4月のお茶のお稽古

◎先週の金曜日、午後からお茶のお稽古に出かけました。

気温が上がるというので、以前いただいていた薄手のジャケットを着ることに。Sさんのお姉さんが生地を選んで仕立てたというもの。丁寧に仕立てられていて誰かが着ないと勿体ないというので体の小さな私が有難くいただいて出番待ちでした。

先生宅の近くで車に追い抜かれましたので、降りてくるお二人を待っていると、降りてこられたのは一人。あれっ、Nさんは?と聞くと、脳梗塞で入院!とか。9日のことで、発見と手当てが速かったので大事に至らず点滴で治して今は自宅で安静にしておられるとのこと。ビックリしました。

先生は即、働き過ぎよと仰って。3つある敬老会の一つの会長さんが亡くなられて、一人で抱え込まれたのもあったのかもしれません。コロナのこんな時だからこそ催し物を企画して内にこもりがちな高齢者の集まる機会を作らないとと頑張っておられましたが、ご自分も後期高齢者。とにかくこの日は二人でお稽古がスタートしました。

お花は姫ウツギと釣り鐘みたいなこうちゃく草と薄紫の都忘れと蕾のシャガ

どれも、お庭に咲いている花々です。掛け軸は「紅花緑柳」。

4月でしたので、炉がふさがらず白い灰が見えます。五徳は使わず、代わりに天井から鉄の鎖で釜を下げる釣り釜です。炭火を使いますが季節の変化にも対応しています。

そしていつもの棚の代わりに桑の木の木目が美しい箱が置かれています。暖かくなって屋外のお茶席のための道具。野点(のだて)や芝点(しばだて)用の旅箪笥という道具です。鉄製の閂(かんぬき)を外すと中にお茶道具一式が収まります。今から500年前、秀吉のために千利休さんが考えたそうですが風流。

棗の模様は芽吹いた柳。水差しはオーストリアの陶器の見立て使い。お茶碗は正面に桜の花が描かれた京焼。

芝の上ということで、戸棚の中板を外して下敷きにして、そこに棗と茶せんを置きます。後はいつも通り。

お茶碗の左は徳田八十吉の九谷焼、春の野草の京焼、桜の花と緑の京焼、白い桜の花びらが描かれている楽焼。(九谷焼は元々五彩と言われ、赤・紺青・黄・緑・紫の五色が使わますが、八十吉の九谷焼はガラス質にならない紅を省いて四彩が基本)

この日は二人なので、二度目は「ご自服で」と先生に言われて、自分で頂きました。

お客さんになって、袱紗を片付けていたら、もう一度と言われ、2回、計4服点てました。干菓子は三温糖で出来た口の中で熔けるようなお菓子でした。お茶椀は「遠山」。

翌日お見舞いの電話で少しお喋りしました。9日の日、お客さんにお茶を入れる時に少しこぼして、いつもの様子ではないと気づき、出先でその話をしたら、直ぐ病院へ行った方が良いと脳外科を勧められ、そこでMRIを撮った結果、救急車で昔乳がんで入院していた病院へ向かい即入院。処置が速くて後遺症が残らなかったと。

無理しないでね、ほどほどに、喜寿だよ、と言って電話を終わりました。今回は用心して家にいたけど来月のお稽古は出られるからとのこと。本当に幸運が重なって無事だったようでホッとしました。