9月のお茶のお稽古と伊丹三樹彦氏訃報

今週に入ってもの37度台の微熱が続くのでヨーガは休みましたが、金曜日のお茶のお稽古には先月お休みしているので出かけることに。朝は寒いくらいでも昼間は25度以上でしたが、カーディガンを羽織っていきました。

先生のお庭は高砂芙蓉の可愛い花やオレンジのヒオウギが咲いています。玄関先のブッドレアの花房が信楽の狸の上に垂れていました。

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ガレージに車がないので私が一番乗り。お部屋に入って先生にご挨拶。よくなりましたか?に、それがなかなか良くならなくて、今日もまだはっきりしないのでお点前はお休みしてお菓子とお茶をいただくだけに…と私としては初めてお茶を点てるのをパスすることに。そのうちお二人も見えて、11日の樹木希林さんの映画「日日是好日」の話になりました。私は午前中でしたが、お二人は午後。やはり客席は一杯だったようです。Fさんから私と会ったことは聞いているとのことでした。膝に電気をかける治療に毎日通っておられるので、そこで話題になったようです。

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お花は白いむくげとピンクの秋海棠、背の高いのはホトトギスでした。お軸は、何と書いてあるのか教わりました。「歩々起清風」だそうです。秋の今頃の風を清い風というそうです。お部屋のしつらえはまだ夏でした。

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さて、この日は、初めての棚、桑の小卓(こじょく)が出ていました。桐もあるそうですが、先生は木目がはっきりとして水濡れに強い桑を選んだとか。下の段が狭くなっています。ここに銅(あかがね)の平建水を入れて飾るそうです。

いつもなら私がお点前をするところ、今日は先にNaさんが水屋に入って、私はお客さん。練り菓子をいただいて月にススキの模様の入ったお茶碗で一服いただきました。

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蓋置は「オランダ写し」。水玉模様のような抽象柄は日本的でないので、みな”オランダ写し”と呼ぶとか。江戸時代、出島ルートからオランダものが入っていたからでしょうか。

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干菓子は栗の落雁、長野県小布施のものだそうです。とても美味しい。ピンクの菊花は先生の手作り。ちょっと面白いお茶碗は先生が絵を描かれたもの。色合いが良いですし、抽象的なお花だから季節を問わず…と言いかけたら、「だめ、万寿菊と真垣だから」と。それにしては菊の葉っぱが丸い?先生も「失敗よ、下手なの」と。変わってるね~と言ってたのですが、種明かしをされました。

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続いて、膝の悪いNoさんの立礼式のお茶です。その前に、先生が「我が家にも国宝があるので見て頂戴」と出されたのが、小さな紙箱。「開けて」と言われたので私が開けさせていただくことに。お守り札のようなものに木片が埋め込んであります。

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「平成三十年度 修復記念 豊興山妙喜庵」。裏を返すと「国宝待庵屋根古材」と読めます。台風21号で壊れた屋根の修復記念に古材の一片を保存会のメンバーに配られたようです。大山崎にある妙喜庵「待庵(たいあん)」は国宝のお茶室です。保存会は会費を出して、年5回のお茶会に出られるそうです。見学を申し込んでもなかなか抽選に当たらないのですが、先生は保存会メンバーですし、よく妙喜庵待庵のお茶席に出ておられます。でも孫たちには値打ちがわかってもらえないとか、待庵が国宝だとわかっていないとね~と私からも。

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水差しはつやつやしていたので高取焼。ひょうたん柄の棗は縁起もので、普通奇数を好むはずなんですが、ひょうたんの絵は六つ。無病息災を兼ねているとか。聞いてみないと分からないですね~。

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何とか無事、お茶のお稽古、済みました。

でも、喉の違和感と微熱が取れないので今日のザ・シンフォニーホールアンサンブル金沢ベートーヴェン7 番のシンフォニーとモーツアルト)の演奏会はパス。喉がいがらっぽくなって咳き込むとまずいので、夫に山仲間を誘って行ってもらうことに。

◎昨日は新聞に伊丹三樹彦さんの訃報が。母が60歳の時、箕面で俳句教室を探して訪ねたところが三樹彦氏の教室。その後すぐ千里中央に教室が変わりましたが、母は2005年に先生が体調を崩されるまでずっと教室に通い、翌年1月「青玄」廃刊後も長女啓子さんが主宰する句誌に投稿しています。

来年2月に100歳を迎えられるのを記念して準備中の俳句集に句を寄せていたところでした。「現代語による分かち書きの俳句を唱え、2003年に現代俳句大賞を受賞」。写真が趣味の亡き父も「写俳(写真と俳句を組み合わせたもの)」で先生ご夫妻と一緒にグループでインドや、ネパール、モンゴルやポルトガルと珍しい海外旅行地を訪ねる旅を退職後の楽しみにしていました。記事を読んだ母から弔電を頼まれて電報を打ちました。今日伊丹市で葬儀が営まれます。ご冥福をお祈り申し上げます。