映画「私は、マリア・カラス」

何回か夫の映画の誘いを断っているので、今年最後に見る映画を私から。
数日前に見た映画の新聞広告。
何年か前、テレビで「マリア・カラスの真実」を見ました。
オナシスをジャクリーン・ケネディに奪われて、失意の中、
歌に懸けるカラス、かわいそうなマリア・カラスでした。
夫は今クラシック音楽にはまっていて、特にオペラはDVDで勉強中? 
それで、マリア・カラスなら絶対大丈夫と思いました。
梅田のステーションシティシネマというのは二人にとっても初めての映画館。

一度知っておきたかったので、木曜ならということで、昨日、10時半開演を目指して箕面を出ました。JR大阪駅直結のノースゲートビル11階を目指して行くことに。
エレベーターの相客は子供連れの若いママさんたち。シネマコンプレックスで、冬休みの子供向け映画がたくさん上映されているようです。12番館がマリア・カラスでした。チケットを買ってから少し時間があったので外へ出ました。暖房と熱気で暑かったので、外の冷たい風が気持ちいいくらいです。ビルのてっぺんがつながっているスカイビルが真正面に見えて、背後に六甲の山なみが横たわっています。

屋上は「風の広場」という名前がついていて、ベンチがしつらえてあったり、風で動く赤い羽根のモニュメントが立っていたり、大阪の北部の山なみから六甲山までの景色が楽しめるようになっています。

冬花壇には白いクリスマスローズが一株花をつけていました。

時間が来て中に入ると、12番シアターへ向かうのは私たちぐらいの年齢の方たちが多いのに気づきました。
マリア・カラスを知っている年代といえば、そうなりますね。
映画はニュース映像や取材のインタビュー映像など実写をつなぎあわせたもので、マリア・カラス自身を語ります。
流されるオペラの歌声や映像が本当に素晴らしい。のびやかな高音の美しさが際立っています。
原題は「MARIA by CALLAS」でした。マリアはカラスによって、マリア・カラスだったという意味に受け止めました。
歌声のシャワーをたっぷり浴びた2時間。最後は53歳で亡くなります。字幕をみて、すぐ美空ひばりさんを思いました。
ニューヨークでギリシャ移民の子として生まれ中学生のころヨーロッパに渡っていますので英語が話せるのですね。

『マリアとして生きるにはカラスの名が重すぎる』とマリア・カラスが語っていますが、マリア・カラスとして生きることを選んだのも彼女自身ですし、今なお、その素晴らしい歌声や舞台を楽しめるのは、マリア・カラスだからこそです。
ディーヴァというオペラの歌姫の称号を生きることは、かくも厳しいもの……何とも言えない余韻です。
ビルから降りて、阪急へ渡る途中に安くておいしい天ぷら屋があるというので、JRから阪急へ向かいます。
向こうにスカイビルが見えます。阪急に向かうと、カリヨン越しに赤い観覧車が真正面に。
行列のできる天ぷら屋さんで少し待って、てんぷら定食を。
夫も、あれがマリア・カラスか、と喜んでくれました。もう一度聞きたいとも。

若い店員さんがきびきびと働いて、天ぷらを目の前で揚げているのを見ながらアツアツをいただけるのは幸せです。
夫が、今年も終わるな、よく頑張ったと思うというので、何のことかと思ったら、私のこと❓ あなたのおかげです。二人でなければ乗り切れなかったとお礼を。こんな一年になるとは予想もしていなかったもんね〜母の大腿骨骨折と腎盂炎による2度の入院は青天の霹靂、そして、父は命日の9月9日のその時まで、来年も生きていると思っていたもんね〜と私。
阪神デパートでワインの買い出し、3本を夫がリュックに詰めて、私は夕飯のおかずの塩干物の魚を物色。紀伊国屋書店に寄って箕面へ。暑くて脱いでいたダウンのベストやコートやマフラーを箕面線に乗り換えてからは身に着けることに。箕面は寒い。3時過ぎ、母を呼んでお茶にしました。