テレビ朝日の「サンデープロジェクト1000回記念」を見て

中川昭一氏辞任後財政・金融大臣を兼務した与謝野大臣生出演の後、記念討論「西部邁中谷巌桜井よしこ姜尚中が日本人の未来を熱く語る」(新聞の番組欄から)を見ました。

西部氏は「新しい歴史教科書」で推進役をした(田原氏が「自称右翼」と紹介したときにご本人が訂正して)「保守」、「70歳を迎えてケンカしたくなくなった」と一寸弱気な面も、中谷氏は最近「懺悔の書」・「資本主義はなぜ自壊したか」を発表して竹中氏とは対極の経済学者、桜井さんは独特のヘアースタイルを長年キープ、その点でも保守本流?かつ独特のイントネーションを抑えて滔々と話しづづける押しの強いスタイルもキープ、そして同じく独特の低音の声音の姜氏、最近は「悩む力」という本でも評判、の四氏に田原総一郎が加わって話し合いがスタート。

田原氏の「依って立つところは?」という質問にフリップで答えて中谷氏は「美意識」、桜井氏は「武士道」、姜氏は「地域(集団としての意識?)」だったかな? 家族、地域、集合体である日本としての意識のようなこと? それに西部氏が姜氏、中谷氏の補足説明のような加わり方で結局この三人(四人?)は「歴史、積み重なった日本人としての意識」と言いたいことは共通していたように思いました。ただ、日本人としての自覚のようなものが「いつから失われたのか?」という田原氏からの質問に対して「敗戦後アメリカの占領政策で日本人から歴史を奪って過去の歴史を教えなくなった」「国体を無くしてから、戦後のよりどころはワシントンDCに移ってしまって日本はアメリカの属国になってアメリカの精神で考えるようになった」というような話がありました。

夜、山から帰った夫と息子を前に、私がこの番組の感想を話して:桜井さんは一寸ピントがずれていたみたいだったけど、あとの三人の言うことは同じだったよ。西部さんも大人しくなって、しきりに姜さんの言う通りだと言っていたし、中谷氏は「いつ頃から変わったの?」に「10年ほど前からオカシイと思い始めた。政治と経済が同じように進み始めて、間の社会が抜けている。社会が分断され、日本が持っていた良さが失われ始めていると感じた」「それは小泉さんからじゃないの?」「違う、その前から」と言ってた。姜さんは「戦後、冷戦体制を前提にしたアメリカとの関係だったのに、冷戦体制が崩れたとき本当は考え直さなければならなかったのに、日本はそのまま来てしまった」と指摘。

夫はフン、フン、と肯きながら聞いていましたが、息子は「右翼も左翼もないよな〜、今は(翼をつける本体の)胴体がないんだから」と。
そうですね。それに今気づいてきた人たちが多くなったというのが救いです。
先週の「たかじん」の番組での沖縄の集団自決問題でも感じたのですが、同じ日本人、感情論にならないように話し合えば、行きつくところは右も左もない。立場の違う人とも話し合いが必要だとつくづく思います。