出ていくことになっている。どうして東電の債権者が負担を逃れ、税金で補填するのかがわからない


・東電が事故の責任を感じてるなら、まだわかるでも自分たちに責任はないって言い続けて被害者を見下すように賠償を打ち切るのは、どうにも理解できない今からでも遅くないから、東電を解散すべきだと思う。そうしないと、いつまでも原発事故の原因がわからない。これでは被害者救済ができない

こちらの写真は、無料お試しサービスの日経31日の記事です。
日中の方は歴史認識問題棚上げ実利優先で会談までこぎつけましたが、今度は韓国とややこしいことになりそう。でも、日本は、アジアの一等国意識がまだ抜けきらないですね。小川さんという方のツィッターに批判が相次いでいますが、隣国の経済成長や民主化の進み具合に日本が取り残されている部分もたくさん出てきています。人差し指をかざして相手を指弾すれば、親指を除いて残りの指は自分を指しているという言葉を思い出します。

内田樹さんがリツイート

小川一
@pinpinkiri
民主化してまだ日が浅い韓国社会の脆弱さのひとつは、司法がポピュリズムに流されやすいことです韓国では、大統領が代わるたびに前の大統領が刑事訴追されたり自殺したりを繰り返しています。これでは成熟した社会とは言えません。 https://mainichi.jp/articles/20181031/ddm/001/030/173000c

◆志希
@shiki_000000 10月30日
よそ様を批判(↑)する前に、ジャーナリストとして、なぜわが国は「民主化して日が浅く」「成熟した社会とは言えない」かの国よりも「報道の自由度ランキング」において劣るのか、自問された方がよろしいかと思います。


◆中野晃一 Koichi Nakano
@knakano1970 10月31日
いまだに民主化しきれていない日本社会の脆弱さのひとつは、司法が一貫して国家無謬論をとる行政の言いなりで、人権を軽視しつづけることです日本では、統治者は一切責任を取りませんこれでは成熟した社会とは言えません

内田樹さんがリツイート

ナウちゃん(弱い自分を恥じないこと、弱い誰かを笑わないこと)
‏@nauchan0626 10月31日

韓国のことを「近代国家ではない」などと揶揄するネトウヨがまだいるようですが、そういう人は、英国のエコノミストの「民主主義指数ランキング」で韓国が日本より高いランクに位置していることを知らないのでしょうか。少なくとも、韓国を日本の格下扱いする人は、日本のネトウヨ以外はいないのです。


◎韓国も日本も、大衆の感情に迎合してはいけませんね。リーダーは大衆の感情を汲み取らなければならないでしょうが、飲み込まれてしまっては道を誤ります。日本は日露戦争後のイケイケどんどんが大失敗を招いてしまいました。トランプ大統領は大衆の憎悪の感情を煽りにあおって、今、その結果に直面しています。
ポピュリズム』という言葉、日本語に直すと「大衆迎合主義」とか「衆愚政治」とかに当たりますが、最近はそのままカタカナで使われることが多く、意味が新しくなったのかなと思っていました「文藝春秋」11月号に塩野七生(作家・イタリア在住)さんが「民主政が『取り扱い注意』と思う理由」というエッセイを書いておられます。これは、塩野氏の「日本人へ」という連載コラムに書かれたもので、反発を感じたりしながら時々読んでいるのですが、今回はポピュリズムについて書いておられる個所が納得がいきました。

〇内容は、人間界は諸行無常、盛者必衰も「理(ことわり」なり。個人もそうなら国家もそう。「訪れること必至の没落までの歳月を先に延ばす、それも可能な限り先に延ばすには何をすればよいかとなる。対応を誤ると社会全体がぎくしゃくする」というところから・・・

 個人規模だと、自信を失い、不安になるから他者に対して不寛容になり、自分と違う考えには過度に神経質になり、常にイライラしているので、それによる怒りを誰かれなくぶつけるようになり、怒る権利は自分の方にあると思うようになる.他者への責任転嫁、そして次に来るのは政治不信。
 ここで政治指導者たちが踏みとどまってくれればよいのだが、不安に駆られる国民に押されて彼らも不安になってしまう。そうなると、ポピュリズムへの道に立ちふさがる人はいなくなる。



 この頃では大衆迎合政治という意味でポピュリズムと言うらしいが、昔の日本人が翻訳した「衆愚政」の方が的を射ているのではないか。愚かになったののは大衆だけでなく、指導者たちまでが愚かになったのだから。それに、大衆の考えが正しければ迎合しても一向に不都合ではないが、怒りと不安に駆られ、それを他者に責任転嫁する一方になってしまっては、正しいはずはないのである。ポピュリズムと言う、だれに責任があるかはっきりしない名称よりも、衆愚政としたほうが適切と思う。政治家も有識者もマス・ディアも行政担当者も含めたわれわれ全員が、「愚か」になってしまったという意味で

(この後、後半部分では、イタリアの政治が今やこうなってしまっていると嘆いているのですが、ここではポピュリズム部分のみ引用)