12月のお茶のお稽古

辺野古埋め立て反対の署名(ホワイトハウス)、まだの方は昨日のブログから署名サイトに入れますのでよろしくお願いします。詳しくは昨日のブログを訪ねて読んでみてください。
◇「辺野古埋め立てストップの署名をお願いします。」http://d.hatena.ne.jp/cangael/20181216/1544922771

◎前回からまだ半月ほどしか経っていませんが、いよいよ今年最後のお茶のお稽古日が、先週の金曜日でした。寒い日でしたが、炉の炭がよく燃えていてほんのり暖かなお部屋でした。お二人を待っている間に横長の人形ケースにずらりと並べてあるのが、犬ばかりなのに気が付きました。そう、そう、今年は戌年だった。来年は猪だから、あと二週間ほどね。土鈴や犬筥(いぬばこ)や、右端には茶色い土佐犬も。

三人そろうと、先生がお善哉を用意してくださいました。

先ずいただき方から。お二人は椅子で、私が畳に正座して受け取り方から教えていただきました。正方形の利休好みの塗りのお盆に、お善哉の蓋つきお椀とお煎茶と蕪の小皿に蕪のお漬物。そして、箸置きに湿らせたお箸がそえてありました。

箸置きは五客組で桂離宮のふすまの引手の飾り金具と釘隠しを陶器で模したもの。本当は箸置きを使わないと仰っていました。私は引手の水仙でした。お煎茶も、本当はお薄茶をいただく前なので鉄瓶の湯をふるまうのだそうです。
アツアツのお善哉をいただきながら、今年最後のお喋りタイム。主にNoさんの老人会のお話と市の教育とか社会人教育について、聞き役でした。この時、ず〜と正座だったのが後で大変なことに。

さて、この日は、Naさんが最初にお茶を点てることに。お花は、椿のつぼみと小さな黄色いつぼみの蝋梅の小枝。お軸は「無事是貴人」。『何事もなく』一年を過ごすことは素晴らしいことという意味。

Noさんが最初に声を上げたのですが、お棚がいつもと違います。
三人で「初めて〜」と声がそろってしまいました。
いつものよりスリムで段が多く見えます。
先生が「三重棚。四重棚とは違うよ」と言われました。

年末の12月だけに使うお道具。月日を重ねて…という意味です。

二重棚の時は、お点前の後、棚の一番上に柄杓と蓋置を飾りますが、三重棚の場合は下の段に。一番上は、何も置かない。「置くとすれば、小さな徳利のような花活けに一輪挿しぐらい」と先生が言われて、思い出しました。初めてではないかも。一度聞いたことがあるようでした。その時は床の間のお花は生けないそうです。
棚に飾ってある棗(なつめ)はエンジュの木でできていて、木目が見える透明な漆が掛けてあります。
後で先生がそれだけでは寂しいので線描きで唐花を描いてもらったそうです。
最初に私がNaさんの点てたお薄茶をいただきました。
お茶碗は、艶のあるチョコレート色に黒が入っています。小豆島にある唯一の焼き物、寒霞渓焼きというそうです。
まん丸で明るい朱色の塗りの蓋物に主菓子の栗羊羹が入っていました。形がかわいいので、つい「かわいいね〜」と言ったら、先生が、「それは琉球漆塗り。色が大分落ち着いてきた」と。以前は、もっと派手な色だったそう。


今日は、お道具拝見のお稽古も。
棚に柄杓と蓋置を飾った後、
棗と茶杓を拝見させていただく作法です。
正面が相手の方に向くよう回転させてお出しします。
竹製の茶杓は節のあるのがお薄茶に使うもの。以前、節のないものを選んで注意されました。
節なしは、濃茶用とか。
木製の茶杓は節がありませんので、どちらにでも使えます。

次は私の番です。水屋で選んだお茶碗、厚ぼったい志野のようですが、萩ですと言われて、思い出しました。そうそう、この荒々しさは『鬼萩だ…』。萩焼の上品なグレイがかかったベージュに白が掛かったつるんとした肌合いとは全く似つかわしくない荒々しくゴツゴツした鬼萩と呼ばれる萩焼がありました。そうだ、これがその鬼萩のお茶碗。

もう一つは、先代の箕面焼きのお茶碗を選びました。そして、今日は、白い象牙茶杓を使うように言われました。象牙の場合も、お濃茶、お薄茶、どちらも使えるとか。

蓋置は、ランタンみたいな夜学の蓋置。
お善哉の時に座っていたのが余分でした。お点前の途中で足が攣ってきました。こういう時はどうするの? もぞもぞ足をさすったり腰を左右にしたりしていたので、先生が気付いてくださって、「攣ってるの?」「はい・・・」で、お道具拝見は省略ということに。助かりました。
炉の菊炭を片付けながら、「いよいよ池田でも炭焼きをする人がいなくなって手に入らなくなりそう。東北の方から買わないといけないそうよ」と困っておられました。バーベキュー用の炭とは全く違う炭焼き職人が焼いた炭ですので、貴重品。そのうち職人さんがいなくなるという…伝統文化の継承というのはこういうところでも難しいことがありますね。火箸で炭を陶器の消し壺に片づけておられると、炭がパチッと弾いて火花が飛びました。


正座ができないNoさんは立礼式。独特の黒塗りの扇形テーブルの左端には電熱器が埋められていて、炉にかかっていた鉄釜を据えます。
お干菓子は黒いお盆の上に乗っていて、松風というお菓子。熱いお茶がおいしいです。
Noさんが二人にお茶を点て終わったところで、先生が白湯を所望されました。鉄瓶の白湯は美味しいそうです。鉄分が含まれているので体にもいいし。
新しいことも教わったので時間は5時近く。来年の1月のお稽古日を決めて、いよいよ最後でした。

私たちは、お稽古が月一度なので、年数を4で割ります。週4回練習している人もいるんだから年数で言ってはダメと先生に言われています。やっと2年ちょっと経ったかなというところです。Noさんが8年前に誘ってくださったおかげで毎月おいしい薄茶を頂けます。
3月は母が骨折して緊急入院した日がお稽古日でした。母がそういえば「お稽古の日なのに悪いね〜休ませたね〜」と気にしてくれていました。父の場合は、8月のお稽古が終わった2日後の日曜に入院、二週間後の日曜日に亡くなりました。『無事』とは程遠い平成30年、2018年でしたが、お茶のお稽古は一度休んだだけで続けることができました。先生とお二人に、よいお年を……でお別れしてきました。