三月のお茶のお稽古と「大阪府、民生児童委員のインターン導入」

先月のお稽古は月末でしたので、三月のお稽古日が、半月ほどでやってきました。前日までの寒さからやっと一息、特に、午後からは暖かくなってきました。この日は午前がヨーガ、たまに重なる日があります。

少し早めに着いて、ガレージのシャッターが閉まっていたので、少し辺りを散歩して戻ると、車が一台、待っていると、もう一台。三人そろって玄関を開けて入ることに。
先生が、瓢箪の絵柄の朱塗りのお盆に可愛いロシア製の塗りのお茶碗(木製)にいれた甘酒を出してくださいました。いつも通り、Noさんの老人会や高齢者の話題や、今年、市会議員の選挙と市長選を控えて、議会の様子や名物?議員さんの迷惑話や選挙の話も。そして、私が一番に水屋に入ることに。
三月は、雛の月。掛け軸は、お雛様の絵、ですが、先生のお話では、ご主人のお父さんが、偽物?好きで、こういうたぐいのものがたくさんあるんだとか。花瓶もそうで、この掛け軸も、本物ではなくて・・・と仰るので、「コピーですか〜? ほんとだ、玉堂って書いてある。河合玉堂のコピーですか?」と私。「そう、複製。私は、名のある作家のコピーよりは、名が無くても本物を買う」と仰るので、「でも、こうやって、私たちのお稽古で使えるから良いじゃないですか」と私。「そうだけど・・・だから、お茶席には絶対出せない」と。そういうものらしいです。トップの写真の一刀彫のお雛様は、古いもので本物だとか。
花瓶に生けてあるのは、蕾の椿と青文字の枝。”黒文字(クスノキ科)”はお菓子の取り箸や楊枝に使いますが、”青文字”も同じ用途に使われるとか。青文字製のお箸は、黒文字の黒い皮の部分が本当に青くて美しいそうです。活けてある枝を見ると、芽が綻びて赤ちゃんのような葉っぱが出かかっていました。
さて、私が最初に水屋に入ることに。茶巾を絞って、畳んで、選んだお茶碗(白い鬼萩)の底に置いて、茶筅を結び目を上に置き、茶杓は節のあるのを選んで先のカーブを下に向けてお茶碗に差し掛けます。建水にも選んだ蓋置(お雛様の絵)を入れて、柄杓を下向けに掛けて置きます。茶巾を絞って、注ぎたす水を入れた薬缶(水次)の蓋の上に置いて準備しました。用意されている主菓子の入った喰籠(じきろう)に、水につけてあった黒文字の取箸の水を拭って喰籠の上に置いて、先にお出しします。
棚の名前は、「碌々斉好写(ろくろくさいごのみ・うつし)青漆爪紅(あおうるし・つまくれ)糸巻き棚」(真ん中の棚が昔の糸巻き型にくりぬいてあります)

棗は棚に飾ってあるので、仕組み茶碗を持って出て、入り口で正座してご挨拶。
畳半畳を三歩で歩いて、糸巻き棚の前に座って、お茶碗を左に仮置き。
棗を棚から取り出して棚の前に置いて、その横に仕組み茶碗を置きます。
一度戻って、仕組んだ建水と替え茶碗を持って出て、襖を閉めて、炉の内隅を正面にして座って建水を左手に置きます。
いよいよ、袱紗を捌いて、棗や茶杓を清め、お点前に入ります。
鉄釜のお湯がしゅんしゅん湧いて暖かい春のお茶の稽古が、ここまで、先生や生徒仲間からの諸注意を受けながら、始まりました。
棗の蓋の上にも立雛の絵。水差しは赤絵の華やかなもの。



Naさんは、”三つ人形”という蓋置を選びました。
同じ三つ組の猿の蓋置がありました。
見ざる言わざる聞かざるの三猿でしたが、
三つ人形という形が元なんだそうです。
お雛様つながりで人形という事で…と先生の説明でした。
三つの内、一人だけがエプロンをしているので、これを正面にとのことでした。
終わった後の柄杓と蓋置の飾り方。Naさんは「ト(の字)飾り」。私は、「入り飾り」でした。
写真は、棗の胴の絵柄を写したかったので、ト飾りの横に棗を置いて撮りました。
喰籠の中には大きなおはぎが入っていました。
私の手のひらほどの大きさ、甘さ控えめで美味しいおはぎでした。
最後に膝の悪いNoさんが、立礼式で。
お干菓子は、菱餅の形をしたお盆に入っていて、
ピンクの立雛の形をした落雁と鶴の絵が描かれた御煎餅です。
薄手のお雛様の絵を描いたお茶碗で戴くお薄茶は、熱いほどでした。
最初にNaさんに出されたお茶碗は、私も使った鬼萩。真っ白な釉薬に黒い貫入が入った大ぶりで荒々しいものです。

最後に、先生から5月5日の逸翁美術館の当番の案内と、4月のお稽古日を決めて。
その時、一寸話題にして、Noさんも知っていた日経新聞15日の夕刊のローカルニュースを紹介しておきます:

民生委員 若者にPR
大阪府インターン導入へ 将来の人材確保めざす


 大阪府は来年度にも、大学生を対象に民生委員のインターンシップ(就労体験)事業を始める方針を固めた高齢化が進む中、民生委員の「なり手」が減っており、若者に福祉問題に関心を持ってもらうことで将来の人材確保につなげる狙い


 民生委員は、厚生労働相から委嘱された無報酬の特別地方公務員で、高齢者宅を訪問して相談に乗るなどするインターンシップは大学や市町村と連携して実施。講義や意見交換で民生委員の活動への理解を深めたうえで、家庭訪問などへの同行で高齢者らとのコミュニケーションの取り方を学んでもらう。修了者には「民生委員・児童委員サポーター」認定証を交付する。

◎民生委員は、正式には「民生委員児童委員」(民生児童委員)と呼ばれ、児童委員を兼ねていますので、子供の不登校や虐待、育児放棄などの問題も扱っています。委員自身は無報酬ですが、活動費は税金ですので、有効に活用?することが出来ればよいと思います。隣近所のお節介オバサンやオジサンがいなくなったので、こういう役割が見直されているご時世です(元委員からの一言でした)。