9月10日の日経社会面の記事を写真にとりました。前日9日は新聞は休刊でしたので、オリンピック関係の記事はこの日、盛りだくさんでした。
この記事で私が注目したのは見出しの「全員不起訴に」の横の文字。「東電の当時幹部や管元首相」となっています。そして管元首相の話が「当然の結果」という小見出し付きで掲載されました。
その横が「名ばかりの捜査」として告訴団の写真入りの記事です。
何が問題かというと、これは福島原発告訴団のサイトを訪れて解ったのですが、告訴団は管元首相ら政治家の告訴はしていないのだそうです。それなのになぜ名前が出てくるのでしょうか?
もう一つの大きな問題は見出しの横文字に「東京地検」となっています。これも、本来この訴えを起こしたのは福島地検だったのに、月曜日、急に何の説明もなく東京に移され即不起訴処分が出されました。オリンピック騒ぎのドサクサに。
■経過報告■
•12時過ぎ、福島地検が事件を東京地検に移送。
•13時過ぎ、東京地検が「不起訴処分」決定。
•17時、福島県庁にて記者会見。
本日、驚くべきことが起きました。「福島で起きた原発事故に対する責任を明らかにせよ」と福島地検に告訴したにも関わらず、福島地検は責任を回避し、東京地検に移送いたしました。しかも、東京地検は移送を受けて、間髪をいれずに全員の不起訴を決定。
このことは、事故で被害を受けた福島県民としては、到底、受け入れられることではありません。
私たちは、不起訴処分の判断が下された場合、即刻、検察審査会に申し立てを行う予定でおりましたが、事件が突如として東京に移送されたため、福島県の検察審査会で審査されなくなってしまいました。その結果、被害当事者が住んでいる福島県ではなく、東京都で都民が審査するというのです。この出し抜けの行動は、事故被害者を愚弄する仕打ち、そのものであると思います。
今後、抗議と対策を検討し、申し立てを行います。
また、この不起訴に関する報道ですが、「東電旧経営陣・菅元首相ら、全員不起訴」といったように必ずといっていいほど「東電と菅元首相」がセットで伝えられています。しかし、福島原発告訴団が告訴したのは、東電経営陣と御用学者らであって菅元首相ら政治家ではありません。誤解のなきよう、名簿でご確認ください。
■武藤類子団長 談話■
検察による「全員不起訴」の判断に対して大きな驚きと憤りを感じています。
私たち福島原発告訴団が告訴・告発した33名+1法人全員が不起訴とは信じ難いことです。
私たちが何度も何度も要請した「強制捜査」はとうとう行われませんでした。
果たして検察は捜査を尽くしたといえるのでしょうか。
検察には、被害を受けたものたちの悲痛な叫びが届かなかったのでしょうか?
たくさんの命、家、生業を奪い、地域や家族を引き裂くという、言葉には尽くし難い甚大な被害を招いた電発事故の責任が、誰も問われないのですか? 日本は法治国家と言えるのでしょうか?
汚染水や甲状腺検査結果など被害は更に拡大しているのです。
この事故の原因を明確にし、責任を問うことは、被害者が正当に救済され、新たな日本社会と新たなエネルギー政策の構築のために、何としても欠かせないことなのです。
検察は被害者の声を無視し、その責務を放棄したのだと思います。
検察の判断に強く抗議するとともに、私たちは「検察審査会」への申し立てをします。
弁護団から抗議声明!
不起訴ありきの「名ばかり捜査・被告訴人への思いやり捜査・なれ合い捜査」に強く抗議するものです。
何の津波対策もとらなかった東電幹部不起訴はあり得ない(https://docs.google.com/file/d/0BzG0nuqlnIlJeUVrQkpJY1l1N1k/edit)←クリックください。
●詳しくはコチラ「福島原発告訴団」で :http://kokuso-fukusimagenpatu.blogspot.jp/