作品大賞『新聞記者』の監督は「スマホでニュースを読む」世代

◎今朝は我が家の夫もシルバーの仕事始め、お弁当を持って出勤。母の訪問医の先生の往診もありました。いよいよ2020年始動、今年こそ災害のない平穏な一年であればと願います。

昨日は、私のパソコンのマウスが働かなくなって、同時に夫のマウスも効かず、電気量販店へ。昨年11月に私のノート型パソコンを新しく買い替えたので持ち込んで調べてもらいました。実は前々日、ノートPCを抱えて移動、夫の机の上でプリンターを使って原稿を印刷していた時マウスを落としたことがあって、それが原因かも。980円の新しいマウスを買った方が元からついていたNEC付属のマウスを修理するより簡単で安くつくというので、そうすることに。そのあと、夫が自分のデスクPCの方も・・・と相談したら、「えぇー2台!? それは入れ替わっている可能性が…」と言われました。「同じメーカーでもマウスはPC専属!」と初めて知りました。家に帰って、試してみると、入れ替わっていました。落としたマウスが私のではなくて夫のPCのマウスだったというわけです。半日がかりでしたが謎解きができてスッキリしました。

◎年末の日刊スポーツ映画大賞の作品賞に藤井道人監督の「新聞記者」が選ばれました。映画が製作されたことも意外でしたが、年間のトップに選ばれたことも意外でした。作品的にはまだまだという感じもありますが、まずは日本でもタブー視されるような話題を映画にしてヒットするという最初の大きな一歩としての価値は大ありでした。

◎表彰式の写真で藤井監督の隣に見えるのは一昨年「万引き家族」で受賞した是枝監督です。ちなみに是枝監督のこの映画へのコメントは「これは、新聞記者という職業についての映画ではない。人が、この時代に、保身を超えて持つべき矜持についての映画だ」でした。

〇昨年の7月の 記事を読むと、藤井監督は日々のニュースを新聞ではなくてSNSで得ているので最初は断ったそうです。ところが70代の河村プロデューサーから説得されて・・・そこのくだりをコピーです:(引用元:「新聞記者」の藤井道人監督、当初は制作を断っていた。その理由とは? | ハフポスト

藤井監督が「人間の善悪」をテーマに撮った前作デイアンドナイト」を見て、河村プロデューサーは「若い感覚でこの映画を撮ったら、きっと受けると直感的に思った」という。

だが、藤井監督は依頼を受けた当初、「すぐに断った」。

政治も勉強したことがないし、自分で新聞も取ったことがなかった親は新聞を取っていたけど、大学に入って一人暮らしを始めたときに月4000円も払えないし。自分が『参加していない』ってことも自覚はしていた。断るには十分な理由があったんですよね」
同時に、河村プロデューサーのある言葉が印象に残った
「『政治に興味がない、政治から逃げるっていうのは、民主主義を放棄しているってことだと俺は思うと。最初はその言葉の意味がわからなかったんですよね」
でも、自分が住んでいる国ってそういうことだよなって。一個一個、1年かけて勉強していく中で、いまはやって良かったなって思っていますしつこさにはいま、一番感謝しているんですけど

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〇「原案に出会った河村プロデューサーが『政治の問題を多くの人に楽しんで見てもらうために、何とかしたい』と感じていた中、『この監督ならエンターテインメントにできる』と依頼したのが藤井監督だった」そうですが:

エンタメ性ということで言うと、今回、松坂桃李さんや本田翼さんら、様々な映画やテレビで活躍する人たちが企画にのってくれた。河村さんが言っていた言葉で、『小さくコソコソやるから恥ずかしく見えるんだ、大きくやろう。それがエンタメだ』って。そこの船にみんなが乗っかってくれた」
『社会派エンターテインメント』と名付けてくれるのはうれしいけれど僕たちは人間を撮った、人間を演じた。それだけしかないし、そんな風に見てくれたらうれしいなと思う

〇製作者側も出演者たちも『覚悟』をしてのことだったようです:

同調圧力の中で、個人がどのように矜持を保って生きていくかは、作品の主要テーマだ。
事実を直視したいのに直視できない━━。作品の中には、観客がまるで物陰から主人公たちを見ていると感じさせるような演出が複数ある。
例えば吉岡が勤務する新聞社内を写した場面では、望遠レンズを使い、カメラが離れた位置から主人公たちの表情をとらえる。
藤井監督はこう明かした。
同調圧力』というものに、僕らもずっとおびえているんですよね干されるんじゃないかとか、会社に迷惑かかるんじゃないかとか。それって本当にそうなのかっていうことを、この映画の中にどうやって入れられるかと思ったときに浮かんだのが望遠だった」
『新聞記者』というタイトルだからと言って、新聞社を賛美するようなことは、新聞を読んでいない僕にはできない。新聞と自分たちの距離は遠い。そこの距離感はすごく大事にして撮りました」

 ◎我が家の40代の息子たちも新聞は取らないでニュースはスマホで読む世代です。その人たちが警戒するのは、新聞は右寄りか左寄り、自分たちは公平で公正でありたいと思っていることかと。それが高じて左右のバランスだけを考えて『中立』が最良と誤解していることも多いように思います。『警戒』させてしまっているのは何だったんだろう?と思いますが、そこからスタートするしかありません。

藤井監督は、新聞寄りであることを警戒して官僚の人たちの取材を徹底するようにしたと言っています。民主主義をもう一度初めから作り上げていくこと・・・政治に関心を持つ人を増やして選挙の投票率を上げることとか・・・

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