寒咲きアヤメと1万円札の福沢諭吉「独立自尊の志」

◎振替休日の12日、散歩の帰り唐池公園の東口から入った所、左手の木下蔭にアヤメが咲いていました。カンザキアヤメ(寒咲き菖蒲)の大株でした。

まばゆいほどの透明感のある黄色。リュウキンカの花です。

◎1月、能登半島地震義援金のことで出かけた郵便局で見たポスター。

今年はお札が新しくなるんですね。1万円札は渋沢栄一、5千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎渋沢栄一NHK大河ドラマ「晴天を衝け」で1年間、津田梅子は最近のNHKドラマ「大奥」の最終場面で登場でした。

◎と言うことは、1万円札の福沢諭吉さんは今年でお終いということに。昨日の朝日新聞福沢諭吉さんを取り上げていました。一万円札の肖像を40年間務め?ていたそうです。福沢諭吉の評伝小説「福翁夢中伝」(早川書房)を出した荒俣宏氏に「福沢諭吉の偉大さの源」を聞いています。

福沢諭吉の偉大さの源は、権威より品位

文明国めざした「独立自尊」の志

福沢諭吉の「福翁自伝」は、幕末から明治初期までで、晩年には触れていないので、荒俣さんはその続きを書こうとされたようです。幕末から明治を生きた偉人の二人といえば、勝海舟福沢諭吉1860年、初めて太平洋を往復した幕府の軍艦に、この二人は乗り合わせていたのです。記事の最終部分を書き移しです:

  教育勅語に対抗

 死の前年、福沢は品位ある国づくりを目指し、慶應義塾から「修身要領」を発表する。「人は人たるの品位を進め、知徳を研(みが)き~」との第1条に始まる、国民に向けた道徳書。学問のすすめ」を更新し、官制の「教育勅語」(90年)に対抗した。

 荒俣さん曰く「要領と勅語はともに博愛主義で9割方同じように見えるが、勅語の<忠><孝>という言葉は慎重に排されている」。福沢は、代わりに個人の<幸福>を求めるようにうながし、国や親に従順であるよりも独立自尊を訴えた。要領の普及活動費の捻出のため、慶応を廃塾にして土地を売り払う覚悟までしていたという。

 「勅語が広まってしまうと、たいへんなことになると警告していたんだなと、よくわかった。福沢は文明国の尺度を独立自尊から生じる品位に置いていた。品位があれば他国から尊敬されるから、戦争なんて起きないんです」(野波健祐

◎この『独立自尊』の大切さを私も今ひしひしと感じています。自分の値打ちを自分自身が認める事。これが無ければ他者の値打ちを尊重することも、また他者から自分を守ることもできません。荒俣さんは記事の中で「人を助けるのが趣味だと言って、痩せ我慢する。品位って瘦せ我慢から生まれるんです」と語っています。痩せ我慢してまで貫くものがある事。個人でも集団でも、組織でも国でも、同じだと思います。