中村哲さん「武器ではなく命の水を」と「風をよむ」(サンデーモーニング)から

◇↓写真は今朝のサンデーモーニングより

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中村哲さん、ペシャワール会の会誌で日本に向けて事業報告をなさっていました。日本に帰っても、資金調達の活動や講演でお忙しくされて休まる暇がなかったのではと心配でした。4年前、近くのホールで開催された講演では、最初に、初めて聞く人と何回か聞いた人を挙手で把握なさっていました。あの時はあと10年は生かしてほしいと仰っていましたが、現地では20年の計画を立てておられたとか。90代前半ですから可能性は十分あったのに、本当に志半ばで銃弾に倒れて・・・ご冥福をお祈りいたします。 (会誌の事業報告の言葉を蛙ブログでもかなり紹介していますので「中村哲さん」で検索すると読めます。ここでは4年前の講演会についてのブログを:

◆昨日のTBS「報道特集」の金平キャスターのこの言葉! 涙ぐんでおられたようですが、聞いてる私も目が潤んできました。清らかな生き方と、あまりに汚濁に満ちた現政権の政治家たち・・・

内田樹さんがリツイート

マス対コア @MASS_VS_CORE 12月7日

#金平茂紀「〝武器ではなく命の水をアフガニスタンで戦火に苦しむ人を支援活動を続けていた医師 #中村哲 さんが銃撃されました、悲しみが国境を越えて広がってますこの国の愚かな為政者達とは次元の違う誇り高い生き方を貫いた中村さんのご冥福を心から祈り申し上げます」

#報道特集 (2019.12.7)

中村哲さんの不屈の活動の中心にキリスト教があることは間違いないと思っています。アフガニスタンで学校建設の後に宗教施設のモスクを建設したのも、中村哲さんご自身が宗教をよく理解されてのこと。日本ではあまり触れておられませんが、今朝の「shuueiのメモ」さんのブログでは、加藤登紀子さんが明かすエピソードが紹介されていました:

◆TBS,今朝のサンデーモーニング、最後のコーナー「風をよむ」も中村哲氏を取り上げています:

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◆2001年、同時多発テロ後の米軍によるアフガニスタン空爆。日本も賛成しました。中村さんは国会で証言しています。「当地の事情を考えますと有害無益でございます」「武器によって平和は訪れない」「そこに住んでいる人といい信頼関係があること」「これが武器よりも何よりも一番大事なことだと思うんですね

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利害を超え 忍耐を重ね 

 裏切られても 裏切り返さない誠実さこそ

 人々の心に触れる

それは武力以上に 強固な安全を提供し

 人々を動かすことができる」       『天、共に在り』より

憲法九条については、「何百万という犠牲の上に築かれたのが、あの金字塔だと」

 「民族の理想であり、それと同時に世界の人たちの理想であるわけですね」

◆色紙に求められると「照一隅」(一隅を照らす)と書かれたとか。

天台宗比叡山延暦寺の門を入ると内側にこの言葉が大書されていました。最澄の言葉ですね。クリスチャンの中村さんがこの言葉を書かれるのは私たち日本人にも理解しやすいからでしょうか。

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みんなが泣いたり

困っているのを見ればね

だれだって「どうしたんですか」って

言いたくなる

そういう人情に近いもんです」

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◇最後に青木理さん:

まさに憲法の理想でもある『軍事によらない国際貢献』ですが、これを言うと、「夢物語」とか、ネットでは「脳内お花畑」という言葉が返ってくる。

しかし、現実に中村さんがこうやって亡くなったというのを目の当たりにすると、理想を実現するというのは、相当な覚悟と相当な努力が必要なんだと、ついには残念なことに命を落とすような覚悟をしなくちゃならないくらい理想を目指すのは難しいんだなと改めて教えられた気がしますよね。

安易な武力とかそういう方向に走ってしまうのか、理想を私たちは目指すんですか、諦めるんですか、ということを問われているなという感じがします。

◆昨夜のNHKEテレでは追悼番組として3年前の「武器ではなく 命の水を」の再放送をやっていました。3年前の蛙ブログ記事をここに:

◎昨夜、中村哲氏のニュースを見ながら夫が、「水利の問題じゃなかったと思うよ」と言い出しました。私も、「それだけじゃなかったかも。アフガニスタン政府が名誉国民にしたことが拙かったかもしれないね」「それは、あるな」と二人で。

◆「東久留米日記」さんが載せておられるツィッターの記事。これも、一つの捉え方かもしれません。引用しておきます:

ホルモンの人(インテリジェンスコミュニティ中立)

@musetosix 12月6日

中村医師は最後まで孤独に、キリストとともにありました。

支援団体ですら彼の本当の味方ではありませんでした。

水利の問題で政府や長老たちと本気の交渉を行って、けしを作らず緑化と畑を20年間独占的に行う約束を取り付けたリアリストでした。その段階でタリバンや9条を利用したのは事実であり、

それについて、西南学院OBたちが彼の真の意思を聞き出して外務省をはじめとする関係機関に情報を流して彼を保護したのが真実です。彼のタリバンに関する発言や9条ネタは彼の本意ではありません。彼はハンセン病撲滅とアフガン難民の救済に一生を捧げました。大使館やJICAが陰に陽に彼を保護していた。

中村医師のいなくなったペシャワール会が彼の遺志を今までのままだと遂げるのは難しいでしょう。彼は会の集金力のためにある意味会を裏切っていたのですから。ペシャワール会が彼のよきサマリア人の方便を理解できれば別でしょうが。

しかし、ISILの帰還兵は彼が布教をしなくともキリスト教徒であることを問題にし、既に合意されていた水利の問題を蒸し返しました。アフガン政府と長老たちの話を反故にして。
素人工事ではありましたが、食糧自給自足のモデルケースはISILホラーサーンの連中によって崩壊の危機にありました。

彼は半年で撤退するようないわゆる腐った国連NGOとは違い、ニーズを把握して傭兵にならなくてもすむように畑を整備しました。自分で稼げれば薬も手に入るのです。アフガンの問題は茲に貧困の問題だったのです。しかもパシュトゥン人は根っからの商人です。意識を改革するのが彼のミッションでした。
タリバンを黙らせる結果を彼と日本の外務省が挙げたので、ガニ大統領は彼を叙勲し、名誉国民として遇したのですが、ISILやアルカイダのような過激暴力集団はそれを是としなかった。今回の襲撃は水利と過激イスラムの責任なのです。

日本の今の組織ができるのは、現在のプロジェクト200人に給料を支払い、中村医師とアフガン政府、トライバルエリアの長老たちとの関係を維持してけしを作らせず、緑化を進めるのみです。完成、維持が出来るならばアフガン政府に移管し食糧を増産する。20年間PMSに与えられた特許は有功です。

また彼は日本の医師免許を維持するために日本では八女の某病院で
臨床にも携わっていました。神経内科だけではなく、内科、精神科、整形外科の専門を履修していました
志半ばで斃れたのは非常に残念です。ペシャワール会にただ関わっていた人以上に彼のミッションの本質を知るものとして、

日本政府に働きかけたものの一人として、ただ彼の御霊がキリストの右に捧げられること、今後のアフガンの住人たちの生活がアッラーフに守られることを心から願い、日本政府も継続して彼らの活動を見守ることを願うのみです。
彼はただの9条教徒ではないリアリストであったことを記すのみです。平安を。

彼の遺体は現在アフガニスタンの基地に安置され、三人の衛兵によって警備され、日本に送還される際は棺に国旗がかけられ、ガニ大統領、閣僚とアフガニスタン儀仗兵によって見送られるとのことです。

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