小沢一郎氏と「原発」について

昨日のブログ、”小沢さんしかないか〜”と書いてから、そうそう、原発に関する小沢一郎氏の考えを確かめておこうと思って「日々坦々」さんから資料を探してみました。遡って3つ、原発に関する部分のみをコピーしてみます。

2/12  BS11の[INside OUT]鈴木哲生氏のインタビューhttp://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1395.html
原発対応に関して


鈴木哲夫氏(以下鈴木):
今の政権、たとえば経産大臣は枝野さんだし、事故対応ということで細野さんもやっているんだけど、どうも、取材をしていると、彼らが言っていることは、たとえば、5年先10年先、たとえば、東京電力の料金の見直しにしても、有識者会議なんてやってるけれど、あれ、結論出して法制化して5年10年かかるわけですよね。
原発って実は今やらなきゃならない問題なのに、どうも、目先そっちに目そらされている感じがして、どうもその裏には原発推進しようという、これは経産省かどうかわかりませんがね、そういうところがどうも、そう演じている感じがして、今やらなければ、そこにどんな手がついているのかというところ、ここがウィークポイントのような、生意気ですがそんな気がします。


小沢一郎元代表(以下小沢):
役所も含めて原子力のマフィアと呼ばれるような、今までのずっと関係してきた人たちが、やはり今までの自分達の否定につながるようなことはできないから、その気持ちは分かるんですけれど、ただ、しかしそんなことにかまけていたんでは、放射能を封じ込めることはできない。
だから放射能を封じ込めることがまず第一。
それから現実に今避難して、あちこちへ分散している人がいっぱいいるわけですね。
もちろん、放射能汚染でもって被害を受けている、現にいろんな人もいますけど、近所の人は避難しているわけですね。
その人達もなんとなくまた戻れるのかな、という気持ちを持っているし、政府も地元の首長さんなんかも、それは立場もあるだろうけども、戻れるみたいな話をするし、そうすると、新しい人生をちゃんと作り上げていこうという気持ちが沸かないんですよね
帰れるのかなと・・・。

鈴木:
ふわふわした感じですよね。

小沢:
うん、ものすごい宙ぶらりんの状態で置かれている。
だからこれはね、生活そのものも大変だし、精神的にも非常な苦痛だと思うんです。僕はやはり、そこは政治主導の話とも関連するんですけれど、政治が責任をもって、ここはずぅっと住めるという、あるいは、この地域は危険である、この地域はこうだこうだという、だから新しい人生を作ってくださいと、その分、国がちゃんと支援します、という類のことをね、こう、物差しで線を引くということはできないでしょうけれども、ある一定の、○○(聞き取れず)、国がやっぱりね、やってやんなきゃならない

それから、その人たちも含めて、農業などいろんなものに影響が出てますね。
これはやっぱり、生活を当面、全部補償すると言い出したら、何十兆何百兆かかるかわかりませんから、それは直ぐには出来ない。だけど、今の生活を支えてやんなきゃダメですよね。だから、一般的に生活保護の人が200万人増えたとかなんとかという話もありますが、やっぱり生活を補償してやる保護してやるという観点で、当面やっぱり生活費を国が出してやるということにしないと、ドンドン、ドンドン不安が広がっていつまで経ってもこの不安が残っちゃう、そう思いましてね、ちょっと僕は今のやり方については疑問ですね

原発マフィア」という言葉を使って原発利権に群がる一団をはっきり名指ししています。
放射能封じ込め」や「被災者の生活第一」という考えも。今の政府の対応とは違いますね。

1/4 週刊ポストhttp://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1342.html


今の政治的には原発という大問題があります。


日本の再建だ、東北の再建だといっていますけれども、放射能封じ込めに成功しないと日本経済の再建も日本の将来もない福島第一原発の事故はマスコミでは喉元過ぎればで、何だか風化したみたいになっていますけれども、日本人的な現象で非常に危険だと思います。


この放射能については、何としても完全に封じ込めないといけない。そのためには、どれだけお金を使ってもやむを得ないし、封じ込めの体制の先頭に立つのは国だ、ということを僕は言い続けてきたんです。事故の現状は、東京電力が第一義的に責任者だからといって、東電にやらせていいという状況を超えている。国が自ら先頭に立って、主体的にやらなくちゃいけない。


原発による被災者の皆さんの生活の問題と同時に、放射能をいかにして封じ込めるか。水をかけて「冷温停止状態を達成した」なんていったって、永久に水をかけ続けるのか? 今になって、核燃料が圧力容器からメルトスルーして、もうすぐ格納容器の底のコンクリートを抜けるかもしれないなんて、呑気なことをいっているわけですね。
震災の2、3日後には、熱工学の学者をはじめ客観的に事実を見ている人たちは、必ず炉心は壊れているといっていた。燃料も必ずメルトダウンしているとわかっていたわけですよ。それにもかかわらず、政府は2か月後にようやくメルトダウンを発表して、そして最近になって落ちたウラン燃料がコンクリートを侵食して、底を突き破るまであと30何センチだなんていっているわけです。あれ、突き抜けて土の中に入っちゃったら、汚染の拡大を止められなくなりますからね。
それをまず徹底的に封じ込めないといけない。それは国家、政府が先頭に立ってやるべきことです

12月末までにケリをつけたい政権側が「冷温停止」と盛んに言っていたころの小沢氏の意見ですね。
冷温停止」して、「収束」宣言を出して、「再稼働」が政府のシナリオでした。そのシナリオ通りの進行を進めようとしていますが・・・
小沢氏はそれに反して、まず「放射能の封じ込めを国が先頭に立ってやるべき」です。

11/20  サンデー毎日http://etc8.blog83.fc2.com/blog-entry-1280.html

鳥越
ところで、今回の震災については?

小沢 
原発事故は深刻ですね。1970年代、僕が科学技術政務次官だった頃に原発が始まりましたが、過渡的なエネルギーとしては仕方がないと最初から主張していた。新エネルギーを見いださないといけないという思いは、ずっと持っていました。今も原子力の結論は出ていないんですよ。高レベル廃棄物の処理はどこの国もできていない。一局レベルは、どこも受け入れないでしょ?

鳥越 
将来的には原発をなくしていく方向でしょうか。

小沢 
最終処理が見いだせない限り(原発は)ダメ。新エネルギーを見いだしていくほうがいい。ドイツには石炭などの資源がありますが、日本はない。ですからドイツのように10年で原発を止めるわけにはいかないかもしれないが、新エネルギー開発に日本人の知恵とカネをつぎ込めば十分可能性はあります。思えば、過渡的エネルギーだと分かっていながら原発に頼りすぎました。「もう少し強く主張しておけば良かった」という反省はあります。
鳥越 
日本人のモノ作りの伝統からいうと、新エネルギーをつくり出すことについて僕は悲観的ではありません。太陽光発電風力発電、水素エネルギーなどいろいろあります。それにしても(福島第1原発を)廃炉にするだけでも、時間もカネもかかりますね。

小沢 
残り滓(かす)をどうするかが一番の問題です。使用済み核燃料棒をどうやって取り出すのか、取り出したものをどこに置くのか。できないことを言っても仕方がない。何十兆円かかろうが、何とか封じ込める策を講じないと日本の将来はありません。「冷温停止」と言いますが、爆発しないようにするだけで汚染はどんどん進むし、未来永劫、水をかけっ放しになっちやいます。これを解決しないと日本はダメでしょうね。

鳥越 
東京電力だけでなく、国、政治の責任でもある。

小沢 
東電を矢面に立て、国が後ろから支援する今のシステムはダメだど思います。国が前面に立ち、その下に東電や原子炉メーカーなどを付け、全力でやるようにしないと。原発の封じ込めは東電だけではできません。

東京電力だけでなく、国、政治の責任でもある。

鳥越 
今、どうしても言いたいことは何でしょう。

小沢 
やはり原発問題。これを抱えていたのでは日本の未来はない。どんなにカネがかかっても衆知を集めて封じ込めないといけない。これが第一。それから役所中心の日本の仕組みを改める。そのためには、みんなが民主主義を正確に理解しないとね。個人の自立と民主主義。これがないと、いくらテクニカルな話をしてもダメ。日本に民主主義が定着するかどうか、今が胸突き八丁、境目だ。

11月のサンデー毎日、1月の週刊ポスト、2月のBS11のインタビューと一貫しているのは、放射能封じ込めと被災者救済、そして、脱原発です。これらの考えは、今の野田政権、特に原発再稼働には<選挙に落ちてでも>と先頭に立っている仙谷由人氏とは、真っ向から対立します。
小沢氏を排除しようとする人たち、政治の世界から小沢氏に消えてほしいと思っている人たちは、この小沢氏の原発に関する考え方が実現されては困る人たち、すなわち、「原発マフィア」や、「放射能封じ込め」や「被災者第一」よりも<「電力会社が本格的な事業計画を作れないと債権・株式に響くから」という経済界第一で「誰かがやらないといけない。俺たちは選挙に落ちてでも再稼動しないとな」と漏らしている>仙谷氏をはじめとする民主党の現政権グループなんだという見方もできますね。
注・仙谷氏に関する<>内は日経「迫真」コラムの第一回シリーズ「国有東電の軌跡3」(5/16)より