箕面のもみじ4(”愛されるワケ”と地獄谷から一の橋へ)


滝まで行ってモミジを見てきた翌日の月曜日、カンテレの報道ランナーという番組で5時から箕面の滝が取り上げられました。タイトルが「箕面の滝 世界から愛されるワケは?」というのです。モーリーロバートソンというタレントさんのコーナーでモーリーさんが箕面を訪ねていました。ガイド役がお二人、一人は箕面在住19年というタイの方、もう一人は5年というイランの方です。外国人がたくさん訪れる理由を探るという内容。今年の流行語大賞が決まった日でもあり、また、沖縄の辺野古で政府が何が何でも14日に埋め立ての土砂を投入すると発表した日でもありました。

モーリーロバートソンさんは55歳、アメリカ人の父親と新聞記者の日本人の間に生まれたハーフで、広島育ち。日本の教育を受け東大合格。燃え尽き症候群の学生たちを見てハーバード大学に転校して卒業。卒論は音楽関係とか。テレビでよく見るようになったのはカンテレのこの番組でコメンテーターを務めているから? さすが、と思った内容でした。

箕面の魅力は手軽さにあると見抜いています。まず大阪の都心・梅田から阪急電車で30分、駅から滝道入り口は直結。一の橋までは舗装されたダラダラ坂で土産物屋が並び、店先では塩漬けのモミジの葉に独特の固いカリントウのような衣をつけて油で紅葉のてんぷらを揚げています。一の橋を越えると景色は一変、片側には谷川が流れ、地道のもう一方の片側は山。昆虫館があり、龍安寺までで満足する人も。でもここから上が本当の箕面。登坂の片側の谷は深く、もう一方の山側は崖になっているところも。大都会から30分、歩いて数十分のところで、深山幽谷を味わえるお手軽さ!です。

去年、今年と度重なる台風の被害にあった竜安寺の意気消沈の住職さんもインタビューに応じて。隣は山伏講の代表の花畑氏です。
ロバートソンさんの言葉を紹介しますと、丁度いい贅沢感、丁度いい自然。テーマパークのようにその人にとっての魅力が手軽に探せる。例えば途中にある音羽山荘は大正ロマンあふれる建物の中で、そこそこのお値段でそこそこのお味の日本料理が楽しめるし足湯も。昆虫館はまるで東南アジアの国に帰ったかのような蝶の舞う癒し空間。外国人には滝はパワースポット。イギリス人の年配男性二人連れの旅行者は、「こういうのを見ると頭が再構築?される」とか。

イグアスの滝とか人を寄せ付けない自然や絶景とは違って、箕面の滝と滝道は敷居が低くてお手軽。登山靴や登山の服装でなくても歩けるし。外国人旅行者は、都会のフランチャイズだらけのお店を見ているので、キラキラ、LEDではない自然光で、たまにサルらしき影がピャッと出て……」。で、その通りでした。滝近くになった所で、みんなが上を見上げているので見てみると、細いモミジの木の先端にサルがいました。辺りの葉っぱをちぎっては落としています。サル、サル!とみんなが言ってるので、私もサルと言ったら、隣は外国人だったので、モンキーと言い直しましたが・・・。
ロバートソンさんの結論は「世界の観光トレンドは『私だけのローカル旅』」。箕面はそれにふさわしく、大きなガイド本にはない名所として口コミで海外旅行者に伝わっているということでした。まさに箕面は、身近で手軽で気軽に行ける”ちょうどいい”都会のオアシスといったところです。

大杉のところから橋を渡ると右手にあった川筋が左手に替わります。橋を渡らないで山側の細い道を川沿いに行くと、川を右手に見ながらアップダウンのきつい山道があります。、こちらは人が少なく、往路の滝道とは景色も違うので、夫の勧めもあってコチラの道を行くことに。お昼ご飯も食べずに時刻は2時ごろです。
下りは太陽に向かって進むことになるので、モミジの葉の透過光か、逆光になります。

しばらく歩くと開けた岩場に。ここが地獄谷。

ここから滝道へ合流する道もありますが、昆虫館の矢印のある方へ。
姫岩の間を通って最後の山道を進むことに。


傾斜が緩やかになって、いよいよ合流地点の橋へ。
対岸に珈琲館の建物が見えてきました。この橋を渡ると
川を左手に、竜安寺の赤い橋の下を通って、川床を見て、昆虫館の前を通って・・・
 
 
川が淵になった水面に紅葉が映っています。

帰りは、川の湾曲部は通らないで、近道の橋を渡り躑躅(つつじ)原の横を通って又橋を渡ると
いつも紅葉が美しい梅屋敷。そこを下ると中庭に人力車が置いてある音羽山荘が見えます。
 

出発点の一の橋、橋本亭はもうすぐです。


2日の日曜日、西江寺さんで十分と思いながら
家を出て、モミジの美しさと倒木のすごさに
ついつい、滝までの道を歩いてしまいました。
ここまで来たらと欲が出て一目千本まで。
思いがけず 5,6年ぶりに箕面の滝とモミジを堪能
また、昔からある寿司屋さんで、きつねうどんを食べました。

12月に入って師走とは思えない暖かさが続きましたが、
今年のモミジもそろそろおしまいです。